映画「木の上の軍隊」より、ダブル主演を務める堤真一と山田裕貴のコメントが到着した。
井上ひさしが実話から着想を経て生み出した原案の舞台を映画化した本作。太平洋戦争の末期に熾烈な地上戦が繰り広げられた沖縄・伊江島を舞台に、終戦を知らず2年間ガジュマルの木の上で生き抜いた2人の日本兵の姿が描かれる。宮崎から派兵された厳格な少尉・山下一雄を堤、沖縄出身の新兵・安慶名(あげな)セイジュンを山田が演じた。
本作のモデルとなったのは、沖縄戦の中でも激戦地の1つとなった伊江島に動員された山口静雄さんと佐次田秀順さん。2人は木の枝や葉を使用して大きな“巣”を作り、米軍が捨てた残飯やわずかに焼け残った野菜を探して命をつないだ。佐次田さんは破傷風にかかった山口さんのために砂糖水を探し与え、看病に尽力。極限状態の中でも2人は夜な夜な空を見上げては家族の無事を祈り、郷里の方角に向かって敬礼することを欠かさなかったという。
堤は「僕自身も知らなかったことが多く、この映画を通して実際にこういうことがあったんだと知り、学びました。時が経ったからこそ、細かいことまでつまびらかにしていかなくてはならないと改めて感じました」と吐露する。そして山田は「作品を通して僕も知らなかった沖縄の歴史を知ることができ、こういう時代があったから、生き抜いた人たちがいたから、今があるんだと再認識することができました」と思いをにじませた。
なお山口さん、佐次田さんの家族は撮影現場に訪れ、2人が生き抜いた場所であるガジュマル”ニーバンガズィマール”の前では対面を果たした。山口さんの三女・春子さんは「ここで2人が出会って、がんばってくれなかったらなかった命。子供たちとか孫とかに広がっていかなかった」と語っている。
「ミラクルシティコザ」の平一紘が監督・脚本を担った「木の上の軍隊」は6月13日に沖縄で先行公開され、7月25日より東京・新宿ピカデリーほか全国で上映される。
映画「木の上の軍隊」第2弾予告
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