「Soup Stock Tokyo」が新たな提案を世に送り出した。
『お米と麦のビール』というクラフトビールである。この商品は、スープと調和する味わいを追求して開発されたものであり、同ブランドが掲げる“食事の時間を大切にする”という哲学を体現したもの。
クラフトビール市場では近年、食中酒としての役割を意識した味づくりが注目されており、食材や料理との相性にフォーカスした商品が増えている。
今回の一品も、国内外で広がる、フードペアリング文化に乗った例といえるだろう。
富山県産の酒米を活かした、やさしい味わいのクラフトビール
『お米と麦のビール』の最大の特徴は、富山県産の酒米「五百万石」を使用している点。通常のビールと比べて苦味が少なく、スープと一緒に飲んでも風味を損なわない設計がなされているという。
同ブランドの看板メニューである「オマール海老のビスク」や「東京チキンカレー」との相性も良好で、まるで料理の余韻を引き出すような柔らかな口当たりが印象的だ。
アルコール度数は5.5%と控えめで、グラスも丸く小ぶりな冷えたタイプを採用することで、飲みやすさにも配慮されている。
© 株式会社スープストックトーキョー
地域と企業がつながる「食」のあり方
開発の背景には、Soup Stock Tokyoと富山県との長年にわたる関係性がある。2017年から、同店では富山県・砺波平野で収穫されたコシヒカリを使用した「白胡麻ご飯」を提供してきた。さらに、社員が田植えや収穫の現場に参加するなど、生産者との深いつながりも築かれてきた。
そうした現場との交流から「もっとお米を活かした新しい商品をつくりたい」という声が社内で生まれ、今回のクラフトビールへと結実した。単なる新商品ではなく、地域との共創が形となった好例でもある。
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『お米と麦のビール』は、全国のSoup Stock Tokyo外食店舗(一部店舗を除く)で提供されており、税込価格は690円。
スープ専門店が手がけたこの一杯は、食事の質を一段引き上げるような存在となるだろう。
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