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ホームニュースゲームニュース『アサシン クリード シャドウズ』「百鬼衆」と「シン幕府」どっちが好み?時代劇エッセンスの差分をチェック【ゲームで英語漬け#160】 | Game*Spark

『アサシン クリード シャドウズ』「百鬼衆」と「シン幕府」どっちが好み?時代劇エッセンスの差分をチェック【ゲームで英語漬け#160】 | Game*Spark


『アサシン クリード』の舞台となった地域のアクセントで英語音声の収録を行っており、『シャドウズ』冒頭から明智光秀が分かりやすくコテコテの「日本訛り」を披露しています。日本人の英語はこういう風に聞こえているんだな、というのがよく分かりますね。

本作では日本語ローカライズに当っていくつかの用語の変更を行っています。一番目立つ言い換えは奈緒江の「父上」が「おとう」になっているところでしょうか。時代劇では武家の堅い言葉と民衆の言葉は別けられていて、武家の面々が陰謀を巡らす結社と対峙するに当って、主人公の奈緒江は百姓側の立場として民衆の言葉遣いを採用しています。堅苦しいほどの武士言葉を使う弥助とのコントラストを出すためにも、武家と民衆の言葉を書き分けることを優先したと考えられます。ちなみに武家育ちの順次郎は「父上」「姉上」の語を使います。

奈緒江のサポート役である「とみ」もオリジナルでは「Tomiko」表記で、ローカライズで「子」を外しました。一方で今井宗久の茶会で同席した聡子は子を外さずそのままで、これも階級によって文化が異なるためです。名前に「子」を付ける文化が日本に入ってきたのは漢籍(中国で書かれた漢文の書籍)からで、「孔子」「孫子」などの男性用の敬称が平安時代頃から高貴な女性の名に用いられ始めました。

敵と味方がそれぞれ率いる組織の名前は、オリジナルは「Shinbakufu(幕府)」による圧政とそれに抵抗する民衆の「Kakushiba Ikki(一揆)」という、これまでのシリーズを踏襲した構図です。ローカライズでは百鬼衆、裏刀衆とより芝居がかっている凝ったネーミング。暗躍する「必殺仕事人」のような娯楽時代劇っぽさもあって個人的には好みです。

Ah, it was designed around the four virtures.
Respect, tranquility, purity, and harmony.

千利休から手ほどきを受ける場面から。字幕をオフにしていると「四季」と間違えやすいですが、利休の唱えた茶の精神である「四規」を説明しています。「和敬清寂」の四字熟語で表されますが、英語の説明では「和」にあたる「Harmony」を最後に持ってきて強調しています。乱世の中で敵味方の立場を忘れて交流できる数少ない機会が茶の湯だったので、この時代においては一際「和」が重要になります。

Is there anything at all that, once given life, does not perish?
一度生を享け 滅せぬもののあるべきか

本能寺の変と言えば、信長がどのように敦盛を謡うかが演出の見所ですが、今作では弥助の逸話を出すために自刃が必須なのと、奈緒江とのやりとりに割いたためか結構さっぱりとしています。なお、信長が49で死んだとはいえ「人間五十年」は人の一生が50年という意味では無く、ここで言う「人間」とは天界や地獄に並ぶ人の住む世界のこと。その後に続く「下天のうちを比ぶれば 夢幻の如くなり」、つまり天界の時間経過に比べれば、人間界にとっての50年なんてあっという間というのが正しい読み方です。

The black soldier is not one of us. Take him, priest.
Send him back to…. wherever he belongs.

(日本語訳)
この黒兵は日本人(織田家中?)に非ず 連れて行け、坊主
送り返してやれ…分相応の所へな

(日本語版)
此奴は…放っておけ 殺すに及ばず
南蛮人に送り返してくれよう

弥助が捕縛されて光秀の前に引き出される場面では若干内容が異なります。日本語版はフロイスの記録に基づいた、部下に対する「殺すに及ばず」を中心にした台詞ですが、英語版では同席しているフロイスに奴隷として連れ帰れという描写です。同じく成り上がりの秀吉と重ねているのか、弥助に与えられた侍の身分を剥奪してやれ、と光秀の嫌悪が強調されていますね。

海外で高まるSAMURAI/NINJA人気によって、海外制作による日本舞台の大型作品が逆輸入される例が増えてきました。もちろん日本でも国外舞台の作品は多くあるのでお互い様ですが、自国の言語や文化を本当に理解しているのかを確かめる良い機会でもあります。「違和感」をただ撥ね付けるのでなく、もしかしたらと考えて検証していくと、きっと意外な発見に辿り着けるでしょう。



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