ジムで汗を流す音、バーベルが床に置かれる音、そして仲間たちとの笑い声。金曜の夜、そんな活気に満ちた空間で週末をスタートさせる若者たちが増えているらしい。
イギリスでは今、Z世代がお酒よりもダンベルを選ぶという、新たなトレンドが生まれているようだ。
イギリスのジム事情:Z世代は4割!
話題のトレンドを伝えたのは「Daily Mail」。イギリスに250店舗を展開するフィットネスジムチェーン「The Gym Group」のオーナーWill Orr氏は、Z世代がジム通いを増加させている現状について紹介している。
同社では、会員の40%をZ世代が占めているというから驚きだ。Orr氏は、「Z世代は、以前の世代とは異なり、ジム通いを『雑用』ではなく、『社交の場』として捉えている」ともコメント。
健康とメンタルヘルスが最優先
同氏によれば、Z世代は健康やメンタルヘルスへの関心が非常に高く、お酒を飲むよりも運動することを優先する傾向があるという。たしかに、彼らは健康に関する知識も豊富で、身体的、精神的な健康のメリットを理解した上で、ジムでのトレーニングを積極的に楽しんでいるのだろう。
運動だけでなく、ジムに行くこと自体を望んでいるイギリスのZ世代。これは、金曜夜になると好んでパブへと出かけていたミレニアルズをはじめ、以前の世代とは大きく異なる点だとOrr氏は指摘する。
Z世代の消費とコミュニティ
イギリスで起こっているこの現象、実のところ日本のZ世代にも通じるものがあるのかもしれない。
ノンアルコール飲料市場の拡大や、ヨガやピラティス、パーソナルトレーニングジムの人気に象徴されるように、日本の若者たちの間でも健康志向は高まっている。さらに、SNSを通じた情報交換やコミュニティ形成が活発なZ世代にとって、ジムは共通の趣味を持つ仲間と繋がり、新たな人間関係を築く場としての魅力もあるのではないか。
多様な選択肢の中から、自分の好みに合ったフィットネスを見つけることで、体を動かすことが、どこか義務的なものから日々の生活を充実させる「楽しみ」へと変化する。
お酒を介したコミュニケーションが、すべてジム通いへと取って代わるわけではないだろうが、Z世代のライフスタイルに、静かなる変化の兆しが見えるのは事実だ。