トランプ米大統領は、15日に予定されるウクライナとロシアの和平交渉に加わるため自らがトルコを訪問する可能性は低いとの見方を示した。プーチン大統領の出席はなさそうだとの見方が広がっていることが背景にある。
トランプ氏は14日、記者団に対し、予定通りアラブ首長国連邦(UAE)に向かうと明らかにした上で、スケジュールは既に埋まり、訪問地を増やすことはできないと示唆した。
ただ、土壇場で行き先を変更する可能性や後日の訪問には含みを持たせた。
「明日は予定が全て埋まっている。ご存じの通り、全て決まっている」と、カタールに向かう大統領専用機内で記者団に語った。
動画:大統領専用機内で記者団に話すトランプ氏(14日)
Source: Bloomberg
3年余り続ける全面侵攻を終わらせるための交渉をウクライナに提案したプーチン氏に対し、ゼレンスキー大統領は首脳会談を逆提案した。だが、首脳会談実現の不確実性は極めて高い。トランプ氏は以前、この首脳会談に加わるためイスタンブールに向かう可能性をほのめかしていた。だが、プーチン氏が来るかは不明だと、トランプ氏は14日語った。
「プーチン氏が現れるか、分からない。私に来て欲しいとプーチン氏が考えていることは知っている。その可能性はある。戦争を終わらせることができるなら、それは考える」とトランプ氏は発言。「スケジュールはかなり厳しい。だが、多くの人命を救うため、それをしないということではない」と続けた。
この発言は、トランプ氏の出席はプーチン氏次第であることを示唆する。
トルコの当局者は15日のトランプ氏訪問を見込んでいないが、数日以内の訪問可能性を完全には排除していないと、複数の同国当局者が明らかにした。とりわけ、プーチン氏がやって来る場合にその可能性は高まるだろうとし、状況に従ってトルコ側は準備を行うと、計画策定は非公表だとして匿名を要請した関係者が語った。
ゼレンスキー氏はプーチン氏の出席いかんに関わらず、トルコを訪問する。この決定はトランプ氏に「プーチン氏はうそをついている」ことを見せつけるためだと、ゼレンスキー氏は13日、キーウで記者団に説明した。
ゼレンスキー氏はプーチン氏とでなければ、ロシア側との交渉には出席しないと明言している。両首脳の会談が行われる場合、ロシアの全面侵攻開始以降で初めてとなる。
ドイツのピストリウス国防相は「今のところ、プーチン氏がイスタンブールに向かう準備をしている様子はない。少なくとも数日間の停戦を行う用意も全く示唆していない。従って、向こう数日間に停戦合意が実際に成立することに、自分は極めて限定的な楽観しか抱けない」とベルリンで記者団に語った。
原題:Trump Says Visit to Turkey for Russia-Ukraine Talks Unlikely (1)(抜粋)
🧠 編集部の感想:
トランプ氏がウクライナ・ロシア和平交渉への参加可能性を低く見積もったことは、国際的な緊張を一層浮き彫りにします。プーチン氏の出席未定も影響し、交渉の実現性がさらに低下しているのが懸念されます。戦争を終結させるための対話が必要である中、推進力が失われないことを願うばかりです。
Views: 0