ビットコインとイーサＥＴＦに32億ドル流入、新たな安全資産の期待も – Bloomberg

暗号資産（仮想通貨）市場に投資家が戻りつつある。先週にはビットコインとイーサを裏付けとする上場投資信託（ＥＴＦ）に計32億ドル（約4600億円）超が流入した。

　　ブラックロックの「ｉシェアーズ・ビットコイン・トラストＥＴＦ」（ティッカーIBIT）だけで約15億ドルを集め、流入額は年初来で最大規模となった。アーク・インベストメントの「アーク21シェアーズ・ビットコインＥＴＦ」（同ARKB）には６億2000万ドル、フィデリティの「ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド」（同FBTC）にも約５億7400万ドルが流入した。

　　一方、ウィンターミュートのデータによれば、イーサ連動のＥＴＦも週間ベースで、２月以来の純流入となった。

　　背景には、関税交渉進展への期待からＳ＆Ｐ500種株価指数が4.6％上昇するなど、リスク資産全般が堅調に推移したことがある。ビットコインも10％上昇の９万4000ドル前後と、米大統領選直後以来の好調な週となった。

　　暗号資産の推進派はまた、トランプ大統領の関税政策により市場が混乱する中でも、ビットコインが株式市場よりも相対的に底堅かった点に注目している。Ｓ＆Ｐ500種が年初来で約６％下落する一方、ビットコインは年初来横ばいにとどまっており、最高値を相次ぎ更新している金のように、新たな安全資産としての役割を担うとの期待が再び高まっている。

　　ｅトロのサイモン・ピーターズ氏は「ビットコインのスポットＥＴＦの純流入は機関投資家の関心を示す指標であり、明らかに増加している」と指摘。「金価格が過去最高を更新するなか、デジタルゴールドとも呼ばれるビットコインも、経済的な不透明感が続けば、希少性という共通点を持つ安全資産や代替資産とみなされるだろうか」と話した。

原題：Bitcoin Devotees Plowed $3 Billion Into ETFs Amid Crypto’s Surge（抜粋）