「街の厄介者」とされるカラスが繁殖期を迎え、今活動が活発になっています。繁殖に必要な巣もこの時期に多くの場所に作られますが、その影響で停電も起きています。

■ハンガー持ち帰り電線接触 約7800軒停電も

 6日に新潟でサクラの開花が発表され、これで全国40地点のソメイヨシノが開花となりました。

 春の訪れを感じるサクラ。一方、この時期に電力会社が注意を呼び掛けているのが停電です。原因は、カラスの巣です。

 カラスの巣作りは今がピークで、来月ごろまで続きます。カラスの巣が原因で停電が起きるとは、どういうことなのでしょうか?

 3日、電力会社はこう呼びかけました。

北海道電力ネットワークのSNSから
「カラスは電柱にも巣を作り、材料のハンガーや針金が電線等に触れると停電するおそれがあります」

 電柱の上に作られたカラスの巣の映像では、わずかですが、火花も見えます。

 実際、関東では先月カラスの巣が原因とみられる停電が起きていました。

帰り道に電柱を見た 50代
「甲州街道の所にあった電信柱に、鳥の巣があったようで。電信柱の上から煙が噴いていて、本当に停電しているのだと」

 この停電でおよそ7800軒に影響がありました。

 カラスの巣が原因で突然、停電になった人たちはこう話します。

ダンス教室中に停電 60代
「みんなパニックになっていたみたいです」

テレビ視聴中に停電 50代
「みんなウロウロしていましたよ、情報を集めるために。情報がなくなってくるでしょ、断ち切られてしまうんですよ」

■年間3000件巣撤去も 停電防止に何必要?

 では、電柱に巣を見つけた場合、どう対応するのがよいのでしょうか?

 東京電力パワーグリッドでは、停電防止のために通報窓口を設け、年間で3000件ほど巣を撤去しています。

 また、東京都はカラスから生じる被害を防止するため、20年以上前から対策に取り組んでいます。およそ3万6000羽いたカラスは、おととしにはおよそ8300羽まで減っているということです。

 カラスの生態に詳しい専門家はこう話します。

(株)CrowLab 塚原直樹代表取締役
「カラスの数自体が飽和状態になっている。全体の数が変わっても、繁殖個体を減らすには至っていない」

 縄張りを持つカラスがいなくなっても、別のカラスが同じ場所に縄張りを持つため、できる巣の数を減らすことは難しいようです。

 カラスの巣による停電を防止するためには、ハンガーなどを放置しないことや、ごみの管理が必要だということです。

(「グッド!モーニング」2025年4月7日放送分より)
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