TikTokのライブ配信プラットフォーム・TikTok Liveが、2025年第1四半期(1月から3月)にTwitchを視聴時間ではじめて上回ったことが明らかになった。
配信統計サイト「Streams Charts」が4月30日に発表したレポートの中で紹介している(外部リンク)。
同サイトによれば、2025年第1四半期のライブ配信の総視聴時間は297億時間を突破。その中で、TikTok Liveの総視聴時間は約80.3億時間で全体の約27%を占め、2位に位置した。
なお、1位のYouTube Liveの総視聴時間は約149億時間で全体の約50%、3位のTwitchは約48.5億時間で全体の約16%を占めている。
TikTok Live、前四半期比で30%増加の急成長
Streams Chartsによれば、YouTube Liveは、特にスポーツやニュース放送などの非ゲームコンテンツの大きなシェアで、最も視聴されたストリーミングプラットフォームの地位を維持した。
その一方で、総視聴時間の増加率は鈍化。2024年第1四半期には25%増加したものの、2025年第1四半期には3.4%の増加にとどまったと指摘している。
大手ライブ配信プラットフォームの視聴時間/画像はStream Chartsより
TikTok Liveは、スマートフォンから配信するスタイルが多く、IRL(In Real Life:現実での雑談などのジャンル)で躍進。前四半期比で30%増加の成長を見せた。
Streams Chartsは、オンラインストアでの配信や、ファッション、衣料、化粧品などに関する配信が人気だと付け加えている。
なお、TikTok Liveに追い抜かれたTwitchに関しては、「依然としてゲームやe-Sportsの主要プラットフォームである」と言及している。
TikTok Live躍進の理由は「アルゴリズム」にあり?
TikTok Liveの躍進は何が原因なのか。Streams ChartsのプロダクトマネージャーであるNazar Babenkoさんは、Webメディア「Dexerto」の取材へ、以下のように応じている(外部リンク)。
Nazar Babenkoさんは、TikTok Liveについて「スマートフォン中心の設計で視聴者や配信者にとって参入障壁が非常に低い」と指摘したうえで、「アルゴリズムが強みである」と指摘。
特に、(大手やフルタイムではない)カジュアルな配信者やはじめての配信者にとって、「アルゴリズムによる発見機能がライブ視聴とエンゲージメントを大きく押し上げている」と説明している。
Nazar Babenkoさんはこのほかに、アメリカでのTikTok禁止法案の報道によるメディア露出が、今回のTikTok Liveの躍進の一助となった可能性も指摘している。
Dexertoではこのほか、Nazar Babenkoさんによるライブ配信業界全体の現状を分析。またStreams Chartsでは、Kickの急成長など大手以外のプラットフォームの動向についても紹介している。
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