
エムエスアイコンピュータージャパンは4月22日、「GeForce RTX 50 シリーズ Laptop GPU」を搭載したゲーミングノートPCの最新モデルを紹介する「MSIノートPC 国内向け新製品発表会」を実施しました。
インテルの「Core Ultra 200HX シリーズ」やAMDの「Ryzen 9 9955HX3D」といった極めて処理性能の高いCPUや18インチの大画面を採用したモデルも用意されているなど、あらゆるユーザーのニーズを満たした製品が目白押しです。
「RTX 50」シリーズのGPUでは、AIを技術を駆使することで圧倒的なグラフィック描画や高速な処理が可能となっており、ゲーマーだけでなくクリエイターにも革新的な変化をもたらします。

今回はそんな「GeForce RTX 50 シリーズ Laptop GPU」を搭載した最新鋭のゲーミングノートPCや、発表会で行われたプレゼンテーションの様子をご紹介します!
テーマは「AIを駆使せよ」―ハイパフォーマンスやNPU、最新技術を追求

新製品発表会ではMSIをはじめ、日本AMD、インテル、NVIDIAの各社がプレゼンテーションを行いました。MSIではマーケティングを担当する黄勇氏が登壇し、2024年度はGeForce RTX搭載ノートPCの国内における販売台数がNo.1を記録したことを感謝のコメントともに報告しました。


2020年前後のコロナウイルス流行によるノートPCの“特需”以来、市場全体では販売指数を落とす中でも右肩上がりの販売指数を記録してきたMSI。また、同氏はMSIの製品が選ばれる理由として自社設計、自社生産の徹底や徹底した品質検査、幅広いラインナップといったポイントを挙げています。


2025年はRTXの「20」「30」シリーズユーザーの買い替え需要などを狙って25%プラスの成長を目標としており、ゲーマーはもちろん、クリエイターやビジネスユーザー、初めてゲーミングPCに触れるユーザーなどあらゆるターゲットに向けた製品を展開します。
「AIを駆使せよ」をテーマに、製品に搭載されている「MSI AI Engine」ではパフォーマンスの最適化をはじめ、サウンドノイズの除去や電力設定、ネットワークの帯域の最適化などをAIを活用しつつ行えるほか、チャット形式で設定を変更できるような機能も用意されています。


続いて登壇したのは日本AMDの関路子氏で、AMDの技術はコンソールやゲーミングPC用のCPUだけでなく、自動車や産業、クラウドサーバーにヘルスケアなど幅広い分野でのソリューションとして活用されていることを強調しました。
AI・PCの分野についてはこれからのAMDのチャレンジとしており、「Ryzen AI 300」シリーズなどAI搭載のプロセッサーや、最新鋭の技術が結集した「Ryzen 9 9955HX3D」が紹介されています。


「Ryzen 9 9955HX3D」では「AMD 3D V-Cache テクノロジー」が再設計された第2世代となり、コアに直接クーラーがアクセスできるようになったことで安定した温度で稼働可能に。より効率的かつハイスペックなパフォーマンスを発揮するだけでなく、省電力性も両立しています。
前世代のAMDプラットフォームとの各ゲームタイトルや作業用ソフトとのパフォーマンスを比較した場合、ゲーム分野では平均して19%、クリエイティブ面では平均して15%もパフォーマンスが向上しています。



一方の「Ryzen AI 300」シリーズプロセッサーでは「世界で最もパワフルなPC向けAIエンジン搭載プロセッサー」とし、MSI製品にも広く採用されています。「Ryzen AI 7 350」では動画再生で20時間、Webブラウジングで13時間以上と1日中充電なしで使用できるほか、他社製品と比較しても高いマルチタスク性能を誇ります。



インテルの矢内洋祐氏は同社の「Core Ultra」シリーズの紹介を行いました。「Core Ultra」シリーズはNPUがCPUのなかに組み込まれており、CPUやGPUに関してもAIの動きをサポートできるように再設計されています。


「Core Ultra」プロセッサーではシリーズ2として「200H/U」(Arrow Lake-H/U)「200V」(Lunar Lake)「200HX」(Arrow Lake-HX)といったラインナップが用意され、デスクトップやラップトップ、そしてハンドヘルドPCまで幅広く対応しています。

なかでも「Core Ultra 200V」シリーズは「今までで最も効率的なx86プロセッサー」と称され、消費電力の削減と同じ電力での高性能化を実現。自社製品や他社製品と比較してみると、パフォーマンスは最大7%増加した一方、パッケージパワーは最大53%減少と、卓越したワットパフォーマンスが魅力となっています。
前世代の100シリーズからはバッテリーなどのパフォーマンスが大幅に向上しており、動画視聴や作業でも最大20時間の稼働が可能です。



コアなファン(enthusiast)向けの「200HX」でも熱効率やワットパフォーマンスの改善が重視されていて、合計で48レーンのPCIeをサポートするなど高い拡張性をもっているのも特徴。「優れたAI PCは、優れたPCから始まる」をテーマに、AI技術だけでなくPCそのものが高いパフォーマンスを誇ります。


