Bethesda Softworksは4月23日、『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』(以下、Oblivion Remastered)を発表し、発売した。オリジナル版のNPCのシュールな挙動が生み出した“珍場面”を再現しようという試みが、さっそく始まっている。

『The Elder Scrolls IV: Oblivion』(以下、Oblivion)は、2006年から2007年にかけてPC/Xbox 360/PS3向けに発売されたオープンワールドRPGだ。『The Elder Scrolls』シリーズのナンバリング第4作となっており、舞台となるのはタムリエル大陸の中央に位置するシロディール地方。帝国が首都(Imperial City)を構えるこの地では、皇帝の死をきっかけとして魔界へと通じる扉「オブリビオンゲート」が解放されてしまった。主人公は王位継承者を探し、世界を破滅へと導く陰謀を阻止すべく、広大なシロディールを冒険することとなる。

そんな『Oblivion Remastered』が発売され、オリジナル版のNPCが生み出したコントのような場面を再現する試みがさっそく始まっているようだ。たとえば道陰から突如現れ、「お金か命か」の選択を迫ってくる敵NPC「追いはぎ」にまつわるネットミーム的な動画もさっそく再現。追いはぎには素直にお金を渡せば戦闘を回避可能で、振り返った追いはぎからすぐさま渡したお金をスリ盗ることもできる。あまりにもあっさりとお金を奪い返される追いはぎの間抜けっぷりからか、多くのユーザーの笑いを誘ってきた。

ちなみにスリ盗られた際に追いはぎは「どうせいらないからやるよ」といったセリフをつぶやくこともある。怒って攻撃してくるわけでもなく、負け惜しみのような捨てゼリフを吐く様も愛くるしいところかもしれない。そんな追いはぎの愛すべき間抜けっぷりがリマスター版でも健在。さっそく再現がおこなわれている。

このほか、コロールの街に住まうリナ・ブルーアントとリマラス・ブルーアントの夫妻についても、さっそくファンの間のネットミームが再現された場面が観測されている。夫妻のうちリナは愛犬家で、プレイヤーにも自己紹介の際に犬好きであること伝えてくる。そしてネットミーム化している問題は、そうした会話を終えた後に発生していた。

上述の動画では、レナとの会話を終えたプレイヤーが振り向くと、彼女の飼っている2匹の犬に対して、突如男が雄たけびを上げながら襲い掛かる様子が収められている。そしてこの男は、レナの夫のリマラスその人である。愛犬家の妻の目の前で犬に決闘を挑む夫。なぜこのような混沌とした現象が発生しているのか。

実はオリジナル版においては、リマラスは内部的にブルーアント家に属していない扱いになっていたようだ。さらにリマラスは、なぜか異常に高い攻撃性を設定されていた様子。そのためリマラスはほかのNPCに襲い掛かる可能性があり、あくまで設定上は家族として行動パターン的に共に過ごす時間が長く、しかし内部的には“他人”であるレナやその愛犬は特にその標的となりやすかったようである。動画にはそうしたワンシーンが収められていたわけだ。

そして、上述の別の動画ではリマスター版でほぼ同じシーンが再現されている。どうやらリマラスの内部的な仕様は健在のようだ。リマスターを経ても、ブルーアント家に平穏は訪れなかった様子。ちなみにレナ側がレナと犬2匹いるのに対し、無謀に襲い掛かるリマラスはたった1人。返り討ちにあったり、自らの家から逃げ去っていくことも多いようだ。

本作はゲームエンジンがUnreal Engine 5に刷新されつつも、コアとなるゲームのロジックやシステムについてはオリジナル版のゲームエンジンが移植されて使われているという(関連記事)。ゲームシステムやバランスを調整しつつも、コアとなる部分を変えないように慎重にアップグレードをおこなったとのこと。あくまで昔のゲームであり、前世代のゲームらしさを感じられるようにする方針があったそうだ。

そのため上述したブルーアント家の問題などもそのまま残されている様子。また「特徴的なセリフ」についても意図的にそのままにしてあるそうで、先日には収録ミスされた音声が健在であることから話題を博していた(関連記事)。笑いを誘うような失敗は、当時の持ち味として残してあるのだろう。

ちなみに上述したほかにも、本作では多種多様なシュールな場面が動画として記録され、ファンの間で親しまれてきた。たとえば最近では、昨年1月にユーザー間で本作中で起こったコメディじみたシーンを紹介しあう流れが賑わいを見せ、海外メディアPC Gamerが報じることもあった。集積されてきた多種多様な本作のネットミームの再現を目指して遊んでみるのも面白いかもしれない。

*魔術師ギルドのクエスト「喰うか喰われるか」で出会うフィスラゲイルと、トラップ発動直前に会話をするネットミーム動画。彼の死後すぐさま味方NPCが“同じ轍を踏む”シュールさからも人気を博してきた

『The Elders Scrolls IV: Oblivion Remastered』はPC(Steam/Microsoft Store)/PS5/Xbox Series X|S向けに配信中だ。PC/Xbox Game Pass向けにも提供されている。

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