Apple Pencil Pro
¥20,919 (2025年4月26日 13:07 GMT +09:00 時点 - 詳細はこちら価格および発送可能時期は表示された日付/時刻の時点のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、購入の時点で当該の Amazon サイトに表示されている価格および発送可能時期の情報が適用されます。)
思わずアウトドアへと飛び出したくなる季節到来! ということで、これからキャンプやバーベキューを楽しんだり、自然の中でテレワークしようと考えていたりする人もいるだろう。そのときに1つ用意しておくと便利なのが、ポータブル電源だ。
スマホやノートPCの電源として使えるのはもちろんのこと、キャンプでは騒音や有害なガスを出さずに調理器具、冷暖房器具、照明のような電化製品も動かせるので、重宝すること間違いなし。
さらに、いざというときの災害対策用品としてもポータブル電源は助けになる。停電が続いたとしても冷蔵庫に電力供給しておけば食材を痛めずに済むし、エアコンのような冷房が使えれば熱中症防止になる。それこそスマホやPC、TV・ラジオを使った情報収集にも活躍するはずだ。
そんな風にいろいろな用途が考えられるポータブル電源、購入するにあたってはどんなところに注意するといいのだろうか。今回はこれから導入してみようと考えている方向けに、基本となるポータブル電源の選び方について解説していきたい。なお、今回は参考としてAnkerから借用した2種類のポータブル電源を使用した。
まずは用途から電源容量にアタリをつける
モバイルバッテリと比べれば圧倒的に大容量の電池を搭載しているポータブル電源。期待するのは、少なくとも複数台のスマホやノートPCを同時に何度も満充電できる能力、あるいは複数の家電製品を動かせるパワフルさだろう。ただ、それが可能な中でも容量違いのモデルが多数ラインナップしている。どの容量にするかを決めるのは、意外と難しい問題だ。
電池容量が大きければ、基本的には重量も増える(値段も高くなる)。従って、重くてもいいのでできるだけ大容量にして長時間使いたいのか、持ち運びやすさを重視して限られた家電にだけ使えればいいのか、というのがまず1つの軸になる。
例を挙げると、 災害対策がメインでほぼ据え置きして使うことを想定しているなら、大容量のポータブル電源(1,000Wh以上)が選択肢に入る。キャンプなど、使いたい電化製品は多いが現地までの持ち運びのしやすさも考慮するなら中容量(500~1,000Wh)のもの、スマホやノートPCの稼働時間を増やせればいいのであれば小容量(~500Wh)のもの 、といった考え方ができる。
ここでポータブル電源の容量を表すときに使われることの多い単位「Wh」について簡単に解説しておくと、「100Wh」であれば「平均消費電力が100Wの電化製品を1時間稼働させられる」という意味になる。つまり「1,000Wh」なら「100Wのものが10時間使える」というのが、かなりざっくりとした考え方だ。
仮にスマホが30W程度、ノートPCが65W程度で充電されるとすれば、この2台で計100W近く消費する。500Wh容量のポータブル電源なら5時間連続で充電できることになり、仮に満充電に2時間かかるようなら、2台それぞれ2.5回分の充電ができそう、というような計算が成り立つ。
ただし、これはあくまでも目安だ。内部的な電力変換の際にロスが発生することがあり、ポータブル電源自体の動作や自然放電で消費する電力もゼロではないから、家電の実働時間は単純計算したものより短くなる場合がある。また、スマホなどは満充電に近づくほど充電速度が遅く(消費電力が少なく)なるし、バックグラウンドで動作するアプリが影響することもあるので、充電可能回数はやや少なめに見積もっておくのがおすすめだ。
「定格出力」と「最大出力」をチェックする
用途が限定的だし、短時間でも使えればいいから、とりあえず小容量の安価なものにしておこうかな……としてしまうのは早計だ。それだといざというときにまったく役に立たないかもしれない。ポータブル電源を選ぶときは容量だけでなく「出力」を見ることも重要になってくる。
ポータブル電源においては「定格出力」と「(瞬間)最大出力」の2つの数値が明示されている。前者の「定格出力」はそのポータブル電源が「連続的に安定して出力できる最大電力」を意味し、後者の「最大出力」は「ごく短時間、瞬間的に出力できる最大電力」を意味する。
これに対して電化製品のほうでは、「定格消費電力」や「最大消費電力」が説明書や仕様書に記載されていることがある。それらがポータブル電源の出力値以下であれば電化製品を使うことができ、そうでなければ使えない、ということになる。
たとえば定格300W、瞬間最大600Wのポータブル電源では、300Wまでの定格消費電力の電化製品を利用できる。ただし、その電化製品が瞬間的に600Wを超えるような電力を消費するなら使えない。また、定格消費電力が200Wの電化製品であっても、同じものを2つ同時となると合計400Wを常時消費するので使えない。
特に冷蔵庫やエアコンのような大型家電は、電源投入時や再冷却時に瞬間的に定格を超える大きな電力を消費することがある。家電の最大消費電力がポータブル電源のスペックにきちんと収まっているかどうか、あらかじめ確認しておくことが大切だ。
AC出力、DC出力のポート構成をチェックする
