

健康的な食生活は良いものです。誰であれ、どんな目的であれ。健康的な食事をするために、体重を減らそうとする必要はありません。
何からはじめたらいいかわからない、という人もいるでしょうから、健康的な食生活の基本となるガイドラインをお教えしましょう。果物、野菜、タンパク質から手をつけるとはじめやすく、いちばん効果があるはずです。
1. 「完璧な食事法」は存在しない
はじめる前に、大事な基本原則をお伝えしておきましょう。本当に完璧な食事法というものが、1つだけではありません。
ケトジェニック・ダイエットをやっている友人が何と言おうと、「この食事法をやるべきだ」と母親から言われようと、ダイエット・ランキングで「このダイエットがベスト」とすすめていようと、やり方は幾とおりもあるのです。
減量のための食事療法をいくつか試して比較してみると、どれもほとんど同じ結果が得られます。健康的な食生活を実践する目的が、文字どおり「健康のため」だけならば、さらに多くの方法があります。
そこで、ほぼすべての健康的な食べ方に共通するポイントを挙げてみましょう。
ここでは、初めに見直すと良い点をいくつか挙げますが、すべて実践する必要はありません。とりあえず1つ選んでください。エクササイズと同じで、慣れるまでに時間がかかります。
より健康的な食生活にするためには、新しいレシピを習ったり、いつもと違う食材を買ったりなど、普段のやり方を変えなければならないことも多いでしょう。ですから、学んだり慣れたりするための時間を取りましょう。
2. 果物や野菜をもっと食べよう
1つだけ食生活を改善するなら、これをおすすめします。多くの人が十分な量の野菜を摂取できておらず、また、食べる野菜の種類が偏っている傾向があります。
もっと多くの種類の野菜を、もっとたくさん食べましょう。特に生の果物についても同じことが言えます(ちなみにアップルパイのように加工されたリンゴは、ここで言う果物には含みません)。
果物や野菜には、多くの人に不足している食物繊維が含まれています。食物繊維は、水溶性と不溶性があり、腸内環境を整えてくれます。また、ビタミンAやカリウムなど、体にいいビタミンやミネラルも含まれています。
それだけではなく、「植物栄養素(ファイトケミカル)」も豊富に含まれています。ファイトケミカルは、ビタミンではありませんが、体に良いとされる植物由来の化学物質です。
その1つ「ベータカロテン」は、体内でビタミンAに変換されます。食事に取り入れることができるカロテンは、ほかに少なくとも40種類あります。さまざまな種類の果物や野菜を食べれば、栄養素をまんべんなく摂取できるでしょう。
食生活への取り入れ方
少なくとも、1回の食事に、果物か野菜を1種類追加するようにしましょう(慣れてきたら、そこからさらにもう1種類増やします)。便利な食材を遠慮せず使ってください。冷凍野菜は、生野菜と同じくらい栄養があります(生野菜より栄養が多い場合もあります)。
冷凍の茹でほうれん草なら、どんなソースやスープにもポンと入れられるでしょう。たっぷりの野菜(生でも冷凍でも)を天板に載せてローストすれば、副菜や主菜が手軽につくれます。調味料を振りかけてローストしたら、何でもおいしく食べられますよ。
3. タンパク質をたっぷり摂ろう
通常の食事であれば、十分な量のタンパク質を摂るのは難しくありませんが、食生活を見直しているときは、タンパク質を十分に確保するよう気をつけましょう。
魚や鶏肉、豆腐など低脂肪のタンパク質は、食事のベースとして優れています。赤身肉など、もっと脂肪分の多い食材を取り入れるかどうかは、食生活改善の目的が何であるかによります(主治医から、健康状態が理由で、こうした食物を制限するように指示される場合もあるでしょう)。
減量中の人は、平均的な人よりも多くのタンパク質が必要です。食事の量を減らせば減らすほど、タンパク質の割合を増やす必要があるのです。
覚えておいてほしいのは、タンパク質は多くの食物に含まれているということです。
肉や豆腐だけがタンパク質ではありません。食品表示ラベルを確認する(または、インターネットでタンパク質含有量を検索する)ことを習慣づけ、タンパク質をたっぷり摂るよう心がけましょう。
タンパク質がどれくらい含まれているかは、こちらをご覧ください。たくさん体を動かす人も、普通の人より多くのタンパク質が必要です。
「私たちはすでにタンパク質を摂りすぎている」という、不安を煽るような説を聞いたことがあるかもしれませんが、心配は無用です。これは、RDA(1日の推奨摂取量)の定義に関する誤解から生まれた、間違った説です。
数値を確認すると、平均的な人は、ぎりぎり足りる程度のタンパク質しか摂取していないことがわかります。
私たちの多くは、必要最低限の摂取量よりも多くのタンパク質を摂るべきなのです。高齢者の場合はおそらく、今摂取しているより多くのタンパク質が必要でしょう。
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