1984年4月25日に、アルファレコードが音楽アルバム「ビデオ・ゲーム・ミュージック」を発売した。

 本作は史上初となるゲームのオリジナル音源をメインに収録した音楽アルバム。「ゼビウス」、「パックマン」などナムコのアーケードゲーム10タイトルのBGMや効果音の原曲、および元イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の細野晴臣によるアレンジ曲を収録する。LPレコードとカセットテープで発売され、発売初週から「オリコン」のアルバム部門ヒットチャートで19位にランクインし、初年度で約4万5,000枚を売り上げるほどの人気を集めた。

当時について

 本アルバムが発売された当時の筆者は小学生で、その存在をまったく知りませんでした。子ども向けのマンガ、ホビー雑誌にも広告や記事が掲載されず、レコード屋さんに行っても当然ながら「ゲーム」の棚、あるいはコーナー自体がなく、知るきっかけがなかったからです。

 初めて本アルバムを聴いたのは発売から数年後、友人から借りたカセットテープ版でした。何の事前知識もなく「ゼビウス」の曲を聴いていたら、途中からショットの発射、爆発音などのSE(効果音)でリズム、ビートを刻む曲にアレンジされていたので衝撃を受けました。B面に収録された「ギャラガ」も、ネームレジスト曲の途中からファンタジックでノリノリな曲にアレンジされ、大いに感動したことも忘れられない思い出です。

 本アルバムのヒットを機に、ゲーム音楽アルバムが続々と誕生し、今日まで続くゲーム音楽市場と文化が形成されたことは、ビデオゲーム全体の歴史を語るうえでも極めて大きな出来事でしょう。

 なお、本アルバムの元制作スタッフやナムコのコンポーザーの証言は、拙著「ナムコはいかにして世界を変えたのか–ゲーム音楽の誕生」(Pヴァイン刊)にまとめておりますので、もし興味のある方は本書をご一読ください。

「今日は何の日?」とは

 不定期に過去に起きたゲーム業界に関する出来事を、マンガでユル~く、かつ真面目にふりかえるコーナーです。

絵:橘 梓乃

 ゲーム歴40年超のフリーライター。主な著書・共著は「ファミダス ファミコン裏技編」、「ゲーム職人第1集」、「デジタルゲームの教科書」、「ビジネスを変える『ゲームニクス』」、「ナムコはいかにして世界を変えたのか ゲーム音楽の誕生」など。2014年より日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表も務める。

テキスト:鴫原 盛之(フリーライター)



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