容量と出力の2つを確認したら、次は出力ポート構成を見ておきたい。どんな種類のポートがいくつあるのか、はもちろんのこと、ポートごとの最大出力も確かめておこう。
AC出力の制限については、多くの場合、先ほどの定格出力と最大出力をそのまま当てはめることができる。複数のACコンセントを備えているポータブル電源だと通常は全コンセント合計の出力値だ。ポータブル電源の定格出力が1,500Wだとすれば、1つのACコンセントで使えるのが1,500W以内、複数のACコンセント同時使用時はその合計が1,500W以内、ということになる。
非常時にエアコンを稼働させようと考えているなら、そのエアコンの電圧やプラグ形状もチェックしておく。対応するACコンセントを搭載するポータブル電源でなければ物理的に差し込めなかったり、動かなかったりするため、容量や出力とともにここは真っ先に確認しておきたいところだ。
DC出力となるUSBポートやシガーソケットは、製品によってスペックシート上の定格出力に含まれる場合と含まれない場合がある。いずれにしてもポートごとに最大出力は決まっているので、それが使おうとしている機器に合っているかどうかが重要だ。たとえばタブレットやノートPCの中には一定以上の電力を供給しないと充電できないものもあるので、そのデバイスの純正充電アクセサリのスペックを参考にしよう。
災害時を考えると、家族全員のスマホやノートPCをまとめて充電できるように台数分のUSBポートがあってほしい、と思いたくなるところ。ただ、ACコンセントやシガーソケットを備えているなら、そこに充電器をセットすることでカバーできるし、全員の端末が一斉に電池切れするシチュエーションも考えにくい。USBポートにおいて気にすべきは最大出力で、数にはそれほどこだわらなくていいだろう。
長持ちする製品の選び方と、ゼロコストで運用する方法
ここまででポータブル電源選びの基本的なポイントは把握できた。が、より満足度の高いポータブル電源ライフが送れるようになる注目しておくべきほかの要素もある。
1つは内蔵している電池の種類だ。かつては「(三元系)リチウムイオン電池」を採用しているものが多かったが、近年は「リン酸鉄リチウムイオン電池」の台頭が著しい。どちらを選ぶかと言われれば、間違いなく後者だ。
リン酸鉄リチウムイオン電池は、一定以上の容量をキープできる充電回数(充放電サイクル)が数千回と多いのが特徴で、要するに寿命が長い。ポータブル電源は数万円~数十万円と値の張るものなので、長く使えることも大事。その意味では、リン酸鉄リチウムイオン電池のポータブル電源一択、としてしまってもいいだろう。
ポータブル電源を節電目的で導入したいと考えている人もいるかもしれない。たとえば、自宅にソーラーパネルを設置しているなら、宅内で使い切れない余剰電力が発生しているときに大容量のポータブル電源を充電することで、夜間や天候不良時に貯めた電力を活用でき、節電につなげられる。
自宅にソーラーパネルが設置されていないときは、ポータブル電源のオプション製品として用意されているポータブルソーラーパネルを使うのがおすすめだ。たとえばAnkerでは、ポータブル電源の充電に対応する数十W~数百W出力のソーラーパネル製品をラインナップしている。
最大100W出力の「Anker Solix PS100 Compact Portable Solar Panel」なら、1056Wh容量の「Anker Solix C1000 Portable Power Station」を最短12時間で充電できる。平日の晴れた日にソーラーパネルで充電しておき、休日のキャンプで大いに活用する、といった形で、電気代をかけることなく運用することが可能だ。
また、ポータブル電源を休日や非常時のためだけに購入するのはもったいない、日常的にも使い倒したい、ということであれば、簡易的な無停電電源装置(UPS)として活用するのもおすすめだ。その場合は、ポータブル電源が「パススルー充電」機能を備えていることを確認しよう。
自宅の壁面コンセントとポータブル電源をつなぎ、その状態でたとえばデスクトップPCの電源をポータブル電源から取るようにする。こうしておくと、平常時は自宅のコンセントからの電力でPCを稼働させつつ、ひとたび停電が発生したときには、瞬間的にポータブル電源からの電力供給に切り替わり、編集中のデータを失うことなくPC作業を続けられる。
なお、パススルー充電が可能なポータブル電源であっても、電力供給元の切替に時間がかかるものだと、制御がシビアなサーバー機器やPCには対応できない(無停電電源装置としての利用を推奨していない)こともあるので要注意だ。
保証の長さや将来的な処分の手間も判断基準の1つに
ポータブル電源を購入する際には、故障したり不要になったりしたときの対処の仕方についても考えておく必要がある。末永く使いたいなら、万一のトラブルに備えて保証期間は長めのものを選びたいし、現在はポータブル電源の廃棄方法を明確にしていない自治体も少なくないので、メーカー自身が回収すると明言している製品を選ぶのが安心だ。
今回扱ったAnkerのポータブル電源は、いずれも保証期間が5年(要Anker Japan 公式サイトの会員登録)と長く、回収サービスも提供しているので安心度は高い。自分の用途、予算、ライフスタイルに合っているかどうかは当然として、サポート面の充実度もしっかりチェックした上で購入を検討してほしい。