2025年4月9日(水)、プチプラ通販サイトのTemuが、Google ショッピングへの広告を完全に停止しました。その後、TemuはApp Storeの無料アプリランキングで、3位から58位にまで急落しています。

Temu pulls its U.S. Google Shopping ads
https://searchengineland.com/temu-pulls-us-google-shopping-ads-454260


Temu’s US Ad Spend Craters Amid Escalating Trade War With China
https://www.adweek.com/media/temus-us-ad-spend-craters/

電子商取引ソリューションプロバイダー・Smarter Ecommerceでeコマースインサイト責任者を務めるマイク・ライアン氏が、Temuは2025年4月9日にアメリカでのショッピング広告の出稿を完全に停止したことを報告しています。

その結果、Temuのインプレッションシェアは急落し、4月12日には広告主オークションデータ上から完全に消えたそうです。

以下のグラフは横軸が時間、縦軸がGoogle ショッピングでのインプレッションシェアおよびApp Storeでのランキングを示しています。黒色の線がインプレッションシェア、青色の線がApp Storeでのランキングを示しており、4月9日に広告出稿を停止してから、インプレッションシェアとApp Storeでのランキングの両方が急落していることは明白です。


ライアン氏は「Temuの広告費とアプリランキングの間に高い相関関係があることを初めて報告したのは、2024年4月のことでした。多くの企業が広告に依存していることを考えれば、これは驚くべきことではありません。しかし、Temuの場合、その関係は非常に即時的かつ強いものだったようです」と記しています。

さらに、ライアン氏は「Temuが受注で赤字を出していることは以前から知られていました。これは親会社が市場シェア拡大と引き換えに、多額の補助金を出しているためです。しかし、関税とごくわずかな輸入の抜け穴の取り締まりが相まり、TemuのD2Cモデルは事実上崩壊しました」と指摘しています。

検索エンジン関連メディアのSearch Engine Landは、「Temuのビジネスモデルは個別の販売では損失を出しているにもかかわらず、市場シェアの拡大を推進するために親会社から大幅な補助金付きの注文に依存していたことがよくわかります」「Temuが1日も広告なしでアプリのパフォーマンスを維持できないことは、同社の市場での地位の脆弱(ぜいじゃく)性を物語っています」と報じました。

Temuの積極的な広告出稿がオークションプラットフォームから姿を消すことで、eコマース広告主はデジタル広告費用の一時的な軽減を経験する可能性があります。実際、新型コロナウイルスのパンデミック初期に広告主が一気に市場を撤退した際には、クリック単価(CPC)の低下が起きました。CPMレートも若干の低下が見込まれており、残りの広告主のCPCとコンバージョン単価の両方が低下する可能性もあるそうです。

なお、TemuがGoogle ショッピングへの広告出稿を停止したのは、トランプ政権が中国からの輸入品に対して強硬な姿勢を取り、関税を125%に引き上げた一方で、その他の国に対しては相互関税を一時停止すると発表したタイミングと一致しています。

トランプ大統領が中国などを除く75カ国以上への相互関税を一時停止、NVIDIA株の19%をはじめIT産業の株価が軒並み上昇 – GIGAZINE


Search Engine Landは「Temuの親会社は依然として健全な基盤を維持しています。アメリカの貿易政策は依然として流動的で、政権内でも反対に直面しているため、Temuの撤退は永続的なものではなくなる可能性もあります」と記しています。

なお、ソーシャルニュースメディアのHacker News上では「Temu、AliExpress、そしてSHEINが大好きでした。何年もの間、平均して1日に1点くらいの商品を購入していました。ほとんどは小さな電子部品や工房用の特殊工具でした。Amazonや地元のお店で買っていたら、10倍の値段がついていたでしょう。もう終わりですね。5月に荷物を受け取る人は、1点につき75ドル(約1万700円)から150ドル(約2万1000円)、あるいはそれ以上の料金がかかるでしょう。75セント(約100円)の封筒でさえ、75ドルの追加料金がかかります」と、プチプラ通販サイトの終焉を嘆く声や、「私の経験では、TemuはAliExpressで最も人気のある上位10%の商品を販売しており、Amazonの倉庫に似た巨大な集中型フルフィルメント倉庫を使用しているため、より迅速で信頼性の高い配送を実現していました」というコメント、「SHEINとTemuを一緒くたにしないでください。妻はSHEINの熱心なユーザーですが、今のところ、価格に見合った品質だと感じています。SHEINは実際にはAliExpressのラッパーに過ぎませんが、服のサイズ表の正確性に多大な労力を費やしており、顧客レビューシステムでは、購入者が購入した服を着用した写真をアップロードするよう積極的に奨励しています。そのため、購入を検討しているユーザーは、自分の体型に近い人がその服を着ている様子を実際に見ることができます。一方、Temuの印象は、彼らがリストでできるだけ誤解を招きやすいようにしようとしているということであり、そのため、価格に見合った価値はまったくないということです。以前、20ドル(約2800円)で6フィート(約1.8メートル)のクリスマスツリーを購入しましたが、届いたツリーはわずか6インチ(約15cm)でした」というコメントなどが寄せられていました。

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