『Penko Park』の移植の苦労とその成果
インディーデベロッパーGhostbutterは、2023年7月9日に自スタジオの人気アドベンチャーゲーム『Penko Park』のNintendo Switch版移植に関するブログ記事を公開しました。このゲームは、廃墟となったサファリパークを舞台に、生き物たちの写真を撮影しながら探索を進める内容です。
ゲーム概要
『Penko Park』は2020年にPC版がリリースされ、そのユニークなシステムから『ポケモンスナップ』を連想させるとの声も多く、Steamでのユーザーレビューは98%の好評を受けています。2022年にはNintendo Switch版もリリースされました。
移植の挑戦
GhostbutterのKonstantin Kopka氏が語るところによれば、移植作業は非常に困難でした。Nintendo Switchの開発キットが届き、初めてのビルドを試みたところ、ゲームはすぐにクラッシュ。メモリ不足やシェーダーエラーに悩まされ、最初のステージにすら到達できなかったとのことです。
Kopka氏は、一週間にわたる解析の後、何とかゲームを動かすことに成功しましたが、フレームレートは14fpsであったため、プレイに耐えられる状態ではありませんでした。ここから最適化が始まります。
最適化の必要性
Kopka氏は、パフォーマンスの低下がGPU処理に起因していることを発見します。具体的には、描画に余計な重なりが多すぎ、木々や葉が原因で処理に多くの時間を要していたのです。そこで、透明なスプライトを法線マップを使用したローポリメッシュに置き換え、パフォーマンスを劇的に改善しました。
さらに、地面の草や照明エフェクトを見直し、最適化を続けた結果、ついに目標の60fpsを達成しました。このプロセスにおいて、最初に行った詳細な計測が重要で、無駄な要素を排除し、効果的に高効率な開発へと導いたのです。
Kopka氏の教訓
Kopka氏は、この経験から得られた教訓を伝えており、特に基準を設けて計測を行う重要性を強調しています。パフォーマンス向上は細やかな修正と計測の積み重ねであるため、推測に頼るべきではないと述べています。
新たな挑戦
Kopka氏は『Penko Park』を移植した経験を活かし、Nintendo Switchおよび次世代機への移植事業「Ghostbutter Porting」を立ち上げています。他の開発者がスムーズに移植を進められるサポートを提供する意向があるようです。
『Penko Park』は現在、PC(Steam)およびNintendo Switch向けに配信中です。興味のある方はぜひプレイしてみてください。
🧠 編集部より:
『Penko Park』の移植について
インディーデベロッパーのGhostbutterは、冒険ゲーム『Penko Park』のNintendo Switchへの移植過程を詳細に語りました。このゲームは、廃墟と化したサファリパークを探索し、不思議な生き物たちの姿を写真に収めてガイドブックを作成することが特徴です。特に、ゲームは「ポケモンスナップ」を彷彿とさせるスタイルで、多くの好評を得ています。
移植の困難
Kopka氏は、PC版の開発に3年をかけた後、Switchへの移植で直面した数々の困難について触れています。最初のビルドでゲームがクラッシュし、メモリ不足やシェーダーの読み込みエラーに苦しむ日々が続きました。最初は、たった14fpsという低パフォーマンスに頭を抱える結果に。
最適化のプロセス
改善のためには、最適化に徹底的な努力が必要でした。最初に行ったのは、具体的な数値に基づくパフォーマンス計測。GPUが主なボトルネックだと判明し、ポリゴンの重なりがパフォーマンスに影響を与えていることが分かりました。
- 透明なスプライトを使っていた木々を、法線マップを用いたローポリモデルに変更することで、視覚的クオリティを維持しつつ、パフォーマンスを向上させました。
- 同様に、草の描写もスプライトから不透明なジオメトリに変更し、処理を軽減しました。
最終的に、数か月の努力の末に目標としていた60fpsを実現し、移植を成功させました。この経験から、Kopka氏は測定と分析の重要性を強調しています。計測を通じた具体的なデータに基づくアプローチが成功の鍵であったとも言及しています。
教訓と今後
Kopka氏は得た教訓をもとに、Nintendo Switch向けの移植サービス「Ghostbutter Porting」も開始しました。これにより、同様の道を歩む開発者たちを支援する意図があります。
また、『Penko Park』はPC(Steam)とSwitchの両方で楽しむことができます。
ゲーム開発における移植の挑戦は、ただ単に技術的なスキルだけでなく、プロジェクト管理や問題解決能力も必要です。興味のある方は、Kopka氏の公式サイトを訪れることをお勧めします。
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キーワード: 移植
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