東京都心の六本木エリアに、在日米軍の新たな拠点が作られることが明らかになりました。住民や近くで働く人たちからは安全面を懸念する声も出ています。
■在日米軍“新部署”に不安 重要施設あれば「狙われる」
近くで働く人
「ここに司令部が来ると、どうなるのかなと不安」
「そういうところに重要な施設があるならば、狙われるでしょうね、それはあり得ると思いますよ」
3日、東京の港区役所がこんな発表をしました。
港区のプレスリリースから
「3月31日、防衛省から港区に対して、在日米軍の統合軍司令部へのアップグレードの開始についての情報提供がありました。赤坂プレスセンターのサテライトオフィスを拠点とし、日常的に防衛省・自衛隊等のカウンターパートと連絡・調整を行う予定」
書かれていたのは、在日米軍の新たな部署が都心の六本木に設置されるという内容です。
先月24日、防衛省内に新たに設立された「統合作戦司令部」。「陸・海・空」の自衛隊を一元的に指揮しますが、これに合わせて、連携する在日米軍も機能をより強化した「統合軍司令部」に格上げする計画があります。
しかし現在、在日米軍の司令部がある「横田基地」は、市ケ谷の防衛省と30キロ以上離れていて、移動に時間がかかることが課題となっていました。これが「六本木」なら、距離はおよそ3キロに縮まります。
これを懸念しているのが、地元・港区の清家愛区長です。
清家区長
「港区は、ミッドタウンとか六本木ヒルズなどがある。高層ビルに囲まれた多くの人が集まる街なので、そこで事故があった場合に、被害が甚大なことになりますので、その安全や安心をしっかり守っていくのが港区の立場」
■進まぬ返還 港区長「詳しい情報求める」
そもそも、新たに拠点となる「赤坂プレスセンター」は、第2次世界大戦直後に米軍が接収した土地で、米軍の準機関紙である「星条旗新聞」やヘリポートが置かれています。
以前から騒音などが問題となっていて、区や住民は長年、この場所の返還を求めてきました。
麻布米軍ヘリ基地撤去実行委員会
宮内鶴代事務局長
「今でも毎日ヘリが来て非常に危ないが、より危険な施設になると言えるところが本当に心配です。テロの標的になりやすくなるとか、そういうことも危惧しています」
こうした住民らの心配を意識したのでしょうか。去年11月に星条旗新聞がこの件をいち早く報じた際には「在日米軍が司令部を横田から六本木に移転検討」となっていましたが、今回の防衛省の説明ではあくまで「司令部を移転するわけではない」と主張しています。
防衛省(港区のプレスリリースによると)
「当該部署の設置のみをもって(在日米軍の)統合軍司令部が赤坂プレスセンターに設置されるものではない」
清家区長
「(区や住民は)基地の返還をずっと求めてきていて、それが今回の件で、恒久化につながっていく点は非常に懸念している。在日米軍のアップグレードの内容について、さらに詳しい情報を提供していただくこと。(防衛省には)真摯に対応いただきたいと思っています」
(「グッド!モーニング」2025年4月8日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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