会社というものは、新社会人にとって未知のコミュニティ。
ビジネスを前進させるシステマティックな場所である一方、そこでの人間関係が業務内容、ひいては人事評価にも影響をおよぼすことは周知の事実です。(会社って、勉強ができるだけじゃだめなんだ……。)
そこで今回は、日常的なコミュニケーションで実践できる「好印象をつくる心理学的なアプローチ」を3つ紹介します。
明日からのコミュニケーションで上手に活用して、上司・先輩から「この新人に、仕事をやらせてみたいな」「気が利くな」「がんばっているな」と一目置かれる存在を目指しましょう。
一目置かれる社内コミュニケーション3選
1.バーナム効果:
バーナム効果とは、誰にでも当てはまるような曖昧で一般的な記述を、まるで自分のことに当てはまる特別な情報だと感じてしまう心理現象。
この効果を応用して、日々の挨拶に、相手の行動や状況に合わせた個人的な一言を加えることで、相手は「自分のことをよく見てくれている」「理解してくれている」と感じやすくなります。

声かけ例
「おはようございます! 〇〇さん、いつも朝早くから出社されていらっしゃるんですね」(相手の勤勉さを具体的に褒める)
「〇〇さん、昨日のプレゼンテーション、大変勉強になりました! 特に△△の部分が印象的でした」(相手の能力や成果に、具体的に触れる)
2.ミラーリング効果:「相手と似た動作」で好感度アップ
ミラーリング効果とは、相手の身振りや話し方、表情などを無意識のうちに真似ることで、相手に親近感や安心感を抱かせ、好意的な感情を引き出す心理現象。
普段の話し方や身振りから、それとなく距離を近づけていくために使えます。

具体例
1. 話し方やテンションを少しだけ寄せる
話すスピードがゆっくりな上司に対しては、こちらも落ち着いたトーンで、ややゆっくりと話すように心がける。
明るく、テンションの高い先輩に対しては、少しだけ声のトーンを上げ、明るい雰囲気で話すようにする…など。
2. さりげない動作を真似る
相手が笑顔を見せたら、自分も自然な笑顔を返す。同じタイミングで笑うなど。ただし、あからさまに合わせると不自然に見えて逆効果。
3.単純接触効果:さりげない関わりの積み重ねが信頼を生む
単純接触効果とは、同じ人と繰り返し接することで、自然と親しみや好意が生まれやすくなる心理現象です。
たとえば、テレワークが可能な職場であっても、あえて出社して上司や先輩と顔を合わせる日をつくったり、オンラインでもやり取りの機会を少しだけ増やすことで、「感じのいい新入社員だな」という印象につながります。
ただし、あまりに頻繁だったり、過度なアプローチになってしまうと、かえって逆効果になることも。大切なのは、「さりげなさ」と「タイミングの良さ」です。

具体例
1. オンラインでも自然な「やり取りのきっかけ」をつくる
チャットや社内SNSでは、用件だけで終わらせず、ほんの一言や軽いお礼を添えるだけでも、接点が増えて印象に残りやすい。
「ご丁寧にありがとうございます。別件ですが〇〇の件、とても勉強になりました!」など、無理のない範囲でやり取りを少しだけ続けるのがコツ。
2. 小さな「気づきやさりげない声かけ」で距離を縮める
たとえば、上司や先輩が忙しそうにしている様子を見かけたら、「何かお手伝いできることはありますか?」と、さりげなく声をかけてみるのも1つの手。
実際にお願いされることがなかったとしても、「周りを見て動ける人だな」という印象につながる。
あくまで空気を読みながらの行動が大切。相手が集中しているようなら、声をかけずに静かにサポートに回るなど、場の雰囲気への配慮を忘れずに。
3. 挨拶に「ちょっとだけ個性」を添える
毎日の「おはようございます」に、季節の話題や日常の一コマをひと言添えると、挨拶がただのルーティンにならず、相手の記憶に残りやすいものに。
「今朝は風が気持ちよかったですね」や「昨日の社内イベント、〇〇さんのお話が印象的でした」など、さりげない話題が効果的。
ポイント:
単純接触効果は、「どれだけ接したか」よりも、「どんな関わり方だったか」が大事です。
無理にアプローチしようとせず、自然体で、相手のペースに寄り添った関わり方を意識しましょう。
こうした、さりげない気配りの積み重ねが、「この新入社員、よく気がつくし、一緒に仕事がしやすいな」と思ってもらえる第一歩になります。
ちょっとした話し方や言葉選び、アクションにひと工夫、入れてみるのがオススメです。