火曜日, 5月 13, 2025
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あおり運転の末死んだ被害者が生成AIで復活し法廷で発言、裁判官は犯人に10年半の禁錮刑を下す – GIGAZINE



あおり運転の末死んだ被害者が生成AIで復活し法廷で発言、裁判官は犯人に10年半の禁錮刑を下す - GIGAZINE


動画


2025年5月7日(水)、アメリカのアリゾナ州でロードレイジ(あおり運転)により男性が死亡するという事件が発生しました。あおり運転の被害者となった男性は、AI技術で復活し法廷で発言。その結果、事件の犯人には10年半の禁錮刑が下されることとなっています。

Road rage victim ‘speaks’ via AI at his killer’s sentencing
https://www.nbcnews.com/news/us-news/road-rage-victim-speaks-killers-sentencing-rcna205454


AI used to make video of deceased victim deliver impact statement in court : NPR
https://www.npr.org/2025/05/07/g-s1-64640/ai-impact-statement-murder-victim

Should a Killer’s Victim Be Able to “Speak” at a Sentencing Through AI?
https://reason.com/volokh/2025/05/08/should-a-killers-victim-be-able-to-speak-at-a-sentencing-through-ai/

2021年11月13日、ガブリエル・ポール・ホルカシタス被告はあおり運転の末に、クリストファー・ペルキー氏を射殺しました。この事件において、ホルカシタス被告は2023年春に、過失致死および危険行為の罪で有罪判決を受けています。しかし、検察側が重要な証拠となる可能性のあるものを適切なタイミングで開示しなかったと裁判官が判断したため、新たな裁判が命じられていました。2度目の裁判では、ホルカシタス被告に対して禁錮7年から10年半の刑が科せられることとなっており、弁護側は7年の禁錮刑を求めていました。

2025年5月1日(木)に行われた2度目の裁判において、マリコパ郡上級裁判所のトッド・ラング判事は、被害者遺族に「AIで生成したペルキー氏の動画」を再生することを許可しています。

裁判で再生された動画が以下です。AIで生成されたペルキー氏の動画は顔や体はまさに人間そのものです。動画の中でペルキー氏が発言した内容は、同氏の妹のステイシー・ウェールズ氏、ステイシー氏の夫であるティム・ウェールズ氏、友人のスコット・イェンツァー氏が書いた台本に基づいています。

A.I. of Murdered Chris Pelkey Makes His Own Impact Statement at Sentencing (a court 1st), with Judge – YouTube


AIで再現されたペルキー氏は、動画の中で「私を撃ったガブリエル・ホルカシタスへ。あの日、あのような状況で出会ったのは残念です」「別の人生では、私たちは友達になれたかもしれません。私は許しを信じています」と語り、加害者への恨みつらみではなく、許しを口にしました。

ペルキー氏の動画が再生されたあとのラング判事の反応を収めた動画が以下です。ラング判事は「皆さんが怒り、遺族も当然怒っているものと思います。それにもかかわらず、私は(ペルキー氏の)許しの声を聞きました」「それは心からのものでした。ホルカシタス被告に対するペルキー氏の明らかな許しは、今日私が聞いた同氏の人柄を反映したものだと思います」と言及。そして、ホルカシタス被告に対して禁錮10年半の判決を下しました。

Judge Todd Lang’s Reaction to Chris Pelkey’s A.I. Impact Statement During Sentencing, 5/1/2025 – YouTube


ペルキー氏の妹であるステイシー・ウェールズ氏と、その夫であるティム・ウェールズ氏は、2人ともAI業界で働いているそうです。ステイシー氏が兄をAIでよみがえらせたらどうかと提案した際、ティム氏は非常にちゅうちょしたそうです。

ステイシー氏はこの提案をした際のことを振り返りながら、「ティムはひるんだようでした。そしてこう言ったんです。『ステイシー、僕に何を頼んでいるのか分かっているのか。この人は僕の親友でもあるんだろ』と。私は『分かってます。私の兄なんだから』と答えました。すると、ティムは『もし作成したAI動画が完璧なものではなく、クリスの精神を真に体現するものでなければ、絶対に公開させません』と言いました」と語っています。

ステイシー氏は、2023年のタイミングでは兄をAIで再現するというアイデアは思いつかなかっただろうと言及し、「シャワーを浴びている時や車に乗っている時など、心が静かになった時には、自分が何を感じているのか、イライラしているのか、泣いているのか、あるいは感情的になっているのか、叫んでいるのか、怒っているのか、愛しているのか、思いつく限りのことを書き留めました」「2年間書き続けてきましたが、この2度目の裁判の1週間半前まで、クリスの声をAIで再現しようという考えは思いつきませんでした」と語っています。

一方、ホルカシタス被告の弁護を担当したジェイソン・ラム氏は、AI動画が裁判において大きな争点になったと言及。ラム氏は「裁判官が被害者から何を聞くか裁量権を持っているのは確かです。しかし、控訴裁判所は、これが誤りだったのかどうか、扇動的すぎるという点で度を越していないか、そして裁判官がどの程度判決を下す際に依拠したかについて、正しく判断しなければいけません」と語り、AI動画の影響が正しいものかについて疑問を呈しています。

アリゾナ州立大学の法学教授であるゲイリー・マーチャント氏は、「ホルカシタス被告に最大限の刑罰を科す」という目的に反するようなAI動画(ペルキー氏がホルカシタス被告への許しを口にする動画)を作成した遺族側を称賛しました。一方で、「遺族は彼が何を言ったかを非常によく再現し、彼が何を言ったかを最もよく理解していたはずです。しかし、これは完全に作り話です。真実ではありません」と語り、今回の事例が悪しき前例となる可能性を危惧してもいます。

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