電気ケトルはお湯を手軽に素早く沸かせる便利な家電であるが、転倒によるお湯漏れや本体の高温化が原因で、特に小さな子供の火傷事故が後を絶たない。東京都生活文化スポーツ局の調査によると、特に0歳児および1歳児による事故が多く発生しているという。
こうした事態を受け、安全基準が見直されることとなり、2021年には「電気用品安全法の技術基準の解釈別表第十二」に転倒流水試験が追加。2026年6月以降は、同基準の転倒流水試験条件を満たさない電気ケトルは製造と輸入ができなくなることが決定している。
安全な電気ケトル選びは、価格やデザインと並んで重要なポイント。そこで本記事では、小さな子供がいる家庭でも安心して使える、安全面に配慮された電気ケトルを4つ紹介する。いずれも「本体が熱くなりにくい二重構造」「倒れてもお湯がこぼれにくい」「空焚き防止」の機能を備え、さらに象印、タイガー、シロカの3製品は「熱い蒸気が出にくい蒸気レス」仕様だ。購入する際にはぜひ参考にしてほしい。
本体に湯温が表示されるスタイリッシュなデザイン
ティファールの「ディスプレイ ロック コントロール 0.8L KO8568JP」は、ディスプレイで温度がひと目でわかる、スタイリッシュなデザインが特徴。容量は0.8Lで、直販価格は13,900円。
ディスプレイに表示されるデジタル数字は大きいため、高齢の方はもちろん、少し離れたところからでも見やすい仕様。60/80/90/95/100℃の5段階で温度設定ができるほか、湯沸かし後60分間の保温機能も付いているため、2回目を飲むときも沸かし直さなくて済むのも便利なポイントだ。
本体サイズは約162×209×225mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約1,340g。定格消費電力は1,250W。電源コード長は約1.3m。カラーはブラックのみ。
カルキとばしコースなどユニークな機能が満載
象印マホービンの「電気ケトル CK-KA10」は、沸騰が完了したことをお知らせするメロディーが付いているほか、カルキとばしコースなどのユニークな機能も備える。容量は1Lで、直販価格は14,080円。
こちらも湯沸かし後に約90℃で60分間保温する「1時間あったか保温」を搭載。また「注ぎ口 ほこりブロック」で、注ぎ口にほこりが入りにくい構造になっているなど、衛生面が気になる人にもうれしい仕様となっている。
本体サイズは約25×16×22cm(幅×奥行き×高さ)。重量は約1.1kg。定格消費電力は1,300W。コード長は1.3m。カラーはスレートブラック、ペールホワイトの2色。
50℃の低温で玉露も美味しく淹れられる
タイガー魔法瓶の「蒸気レス電気ケトル QUICK&SAFE+ PTV-A080」は、お湯の飛び散りが抑えられる独自構造の注ぎ口で、狙ったところにキレイに注ぐことができる。容量は0.8Lで、直販価格は14,300円。なお、容量1.2Lの「PTV-A120」(直販価格15,400円)もラインナップする。
50/60/70/80/90/100℃の6段階で温度設定可能。50℃の低温で玉露を楽しむことができるほか、葉物野菜がシャキっとみずみずしくなる「50℃洗い」もできる。また水量窓が左右についているため、どちらからでも水量の確認ができるのも親切な仕様だ。
本体サイズは約16.1×21.3×16.9cm(幅×奥行き×高さ)。重量は約0.74kg。定格消費電力は1,300W。カラーはグレイッシュホワイト、ブロンドベージュの2色。
5千円台ながら安全機能が充実
シロカの「電気ケトル SK-A151」は、これまで紹介してきた製品と比較して、価格が比較的安価でありながら、安全機能も充実しているのが魅力。容量は0.8Lで、直販価格は5,980円。
他の製品と同様に、コップ1杯(140ml)が沸騰するまで約1分とスピーディー。給湯ロックボタンが上がっている時にはお湯が出ないようにする機能も備えているなど、手頃な価格ながら安心なつくりとなっている。
本体サイズは222×143×190mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約0.9kg。定格消費電力は1,300W。電源コード長は約1.3m。本体カラーは、ブラックとグレーの2色。