中国の輸出が4月も増加し、市場予想を上回った。トランプ米政権が中国からの輸入品に100%を超える追加関税を賦課した影響で対米輸出は落ち込んだが、プラスを維持した。
税関総署が9日発表した4月の輸出はドルベースで前年同月比8.1%増と、エコノミスト予想中央値の2%増を上回った。
一方、輸入は前年同月比0.2%減少。予想は6%減だった。貿易黒字は約960億ドル(約14兆円)となった。
対中関税が大幅に引き上げられ、対米輸出は前年同月比21%減少したが、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けの輸出は21%増加。欧州連合(EU)向けが8%増えた。

米中貿易戦争が激化して以降、実際の経済活動を示す指標であるハードデータとしては初公表となった今回の貿易統計は、トランプ政権の高関税政策による打撃の初期段階を捉えたものであり、5月分から本格的な影響が表れるとみられる。
関税率が引き下げられない限り、昨年に6900億ドル近くに達していた米中間の貿易は最終的にはごくわずかにとどまると、多くのアナリストが見込んでいる。産業には強い逆風となり、企業・消費者は価格上昇に見舞われる恐れがある。
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トランプ政権発足後初となる米中の通商協議が今週末に予定されている。双方が課した関税の引き下げに向け、交渉が進むことへの期待が企業側にはある。だが、今回の協議を前に両国は強硬な立場も示しており、合意に向けた早期進展は難航も予想される。
原題:Chinese Exports to US Slump 21% But Soar to Asia and Europe (1)(抜粋)
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