株式会社ポケットペアは5月8日、任天堂および株式会社ポケモンから提訴されている『Palworld / パルワールド』に関して声明を投じた。同作では、訴訟の進行状況に左右されないように、アップデートで“予防的措置”がとられてきたという。
『パルワールド』を巡っては、昨年9月に任天堂および株式会社ポケモンがポケットペアに対して特許権の侵害訴訟を提起。同作が複数の特許権を侵害しているとして、両社はポケットペアに対し『パルワールド』の差止めおよび株式会社ポケモンに対する500万円及び遅延損害金の支払い、および任天堂株式会社に対する500万円及び遅延損害金の支払いを求めている(関連記事)。
今回の声明でポケットペアは、訴訟に関して現状を報告。同社側は、原告となる任天堂および株式会社ポケモンの主張するいずれの特許も侵害していないと判断し、継続的な対応をとっているという。また原告の特許はいずれも無効であるとの主張もおこなっているとのこと。
しかし訴訟の進行状況に左右されることなく、今後どのような状況においても『パルワールド』の開発と配信を継続できるようにするため、予防的な措置を実施。本作が特許を侵害していないことがより明確となるような、仕様変更がおこなわれたそうだ。そうした背景もあり、現在係属中の訴訟において、従前の仕様が特許を侵害していないことが明確に認められるまで、変更した仕様を従前の仕様に戻すことはないとしている。
まず『パルワールド』では、昨年11月30日に配信されたパッチv0.3.11にて、「パルスフィアを投げてパルを召喚する」機能が削除され、代わりに「プレイヤーのそばに直接召喚する」仕様へと変更されていた。すでにユーザー間で訴訟の影響ではないかと憶測されていた状況もあったが、今回訴訟対応に伴う変更だったことが明かされた。またパッチ v0.3.11の後も、同じく予防的な措置として、特許権侵害との指摘を受けている仕様に関していくつか変更を加えたそうだ。
そして本日配信されたパッチv0.5.5では、グライダーパルによる滑空を、パル自身ではなく、アイテムのグライダーを使用して行う方式に変更。ただし、グライダーパルの性能は、アップデート後は、グライダーに追加効果というかたちになっている。実際のプレイ体験への影響は最小限となるように配慮されているとのことだ。
なおポケットペアは昨年11月に、任天堂および株式会社ポケモンからの訴訟内容を公開しており、このなかでは侵害が主張されている特許も明らかとなっていた(関連記事)。ポケットペア側はあくまでいずれの特許も侵害していないと判断しているものの、『パルワールド』の開発が今後の訴訟の進行状況に左右されないように、アップデートにて予防措置がとられてきたことが明かされた格好だ。今後も本訴訟の動向は注目される。
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