火曜日, 5月 20, 2025
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SoFiの“売上以上に利益が伸びる”理由──2025年第1四半期決算を読み解くYOSHI

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概要

SoFi(SoFi Technologies, Inc.)の2025年第1四半期決算が発表され、力強い業績により通期ガイダンスが上方修正されました。特に注目するべきは、売上が増加する中で最終利益がそれ以上に成長していることです。営業レバレッジが効いている状況であり、いくつかの費用の売上比率が低下する傾向も見られました。一方で、技術プラットフォーム事業の会員数は減少が報告されていますが、今後の契約に期待が寄せられています。

要約(箇条書き)

  • SoFiの2025年第1四半期決算が発表。
  • 売上と利益の両方が好調に成長し、通期ガイダンスが上方修正。
  • 売上から最終利益の各段階で成長率が高まる。
  • 営業費用の売上比率が低下傾向にあり、営業レバレッジが効いている。
  • 株式発行数の増加が落ち着いており、希薄化リスクは低下。
  • 2024年決算時点でのEPS見込みが0.55~0.80ドルとされ、今後の成長に慎重な見方。
  • 技術プラットフォーム事業での会員数が減少したが、CEOは2026年の収益契約に期待を示す。

SoFiの“売上以上に利益が伸びる”理由──2025年第1四半期決算を読み解くYOSHI

SoFi(SoFi Technologies, Inc.:ティッカー「SOFI」)の2025年第1四半期決算発表を振り返る。※SoFiの会社概要はこちらをご参照ください。

端的に言えば、力強い業績で、2025年の通期ガイダンスも上方修正される結果となった。

以下は「2024年実績」「2025年の上方修正後の新ガイダンス」「2024年から2025年の成長率」をまとめたものであるが、どの数値も堅調に伸びている。

※各項目の正確な定義は文末の用語補足説明に記載

そのなかでも特に注目すべきは、売上から最終利益に至る各段階で、成長率が段階的に高まっている点だ。

※Adjusted EPS(1株あたり利益)の成長率は80%台(ex.0.27÷0.15=80%成長)とより高くなるが、これは株主資本構造に変化があったためである。発行済株式数が同じであれば、最終利益以上に1株あたりの利益が伸びることはないため、誤解を招く可能性があることから上記表に1株あたりの利益に関する数値は入れていない。

これは成長の波に乗ったテクノロジー企業などにしばしば見られることだが、売上の成長率と同率で費用が伸びないことから起きることで、SoFiも同様の好循環に入っている。

具体的に、2020年以降の各営業費用の売上に対する比率を一覧にすると、近年は低下傾向にあることが確認できる。

もちろん各項目の「絶対値」は増えているものが多い。

しかし、売上の伸びが費用の増加を「相対的に」上回っているため、結果として利益が売上以上に増える──いわゆる「営業レバレッジ」が効いている状況だ。

そして、この「営業レバレッジ」は2025年第1四半期も継続し、2024年通期と比較した場合、2025年第1四半期における各費用の売上比率は、販売・マーケティング費がわずかに上昇した以外はすべて低下している。

また、株式発行数の増加も落ち着いており、株式希薄化リスクについて過度に懸念する必要はない。

※発行済株式数の増加率は2021年から2022年は71%、2022年から2023年は4.9%、2023年から2024年は13.9%

なお、SoFiは2024年決算時点で、2026年の1株あたり利益(EPS)を0.55~0.80ドルとするガイダンスを提示している。ただし、その実現には売上成長や利益率のさらなる改善など複数の前提条件が必要となるため、現時点では慎重に見極めていきたい。

最後に、2025年第1四半期決算で気になったのは、技術プラットフォーム事業の会員数が減少した点である。(技術プラットフォーム事業詳細はこちらをご覧ください。)

2025年第1四半期決算発表時の発言から大手顧客を一部失ったようだ。しかし、CEO Anthony Notoによれば、2026年に収益に貢献する契約を締結済みなど、この事業においても今後の見通しは明るく、引き続き成長が期待できそうだ。

【用語補足説明】
Adjusted Net Revenue:一時的な費用や収益を除外して調整された売上高
Adjusted EBITDA:企業の本業による収益力を示す指標で、利払い、税金、減価償却費、一時コスト(株式報酬や買収関連費用など)を除いた利益。日本の「営業利益」に近い性質を持つ
Adjusted Net income:一時的な収益や費用を除いて調整された実質的な最終損益。企業の通常の最終損益をより明確に示すために使用される
Adjusted EPS:特別損益などの一時的な収益や費用を除いて算出した1株あたりの実質的な利益(調整後1株あたり利益)

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