最後に登壇したNVIDIAの澤井理紀氏は、Blackwell アーキテクチャが搭載された最新の「GeForce RTX 50」シリーズについて、「RTX 4090」の性能を半分の電力で実現できるなどその高いパフォーマンスを紹介しています。


また、「DLSS」「Reflex」「レイトレーシング」などさまざまなRTX機能は実に90%以上のユーザーが使用していると発表。特に「DLSS 4」では追加で3つのフレームを生成する「マルチフレーム生成」によって快適なゲーム体験を実現しており、現在では100種類以上のタイトルが対応しています。
新しいTransformerモデルによってフレーム生成時のクオリティも格段に向上しました。画面のちらつきやゴーストといった現象を抑え、ネイティブレンダリングよりも優れた画質の提供を可能とします。



ゲーム面だけでなくクリエイティブ面でも能力を発揮するBlackwell アーキテクチャは、高速な書き出しやエンコード、新しいフォーマット(4:2:2)にも対応し、より低負荷での作業が可能に。
AIモデルの処理によって要求されるVRAMが跳ね上がるなか、Blackwell アーキテクチャでは以前と同等の品質のものを半分のVRAMで生成できるほか、秒数も大幅に短縮されています。さらに、バッテリーが重要視されるノートPCにおいては2倍の効率を発揮しながら最大40%増もの駆動時間を実現しています。



あらゆるニーズに対応した「GeForce RTX 50 シリーズ Laptop GPU」搭載製品が目白押し!

会場ではプレゼンテーションや製品発表にくわえて実際の製品が展示されているスペースもあり、イメージキャラクター「ラッキー君」や「美星メイ」のオリジナルグッズなども展示されていました。



「Titan 18 HX AI A2XW」/「Titan 18 HX Dragon Edition Norse Myth A2XW」

最新のフラッグシップモデルとなる「Titan 18 HX AI A2XW」ではCPUにはインテル「Core Ultra 9 285HX」を、GPUには「GeForce RTX 5090 Laptop GPU」を搭載しているほか、標準構成で96GBのメモリ、6TBのストレージという構成になっています。
また、「Dragon Edition Norse Myth」は北欧神話にインスパイアされたドラゴンのデザインが特徴的で、特別デザインのゲーミングマウスやマウスパッドなどがセットになっています。


「Raider A18 HX A9W」

ハイエンドモデルの「Raider A18 HX A9W」はAMD「Ryzen 9 9955HX3D」を採用し、究極のゲーミング性能を体感可能。GPUは「GeForce RTX 5090 Laptop GPU」を搭載し、18インチのディスプレイは4K解像度や120Hzなどにもしっかり対応しています。
「Vector A18HX A9W」

「Vector A18HX A9W」ではAMD「Ryzen 9 9955HX3D」と「GeForce RTX 5080 Laptop GPU」を搭載しており、上位モデルに匹敵する性能を実現。最大240Hzのリフレッシュレートにも対応する「スーパー滑らかディスプレイ」が採用されているほか、I/Oポートなども上位モデルと同等のものになっています。
「Vector 16 HX AI A2XW」

16インチサイズの本体にはインテル「Core Ultra 9 275HX」と「GeForce RTX 5080 Laptop GPU」を搭載し、性能とサイズのバランスを極限まで追求したモデル。「Vector A18HX A9W」と同様、ディスプレイには「スーパー滑らかディスプレイ」が採用されています。
「Stealth A16 AI+ A3HW」

本体重量約2.1kgと薄型・軽量ボディの本体にAMD「Ryzen AI 9 HX 370」と「GeForce RTX 50 シリーズ Laptop GPU」を搭載しているほか、大容量のオンボードメモリも用意されています。次世代型AI PCとして、様々なAI機能を活用可能です。
そのほか、「Cyborg」シリーズ、「Katana」シリーズの2025年版リニューアルモデルも展示されていました。



また、ポータブルゲーミングPCのパワーアップモデル「Claw 8 AI+ A2VM」や、メルセデスAMGとコラボレーションを果たした「Stealth 18 Mercedes-AMG Motorsport A1V」といった製品も。両者ともに「Core Ultra プロセッサー」を搭載しています。



ビジネス・クリエイター向けモデルとしては「Prestige 13 AI+ Evo A2VM」をはじめ、「Summit 13 AI+ Evo A2VM」「Venture A14 AI+ A3HM」といったモデルが展示。AI技術によってパフォーマンスが向上し、ソフトやWebブラウザの同時立ち上げなどあらゆるシーンで活用可能です。




今回は、「GeForce RTX 50 シリーズ Laptop GPU」搭載モデルを紹介する「MSIノートPC 国内向け新製品発表会」の様子をお届けしてきました。各社ともにAIによる最新技術を駆使しており、ゲームだけでなく、ビジネスやクリエイティブなど、幅広い分野での活躍が期待されます。
……ちなみに、今回の発表会ではお土産として「愛(AI)」のこもったドラゴン(ビーフ)カレーと、栄養ドリンクを頂きました。

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