習氏がロシア訪問へ－国際舞台で中ロの緊密さ演出、米国優位崩す狙い – Bloomberg

中国の習近平国家主席による今週のモスクワ訪問は、ロシアのプーチン大統領との緊密な関係をアピールするだけでなく、米国を孤立させている貿易戦争を大いに利用するチャンスでもある。

　　７日から４日間にわたるロシア訪問で、習氏はプーチン氏と会談する予定だ。両氏の対面会談は、トランプ米大統領が大規模な関税措置を発表して以降で初めて。習氏は赤の広場で行われる第２次世界大戦の戦勝80周年記念式典にも出席する。最近は米ロ関係に融和の兆しも見られているが、中ロの「制限のない」関係に影響はないことが示される。

　　トランプ大統領による貿易・防衛政策の転換は、欧州から日本に至るまで同盟国との関係を揺るがし、国連などの国際機関から米国を遠ざけた。その一方で、米国主導の世界秩序にロシアと団結して立ち向かおうとする中国にとって、トランプ政権の政策が生んだ最近の混乱は追い風だ。

　　カーネギー・ロシア・ユーラシア・センターのディレクター、アレクサンドル・ガブーエフ氏は「議題の核心は、どのような機会があるのか、またこの４年間を使って米国の覇権を覆すために中ロの動きをどう連携させていくのかということだ」と述べた。カブーエフ氏によれば、習、プーチン両氏は「米国の優位性を崩壊させるべくトランプ氏を後押しし、ロシアと中国が繁栄できる多極的な世界秩序の実現を目指したい」と考えている。

　　ロシアのインタファクス通信がウシャコフ大統領補佐官（外交政策担当）を引用して報じたところによれば、中ロ首脳会談は８日に行われ、ウクライナでの戦争や米ロ関係、主要新興国グループ「ＢＲＩＣＳ」および20カ国・地域（Ｇ20）諸国との協力などについて議論する。両首脳は「シベリアの力２」ガスパイプライン計画を含む経済・エネルギー問題について議論を交わし、共同声明を発表するとともに記者会見も行うという。

原題：Xi Heads to Russia on Mission to Weaken US on World Stage (1)（抜粋）