国会への提出が先送りとなっている年金制度改革の関連法案。現行の制度のままだと年金が少なくなる就職氷河期世代からは、嘆きの声が聞こえています。
■就職氷河期世代 年金支給額減
2025年、物価高の春。国民年金の保険料も引き上げられました。今月から、これまでより530円負担が増えて月額1万7510円に。
50代
「物価高も含めて、全体的に上がり方が尋常じゃない」
40代妻
「知らなかった」
50代夫
「それは知らなかった」
40代妻
「え、困るんだけど」
こう答えたのは「就職氷河期世代」の人たちでした。現在、40代半ばから50代前半。1990年代、バブル崩壊後の不況のなか、就職活動に苦しんだ世代です。
“第二次ベビーブーム”ともいわれた「団塊ジュニア世代」が多く、常に競争を強いられてきました。
氷河期世代 50代
「今から(の対策)だとちょっと遅いかな。(この世代は)もう50代だからもうすぐ定年の年」
今すぐに手を打たなければならないのが年金問題です。
現在の年金制度には、現役世代の負担を軽くするため「マクロ経済スライド」という、給付額を調整する仕組みが導入されています。
これによって、就職氷河期世代が年金をもらうころには受け取れる額が少なくなってしまう可能性が高いのです。
試算では、1974年生まれの人の4割で、ひと月の年金額が10万円未満になるということです。
第一生命経済研究所 首席エコノミスト
永濱利廣氏
「30年後ぐらいには今より3割ぐらい減ってしまう。老後の生活を支えるうえで、十分な機能を果たさない可能性も」
■年金改革法案に慎重論
今年は“5年に一度の年金改革”の年です。「厚生年金の積立金を国民年金に充てる」案で、団塊ジュニア世代や就職氷河期世代を支える議論も進んでいます。
厚生年金を納めてきた人には不利益で、毎回とってつけたツギハギの案にも感じますが、「制度の崩壊を防ぐために必要な調整だ」と専門家は指摘します。
永濱氏
「(厚生年金の)受取額が減る人に手当てする補助策をしていけば、将来の年金の持続可能性を考える上でも、私はこの改正自体は望ましい方向と思う」
ただ、この案には厚生年金の流用だと反発する意見も根強くあります。
就職氷河期世代のなかには、年金自体に冷ややかな見方をする人もいます。
氷河期世代 40代
「あまり期待していない」
氷河期世代 50代
「投資などの方にみんな注目しているかな」
報われないと、嘆く声も聞かれました。
氷河期世代 50代
「給料などで結構、若い人が上げているが、中間層は結構上がらなくて“そのまま放置”が多いので、せめて年金では少しでも救っていただければと思う」
自民党は議論を進めるのに及び腰です。
2007年 安倍晋三総理大臣(当時)
「年金の記録の問題、最後の一人にいたるまですべてチェックしていくとお約束いたします」
選挙で大敗し、政権交代につながった年金問題のトラウマは今も尾を引いています。
年金法案提出について、自民党内ではこの夏の参議院選挙後への先送りを求める声が上がっています。
先月、自民党は今月中旬以降に提出する考えを表明していますが、具体的な見通しは立っておらず、まだまだ議論は長引きそうです。
(「グッド!モーニング」2025年4月7日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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