Loading...



倒産寸前の家具メーカーからApple Parkへ、奇跡の椅子「HIROSHIMA」納品までの軌跡 - ニュースな本

倒産寸前の家具メーカーからApple Parkへ、奇跡の椅子「HIROSHIMA」納品までの軌跡Photo:マルニ木工

倒産寸前であったヒロシマの家具メーカー・マルニ木工は、世界的なプロダクトデザイナーである深澤直人と出会い、「HIROSHIMA」という椅子を誕生させた。2009年からの本格的な販売以降、その売上は徐々に上昇していく。そして2013年、「HIROSHIMA」は世界の“Apple”と繋がりはじめる。※本稿は、小松成美『奇跡の椅子 AppleがHIROSHIMAに出会った日』(文藝春秋)の一部を抜粋・編集したものです。

Apple Japanからの注文
数百脚が東京オフィスへ

「ミーティングスペースやカフェテリアには、HIROSHIMAが数百脚、置かれています。ジャパンオフィスで働くインターナショナルな社員の方々は、その誰もがHIROSHIMAに座っているんです。私がオフィスを訪問したのは納品から5年以上の時を経ていましたが、新品のように綺麗に使っていただいていました。

 HIROSHIMAの素材は、ビーチで白木ですから、使用していれば当然、多少は傷がついたり汚れたりするはずですが、Apple JapanのHIROSHIMAは、変わらず美しいままでした。日々、大切に使われ、手厚くメンテナンスされている。感動と感謝しかありませんでした」

 マルニ木工とAppleとの関係は、このジャパンオフィスから始まった。

 山中洋(編集部注:マルニ木工7代目社長)は、広島市佐伯区湯来町の工場からAppleのオフィスに向けて出荷されるHIROSHIMAを見ながら、この椅子への愛情を改めて感じていた。

「Appleの創業者スティーブ・ジョブズが、56歳の若さで逝去したのが2011年10月です。Appleファンのひとりとして、その衝撃は言葉を失うほどでした。それから2年後の2013年、Apple JapanからHIROSHIMAの注文が入って、飛び上がるほど嬉しかった」

「数百脚ですか?」

「はい。数百脚です」

「ご購入者は、Apple Japan様ですか?」

「はい、Apple Japan様です」

 以前から付き合いがあるインターオフィスの担当者の言葉に、洋は耳をそば立てた。

「Apple Japanが、新事務所にHIROSHIMAを数百脚購入したいとおっしゃっています。可能ですか?」

「もちろんです!」

「我が社にとってもこれほど大きな国内メーカーとの取引は初めてです。成立までよろしくお願いいたします。それでは詳細をお伝えいたします」

 洋がその電話を受けたのは、2013年のことだった。

「思わず、『Appleの東京オフィスに、HIROSHIMAが数百脚も置かれるんじゃ!』と、事務所で声を上げました」

Appleの新社屋に
どうしても「HIROSHIMA」を置きたい

「コウダ、グッドニュースがある。AppleがHIROSHIMAに興味を持っているようだ」

 サンフランシスコにあるアーキテクチュラ(編集部注:アメリカの有名ディーラー)の巨大な店舗に出向いていた神田宗俊(編集部注:海外へ向けた販売の担当者)が担当者からそう聞かされたのは、2014年に入ったばかりの頃だった。神田は、その言葉に静かに頷きながら、実は心臓をドキリとさせていた。

フラッグシティパートナーズ海外不動産投資セミナー 【DMM FX】入金

Source link

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

  • Be the first to comment