中国人民銀行(中央銀行)による直近の金融緩和策を受け、本土の社債市場で新たな値上がり局面が始まっている。短期債のリスクプレミアムが過去最低水準に縮小した。
本土市場で発行された1年物の「AA」格付け社債利回りは、同等年限の国債利回りを41ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回っている。このいわゆる「クレジットスプレッド」は、ブルームバーグがデータ集計を開始した2007年以後で最も小幅となっている。
「AAA」格付けの短期社債や、銀行の資金調達手段として一般的な譲渡性預金(CD)のリスクプレミアムも、22年以来の小ささだ。本土市場ではAA格付け以下の債券は一般的に投機的(ジャンク級)と見なされている。
人民銀が先週、政策緩和に動いたことで、短期資金の調達コストが急低下。投資家はより高利回りの債券を買い入れようと資金借り入れを進めている。
ただ、中国と米国が一部関税の停止で合意したことで、新たな刺激策への期待が後退。裁定取引の機会も減っていることから、相場の勢いが今後失速する可能性があると警告するアナリストもいる。
原題:China’s Riskier Short-Term Corporate Bond Spreads Drop to Record (抜粋)
🧠 編集部の感想:
中国の短期社債市場が記録的なリスクプレミアムの縮小を見せているのは、金融緩和が効いている証拠です。投資家は高利回り債券を求めて資金調達を進めているものの、米中間の関税合意が新たな刺激策への期待を薄れさせる懸念もあります。市場の勢いが維持できるか、今後の動向に注目です。
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