
デジタル画像検索収集サイトを運営する米ピンタレストの株価が、8日の米株式市場の時間外取引で急伸した。4-6月(第2四半期)の売上高見通しレンジの中間値が、アナリストの予想平均を上回ったことを受け、広告市場の減速懸念がさらに和らいだ。
人工知能(AI)を活用した成長戦略が成果を挙げている兆候を受け、ピンタレスト株は一時18%上昇。同社は8日の発表で、4-6月期の売上高を9億6000万-9億8000万ドル(約1400億-1420億円)と予測。中間値でアナリスト予想平均の9億6370万ドルを上回った。
ビル・レディ最高経営責任者(CEO)はアナリストとの電話会議で、「当社の重要な差別化要因は、AIを活用してユーザー体験をパーソナライズする能力だ」と述べ、「これが当社を広告主にとって非常に価値のあるパートナーにしている」と付け加えた。
画像検索プラットフォームを提供するピンタレストは、購入データに反映される前にトレンドの早期兆候を広告主に提供できる点を挙げ、消費者の支出意欲が低迷する中で機会を見いだしている。レディ氏は電話会議で、最大顧客が全体の広告支出に同社が占める割合を増やしていると指摘した。
1-3月期の月間アクティブユーザー数(МAU)なども予想を上回った。
一方でアナリストは、関税の引き上げが同社の見通しにリスクをもたらすと指摘した。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、マンディープ・シン氏はリポートで、「ピンタレストの米広告売上高の伸びは、アジアの大手広告主が支出を縮小する中で逆風を受ける可能性が高く、その影響は大手競合他社よりも顕著になる可能性がある」と分析した。
米アマゾン・ドット・コムやアルファベット、メタ・プラットフォームズ、レディットの四半期決算は、デジタル広告市場が依然として健全であることを示していると、オッペンハイマーのアナリスト、ジェーソン・ヘルフスタイン氏は四半期見通しをまとめたリポートで指摘。それを理由に、関税の影響が出る時期は第2四半期から第3四半期にずれ込む見込みだとした。
ピンタレストの株価は8日の通常取引終了時までに年初来で3.9%下落した。
原題:Pinterest Surges as AI Expected to Lure Advertiser Spending (1)(抜粋)
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