蛍光ランプをLEDランプに交換する際は注意が必要

既報の通り、蛍光灯を生産する国内大手メーカー3社が、2027年に生産を終了することを発表している。LEDへの移行が進む中で、誤った方法での交換により事故が発生している。

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)は22日、照明器具のランプ交換による事故事例を発表した。既設の照明器具のまま蛍光ランプをLEDランプに交換する際、不適切なランプ交換による事故が多いことから注意喚起を行なっている。

【事故事例1】LEDランプから火災

LEDランプおよび、その周辺を焼損する火災が発生した。

これは使用者がインバーター式の照明器具に、グロースターター式の照明器具には工事不要で取付け可能なLEDランプを接続して使用したため、LEDランプ内部の基板に過剰な電流が流れ込み、異常発熱して出火したものと考えられる。

【事故事例2】照明器具から火災

スイッチを入れたところ、異臭がしたため確認すると、照明器具および周辺を焼損する火災が発生した。

これはラピッドスタート式の蛍光灯器具にLEDランプを取り付けていたが、LEDランプを使用する際に必要な工事(器具内の安定器を取り外す)を行なわずにそのまま使用してしまったため、余計な負荷がかかって異常発熱した安定器内部の部品がショートして出火したものと考えられる。

【事故事例3】LEDランプが溶解

蛍光灯器具付近から異臭がし、LEDランプの一部が溶融した。

これはグロースターター式の蛍光灯器具にLEDランプを装着する際、点灯管(グローランプ)を取り外さなかったため、点灯時に過電流が流れて異常発熱し、LEDランプを焼損したものと考えられる。

不適切な方法でランプを交換すると火災が発生するおそれがある

不適切なランプ交換による事故を防ぐポイント

上記のような事故を防ぐために、NITEでは既設の照明器具のまま蛍光ランプをLEDランプに交換する際の注意点を紹介している。

●蛍光灯器具の点灯方式に応じたLEDランプを選定する

既設の照明器具のまま蛍光ランプをLEDランプに交換する際は、必ず「蛍光灯器具側の点灯方式」と「LEDランプ側の対応点灯方式」が合っていることを確認する。「蛍光灯器具側の点灯方式」は点灯管の有無や銘板の記載を確認、「LEDランプ側の対応点灯方式」は商品パッケージや説明文を確認することで調べることができるという。

蛍光灯器具側の点灯方式の確認方法

LEDランプ側の対応点灯方式の確認方法

●LEDランプの取扱説明書の注意事項を守って作業する

ランプ交換は、必ず電源を切ってから行なう。通電状態で行なうと感電や器具故障のおそれがあるという。また、LEDランプのパッケージや取扱説明書等に記載されている注意事項(「必ず点灯前に、グローランプを取り外してください」等)を守ってランプの交換を行なう。

照明器具とLEDランプの組み合わせによっては電気工事士の有資格者による工事が求められる場合もあり、工事不要でも少しでも不明点がある場合は絶対に自分自身での交換作業はせず、電気工事業者への工事依頼をするよう呼びかけている。

取扱説明書等に記載されている注意事項を確認する

●ランプ交換後、異常がないか確認をする

ランプ交換の後は、異常が無いか確認する。「点灯しない・ちらつきがある」などの点灯トラブルや、異音・異臭(焦げくさい臭い)がした場合は、火災や故障のおそれがあるため、直ちに電源を切って使用を中止する。

ランプ交換後は異常がないか確認する

照明器具は、長期間使用すると器具内の部品が経年劣化し、破損・発煙・発火するおそれがあるため、一般社団法人日本照明工業会は、照明器具を設置してから10年を「適正交換時期」、15年を「耐用の限度」としている。使用年数が目安となる10年を超えている場合は、新しいLED照明へ器具ごと交換することも検討し、また10年未満であっても、異常がある場合は直ちに使用を中止して交換するよう注意喚起を行なっている。

銘板(ラベル)上の製造年の記載例



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