地球温暖化による猛暑が常態化する中、ダイドードリンコは新たな飲料カテゴリの創出に挑む。
その核となるのが、ミントタブレット「FRISK」ブランドを活用した炭酸飲料『FRISK SPARKLING』シリーズだ。同社はこのシリーズで、「冷感リフレッシュ飲料」という新市場確立を目指す
消費者の声に応え進化。
飲みやすさ重視の「グレープ」登場
昨年発売された『FRISK SPARKLING』第一弾は、「飲むフリスク」として話題を集めた一方、「ミント感が強すぎる」との意見も寄せられた。
これを受け、ダイドーはより多くの人が楽しめるよう改良に着手。開発されたのが第二弾の「GRAPE(グレープ)」である。
マーケティング部の坂本大介部長によると、新フレーバーは「もともと持っている冷涼感やリフレッシュ感をしっかり活かしながらも、より多くの人に飲んでいただくために、飲みやすさやマイルドさを重視した」結果とのこと。
FRISK特有の”スースーする”感覚は保ちつつ、親しみやすい味わいを両立させた。加えて、同シリーズはGABA(γ-アミノ酪酸。ストレス緩和や疲労感軽減が期待される)を配合した機能性表示食品であり、「疲労感軽減」「ストレス軽減」を訴求する点も特徴だ。
「冷感リフレッシ戦略」は温暖化と市場創出への一手となるか
『FRISK SPARKLING』シリーズの展開は、新商品投入以上の意味を持つ。
中島孝徳社長が「元気・ワクワク・サプライズ」を体現すると語るこの商品は、猛暑が常態化する現代に向けた「冷感リフレッシュ飲料」カテゴリ確立戦略の一環なのだ。「地球沸騰化と言われている中、冷感リフレッシュ飲料という言葉をしっかり打ち出しながら消費者にコミュニケーションしていきたい」と中島社長は語る。
同社は売上の約9割を自動販売機が占めるが、近年は温暖化の影響で水やお茶など「エッセンシャルドリンク」の構成比が高まっている。この変化に対応し、コーヒー以外の飲料強化と、スーパーなど手売りチャネル開拓を進める上で、「FRISK SPARKLING」は重要な役割を担う戦略商品と位置付けられる。
ダイドーは『FRISK SPARKLING』によって、猛暑とストレスという現代的課題に応えつつ、新たな市場を開拓しようとしている。「飲むフリスク」が日本の夏の飲料市場に新たな価値をもたらし、定番となり得るか、その戦略に注目が集まる。
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