サムスンは9月13日、超薄型・軽量スマートフォン「Galaxy S25 Edge」を発表した。筆者がこれを手に取った瞬間、真っ先に頭に浮かんだ言葉は「軽やか」だった。次に思ったのは、もし自分が「Galaxy S25+」だったら不安になるだろう、ということだ。
プレビューイベントで実機に触れる
ニューヨークで開かれたプレビューイベントで短時間触れてみて感じたのは、この新製品がGalaxy S25シリーズの特徴をしっかり受け継いでいる点だ。Galaxy S25 Ultraと同じ2億画素の広角カメラ、Galaxy S25+と同じ6.7インチ画面、そしてシリーズ共通の「Snapdragon 8 Elite」プロセッサーを搭載している。それでいて厚さ5.8mmのチタニウムフレームに収まり、重量はわずか163g。バッグやポケットに放り込んだら存在を忘れそうなほどだ。
実際、Galaxy S25 Edgeは「中間モデルのフラッグシップ」として理想的だと感じる。ベースモデルを一段引き上げ、1100ドルという価格にふさわしい特徴を備える。Ultra同等の広角カメラと大画面を搭載しており、普通とは少し違うものを求める人にとって魅力的な選択肢になりそうだ。
もちろん妥協点もある。特にバッテリーだ(詳細は後述)。
米国ではGalaxy S25 Edgeの予約受付が始まっており、発売日は5月30日。カラーはチタニウムシルバー、チタニウムジェットブラック、チタニウムアイシーブルーの3色だ。
Galaxy S25 Edgeが際立つ理由
筆者がこれまで抱えていた最大の疑問は「そもそも薄いスマホを欲しがる人はいるのか?」という点だった。だがGalaxy S25 Edgeに少し触れただけで、その魅力が見えてきた。
見た目こそ強烈なインパクトはないが、実際に手にすると印象が変わる。厚さ5.8mm、重さ163gのGalaxy S25 EdgeをS25やS25+と比べると、その薄さと軽さがはっきり分かる。参考までに、ベースのS25は7.2mm/162g(画面は6.2インチ)、S25+は6.7インチながら7.3mm/190gだ。差は体感できるレベルで大きい。
強度を確かめようと少し力を加えてみたが、非常に頑丈に感じられた。前面は「Corning Gorilla Glass Ceramic 2」、背面は「Gorilla Glass Victus 2」で保護されている。お尻のポケットに入れたら折れるという心配はなさそうな印象だが、レビューでじっくり試したい。防塵防水は他のGalaxy S25シリーズと同じIP68等級だ。
少なくともスペック上、最大のトレードオフはバッテリー容量だろう。Galaxy S25 Edgeの3900mAhという容量は、S25の4000mAhやS25+の4900mAhに比べ見劣りする。サムスンは「終日持続する」としか公表しておらず、実際の駆動時間は検証が必要だ。充電は有線で25W、ワイヤレスで15Wに対応する。
薄型スマホではカメラ構成が控えめになりがちだが、Galaxy S25 Edgeは広角2億画素、超広角1200万画素、セルフィー1200万画素の3つのカメラを備える。画素数がすべてではないので、実際の撮影でどうなるかを確かめるのが待ち遠しい。「Galaxy AI」がカメラ性能や「生成AI編集」などの写真編集機能の向上に役立っているとサムスンは説明している。
RAMは12GBで、ストレージは256GB/512GB。価格はGalaxy S25+よりやや高く、256GB版が1100ドル(約16万3000円)、512GB版が1220ドル(約18万1000円)だ。それでも最上位のGalaxy S25 Ultra(1300ドル、日本の公式ストアでは19万9800円)よりは安い。
シリーズでおなじみのGalaxy AI機能、例えば「スケッチアシスト」や「オーディオ消しゴム」にも対応。「Gemini Live」や「かこって検索」などGeminiの機能も搭載している。
新たなトレンドの火付け役になるか
Galaxy S25 Edgeは薄型スマホが取りざたされる中で登場した。今年初め、OPPOは閉じても8.93mm、開くと4.21mmという「世界最薄のブック型折りたたみスマホ」として「OPPO Find N5」を発表。Appleも「iPhone 17」の薄型「Air」モデルを開発中とうわさされている。MWC 2025ではTecnoが厚さ5.75mm、146gのコンセプトスマホ「TECNO SPARK Slim」を披露した。
消費者の反応次第では、Galaxy S25 Edgeが薄型ブームの火付け役になるかもしれない。米CNETの調査によると、スマホ購入時の三大要素はカメラ・ストレージ・バッテリーだが、これらを大きく犠牲にしないのであれば、新しいフォームファクターに対して追加費用を払う気になる可能性は高い。折りたたみを除けばスマホはもはや退屈で予測可能な存在になっているだけに、S25 Edgeは久々の新風となり得る。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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