全国各地の食品や工芸品などを発掘し、日本一を決める大会が、2025年2月に開かれました。そこでグランプリの栄冠を手にしたのは、東日本大震災の被害を受けた宮城県七ヶ浜町の特産品を使ったある商品です。その日本一に輝いた商品の魅力と商品化した飲食店主の思いに迫ります。宮城県七ヶ浜町の菖蒲田海水浴場のすぐそばにある「カフェレストランSEASAW」。店を訪れる多くの人たちのお目当ては、人気ナンバー1メニューのこちら「海苔カルボナーラ」。使われている食材は、宮城県内産ばかりで、なかでも味の決め手に欠かせないのが皇室献上品でもある七ヶ浜特産のノリを使ったソース「浜ののりだれ」です。後藤舜アナウンサー:
「とてもまろやかで口に入れた瞬間にノリの風味がふわっと広がります」開発したのは、このカフェのオーナー、久保田靖朗さん(42)と主に調理を担当する妻の真子さん(35)です。カフェレストランSEASAW 久保田靖朗オーナー:
「ちょうどコロナもあり、それまで会えていた人や息子が来ていたのにこられなくなったなかで、ソースを送れないかという話があり、本格的にお土産として開発を始めた」商品化した「浜ののりだれ」を次のステージへ…客の声をもとに商品化された「浜ののりだれ」。2023年に新東北みやげコンテストで最優秀賞を獲得するなど認知され始めたことで、久保田さんは新たな挑戦を決意しました。カフェレストランSEASAW 久保田靖朗オーナー:
「もっと、この味を日本中、さらに世界でも挑戦できるのではないかという思いもあり、にっぽんの宝物プロジェクトを知り、自分が参加して、更に世界というステージに挑戦してみようと思った」久保田さんが挑んだ「にっぽんの宝物グランプリ」は、全国各地の魅力あるものを発掘するプロジェクトです。2025年2月の日本大会は地方大会を勝ち上がった45組が、スイーツや調味料、工芸品などあわせて10部門で競い、各部門の優勝者のなかから、グランドグランプリを選ぶものです。審査は、事業者のPR力や商品の味などを有名ホテルの社長やシェフらが評価しました。久保田さんは、その大会で北限のシラスと『のりだれ』を和えた「のりシラス丼」を調理し提供しました。審査員:
「これはまたうまいわ。卵の黄身に対してのりがめちゃくちゃ良い感じのパートナーシップ協定を結んでいて、一見強すぎそうに見えて丁度よい」そして審査の結果、久保田さんの「のりシラス丼」見事日本一の栄冠を手にしました。久保田さん:
「本当にこのような素晴らしい賞、評価を頂きありがとうございます。もう少しで3月が来ます。何もなくなった場所からひとつずつ作ってきた、このソースが本当に多くの方に評価いただけたということで本当に嬉しく思っている」千葉県出身の久保田さん 東日本大震災が大きな契機に…千葉県出身の久保田さん、2011年には、JICA=国際協力機構の青年海外協力隊員としてアフリカのモザンビークで活動。在任中に東日大台震災の被害を知り、任期を終えた翌年帰国し、宮城などでボランティア活動をしました。その一環で訪れた七ヶ浜町で、地域の人たちの復興への強い思いに触れたのが移住のきっかけでした。カフェレストランSEASAW 久保田靖朗オーナー:
「菖蒲田浜に多くの人が来て、また賑わっていく、そんな地域の未来を創っていきたいというのが、地域の人からの強い思いだった」もともと、音楽関連の活動をしていた経験から、年に一度、被災したビーチでイベントを開催するなかで、海の近くに、いつでも人が集える場所が必要だと思うようになり、カフェの立ち上げを決めました。カフェレストランSEASAW 久保田靖朗オーナー:
「この海をもう一度復活させたいという思いで、多くの人が関わっていた、年に一回そこに2、3千人集まっても、街が作られていくわけではないので、常に人が集まれる場所を作りたいと思った」常に人が集える「カフェ」から世界の舞台へ…その思いが形となり、震災後初となる2016年の菖蒲田海水浴場の海開きとともにオープンを迎えた「カフェSEASAW」。9年が経ち、今では地元はもちろん県内外からも多くの人が訪れるようになり、この日も日本一の味を求めてにぎわいました。客:
「(日本一を)知っていた。だから一回食べてみたいと思っていた。七ヶ浜が全国的に知られるとうれしいし、それに貢献していると思う」
「のりだれがおいしくて買っていって、家で食べる」客:
「ただノリの風味や香りがありおいしかった。世界的にも出せば、ちゃんといけると思う」日本一の次は、大阪・関西万博での世界大会を控えます。久保田さんは、世界で2%ほどにとどまっている日本産のノリのシェア拡大に「のりだれ」がきっかけになればと意気込みます。カフェレストランSEASAW 久保田靖朗オーナー:
「それをどんどん広めていけるきっかけになればと強く思っているので、一生懸命一ミリでもよくして世界大会に臨んでいきたい。グランプリを目指して頑張っていきたい」七ヶ浜の特産のノリを世界で認めてもらいたい。久保田さんの挑戦は続きます。
詳細は NEWS DIG でも!↓
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/tbc/1866046
source
Be the first to comment