世界的なファッションデザイナーとして知られるリック・オウエンスさんの創作活動をたどる初の回顧展「Rick Owens, Temple Of Love」が、6月28日(土)よりパリ市立モード美術館(パレ・ガリエラ)にて開催される。
ロサンゼルス時代の初期作品から最新コレクションまで、100点以上のシルエットが展示。精神性や儀式性を核に据えたリック・オウエンスさんの表現が展開される。
展示ではリック・オウエンスさん自身が芸術監督として企画に参加し、美術館の壁面や庭園にまで及ぶ構成を実現した。
洗練された構造の服で日本でも高い人気を誇るリック・オウエンス
1961年にカリフォルニアで生まれたリック・オウエンスさんは、1992年に自身の名前を冠したブランドを設立。
アンダーグラウンドカルチャーや1930年代のグラマラスなファッションから着想を得た、洗練された構造の服で知られ、日本でも高い人気を誇る。
軍用毛布や洗い加工のレザーなどの再利用素材を活用し、象徴的な「ダスト(グレー)」に代表される色調で、ドレスやジャケットを制作。
2003年にパリへ拠点を移した後も、黒人女性中心のステップダンスチームを起用したショーや、男性モデルの性器を露出させるパフォーマンスなど、社会的メッセージを込めた表現を続けてきた。
影響を受けた美術家の作品も展示し美学の源泉に迫る
本展ではリック・オウエンスさんの創作プロセスを示す資料や映像のほか、彼が影響を受けたギュスターヴ・モローさんやヨーゼフ・ボイスさんら美術家の作品も展示。リック・オウエンスさんの美学の源泉に迫る。
また、妻であり共同制作者のミシェル・ラミーさんとの関係性にも焦点が当てられ、彼女と過ごしたカリフォルニア時代の寝室が再現されている。
リック・オウエンスのオフィス
このほか、会場のガリエラ宮の庭園には、リック・オウエンスさんの家具デザインを想起させるセメント彫刻30点が設置。
美術館の彫像群はスパンコール刺繍の布で覆われ、カリフォルニア原産の植物が植えられて、寺院のような空間に変貌しているという。
チケットは本展覧会のみで14ユーロ(約2300円)。常設展との共通チケットが17ユーロ(約2800円)で、予約サイトから購入可能となっている。
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