グラスの中に、北欧の英雄譚。フェロー諸島産、720本限定の逸品シングルモルトがこちら

お酒は、その背景にある「物語」とともに味わいたい…という方も多いかと思います。でも、もしその物語が16世紀の海の英雄と北欧の雄大な自然、そして現代の匠の技が交差する稀有なものだとしたら、それは単なる晩酌を超えた文化体験といえるかもしれません。

フェロー諸島のキルヴィ火山の天然ミネラルウォーターとオーガニックモルトから生まれた「マグヌス・ハイナソン」は、そんな物語を一滴一滴に宿したシングルモルトウイスキーです。

世界でわずか720本、日本では100本だけという希少性も相まって、北欧の歴史と文化を味わう贅沢な時間を提供してくれる、そんな「マグヌス・ハイナソン」の魅力を紐解いていきます。

ウイスキーに秘められた北欧の自然と英雄の物語

北欧の神秘と英雄の物語がグラスの中で静かに溶け合う「マグヌス・ハイナソン」。これは単なるウイスキーというより、北欧の海と山が育んだ伝説を一口に凝縮したタイムカプセルです。

アイスランドとノルウェーの間に浮かぶフェロー諸島。18の小さな島々からなるこの場所には約5万5000人が暮らし、「霧」を表す言葉が30以上もあるとか。霞む風景と同じく、山や川、深く入り組んだフィヨルドも、まるで時が止まったかのような静謐さを湛えています。

「バイキングの遺産」とも呼びたくなるこのウイスキーの名の由来となった人物、マグナス・ハイナソン（1548年生）は、フェロー諸島海域の守護者として名高い歴史的英雄です。

八十年戦争（オランダ独立戦争）ではスペインと戦い、そのときの縁でデンマーク・ノルウェー王からフェロー諸島の貿易権を得たマグナスは、島の人々の生活を支えるとともにイギリス海賊やトルコのコルセア（私掠船）を撃退。「海の番人」としてフェロー諸島海域の安全を確保しました。

しかし、彼の人生も順風満帆ではありませんでした。政敵の策略にはまり、無実の罪でコペンハーゲンへ。1589年には悲しい結末を迎えます。それでも翌年には名誉を取り戻し、彼の遺骨は教会の床下で大切に保管され、今でも島の人々の記憶に生き続けているのです。

グラスに注がれた琥珀色の液体は、そんな時代の波に翻弄された人物の物語を感じさせます。一口含むたび、16世紀の荒くれ船乗りの冒険や、フェロー諸島の霧深い風景が心に広がるよう。ウイスキーが紡ぐ物語と歴史、それこそが「マグヌス・ハイナソン」を嗜好品を超えた特別な存在にしています。

こだわり抜いた原材料と製法：キルヴィ火山の水とオーガニックモルト

北欧の自然が生んだ、宝物のようなウイスキー。その神髄は、こだわりの製造プロセスと厳選された原材料にあります。「水の良し悪しがウイスキーづくりの要」と知るメンバーは、最高の水を求めて各地を調査。辿り着いたのが、フェロー諸島のキルヴィ火山の水でした。

この水源の秘密は、地質学ファンなら思わず唸る、5500万年前の玄武岩層にあります。地下水が12層もの自然フィルターを通過。濾過されると同時に地中のミネラルが適度に付加され、pH値8.3というアルカリ性を持つ特別な水が生まれます。自然が何千万年もかけてつくり上げた浄水システムが、ウイスキーに絶妙なキャラクターを与えているんです。