Ubisoft『ザ クルー2』の「オフラインモード」、ついにテスト実装へ。根本から激変するので、まずオンラインとオフラインの“ハイブリッド”を目指す – AUTOMATON

Ubisoftは4月25日、『ザ クルー2』のアップデートに関する動画を公開。その中では、昨年に実装予定であると告知されていた「オフラインモード」が同作向けににて4月30日からテストされることが発表された。

『ザ クルー（The Crew）』は2014年よりUbisoftが展開しているオープンワールドレーシングゲームシリーズ。オープンワールドの広大なマップにて、さまざまなレースミッションやオンライン対戦を楽しめる。アメリカ全土を舞台にした『ザ クルー』とその続編『ザ クルー2』に加えて、ハワイのオアフ島を舞台にした最新作『ザ クルー：モーターフェス』がリリースされている。

シリーズ第1作である『ザ クルー』は2024年3月31日にサービスが終了。同作のオンライン常時接続を必須とする仕様のために、サーバーの停止にともないプレイすることができなくなった。大きな批判を呼び起こしたうえ、購入したゲームをサービス終了後もプレイし続けられるようにすることを求める「Stop Killing Games」という署名運動に発展することとなった。

そうした反応を受けて、『ザ クルー2』および『ザ クルー：モーターフェス』については、「オフラインモード」の実装を検討することが昨年9月に公開された「ザ クルー Showcase 2024」にて発表されていた。そして本日4月25日、『ザ クルー2』の開発に関する動画が公開。プロデューサーのGregory Corgie氏によって、ユーザーからの質問に答えるかたちで実装予定のオフラインモードについての説明がなされた。

まず『ザ クルー2』に、オンラインとオフラインの両方でのゲーム体験を備えた「ハイブリッドモード」を、2025年末までに導入することが発表された。このハイブリッドモードの意味するところとして、同作は本来オンラインプレイを前提として設計されていることを同氏は説明。完全なオフラインモードのリリース前にオンラインとオフラインでのコンテンツの洗練とバランス調整をおこなうため、まずハイブリッドモードとして導入されるそうだ。またオフラインでは利用できなくなる機能もあるそうで、利用可否のリストをできるだけ早くユーザーに共有するとしている。一方『ザ クルー：モーターフェス』については、現在はライブサービスや来たる数年間のサポートに注力しているものの、同作にも将来的にオフラインモードを実装するため安心してほしいとのこと。

そしてハイブリッドモードの正式実装に先駆けて、最初のテストを4月30日におこなうことが発表された。コミュニティへの過去の参加歴などに基づき選ばれた一部のユーザーが対象で、該当するユーザーにはテストへの招待がメールで届くそうだ。テストにおいてはユーザーのゲームの進捗に影響を出さず、また同じ基準で意見を共有し合えるように、特定のセーブデータが配布される見込み。なおハイブリッドモードは最終的にすべてのプラットフォーム向けに配信される計画ではあるものの、今回のテストではPC版のみが対象だという。

今回発表された情報で、オフラインモードの実装に向けた具体的な動きが明らかになった格好だ。なお『ザ クルー』第1作については先述のとおりサービスが停止されており、プレイは不可となっている。先述した「Stop Killing Games」運動のほか、米国では2人のユーザーがUbisoftを提訴している状況もある（関連記事1、関連記事2）。『ザ クルー』のオンラインサービス停止に猛反発があったことを受けて、『ザ クルー2』および『ザ クルー：モーターフェス』では、時間をかけながらもオフラインモード実装に向けた取り組みが引き続きおこなわれていくようだ。続報を待ちたい。

『ザ クルー：モーターフェス』はPC/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに、『ザ クルー2』はPC/PS4/Xbox One向けに発売中。