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概要
この記事では、SEOにおける言語の壁の薄れと、それが検索結果に与える影響について論じられています。AI翻訳の進化やGoogleのアルゴリズムの進歩により、日本語の検索結果にも英語の記事が自然に表示されるようになってきています。この環境下で、従来の日本語コンテンツ戦略が危うくなり、一方で日本の優れたコンテンツも国際的に評価される可能性が高まっています。
要約(箇条書き)
- SEOは従来、国内の情報に限られていたが、AI翻訳とGoogleの進化により国際的な情報が容易にアクセス可能になっている。
- GoogleのAI要約機能により、英語の記事が日本語検索結果に表示されることが増加。
- 情報の質が重要視され、内容が日本語か英語かは重要ではなくなる可能性。
- Redditの自動翻訳機能やGoogleの海外ユーザーの意見の翻訳などがその例として挙げられる。
- 日本のサイト運営者にとって、海外の競争相手の「物量」と「権威性」が脅威。
- 外国情報が日本に届く一方で、日本の情報も海外に届くリスクが存在。
- 日本国内の特定の情報(例:ラーメン、邦画)は、引き続き日本市場内の競争が続く。
- グローバルなテーマ(例:SEO、マーケティング)における競争は激化する可能性が高い。
- 良質なコンテンツ制作の重要性が高まり、ユーザーの役に立つ内容が求められる。
- 言語の壁がなくなることは、コンテンツ制作方法を劇的に変える可能性がある。
個人的にインパクトがあったので、上記ポストの深掘りをする。
基本的にSEOは国内で完結する戦いだった。しかし今、検索の「国境」が限りなく薄くなりつつある。AI翻訳の進化、Googleのアルゴリズムの進歩により、海外の情報が日本語検索にも次々と登場し始めているからだ。これまでは地元のチャンピオンを目指していたのに、気づけば「世界大会」の舞台に立たされている。
言語の壁を超えた検索結果
冒頭でポストを紹介したように、GoogleのAI Overview(要約機能)では、英語の記事が翻訳され、日本語の検索結果に自然に表示されるようになってきた。かつては見かけなかった英文コンテンツが目に入る。
KW「コンテンツマーケティング」での検索結果
これはDeep Search(深層検索)でも同様で、英語文献の引用はすでに日常化している。背景にあるのは、AIによる翻訳の精度向上、そして要約・キュレーション技術の進化だ。情報のソースが英語か日本語かは、もはや“どうでもいい”問題になりつつある。要約するのであれば、その素材が日本語か英語かは関係がない。
このような現実の中、従来のように「日本語で日本人向けに書けばOK」という前提は、危ういものになっている。
Redditの世界展開
もう一つ象徴的なのが、Redditの日本での登場だ。Redditは2025年から世界展開を加速させ、自動翻訳を通じて多言語に対応し始めた。
これは下記記事に詳しい。
この自動翻訳の返信に対して、手動ペナルティの対象ではと懸念を示す人もいたが、今のところ問題はないようだ。
このRedditの日本での検索露出はたとえば、下記のようなものだ。
洋画『サブスタンス』に関する感想を語るReddit投稿かすでに日本語検索で上位に現れている。
またRedditに似た例としてそもそもGoogle自体も、映画レビューや商品の口コミにおいて、海外ユーザーの意見を自動翻訳して表示するようになっている。
海外レビューが翻訳され検索結果に出てきている
検索者にとって役に立つ情報であれば、それがどこの誰によるものかは問われなくなる。それであれば、言語が何かも問われなくなる。
言語の壁がなくなることによる怖さ
日本のサイト運営者が直面する最大の脅威は、海外勢の「物量」と「権威性」だろう。
アメリカなどの英語圏ではSEO市場がすでに“ 加熱しており、ユーザー母数もコンテンツ量も圧倒的だ。質の高いコンテンツが自然と生まれやすい構造になっている。
加えて、SEO・マーケティングの分野を見てみるとKOL(キーオピニオンリーダー)の層が非常に厚いのがわかる。言語の壁がなくなれば、今後はこういった世界大会で勝ち抜く必要があるのだ。
いままでは市区大会のチャンピオンでも良かったものが、言語の壁がなくなれば否が応でも世界チャンピオンを目指す必要が出てくる。
影響を受ける情報と受けない情報
とはいえ、言語の壁が完全になくなったとしても、全てのクエリが影響を受けるわけではない。東京のラーメン、邦画のレビュー、日本のプロ野球――こうした情報は、海外勢にとって参入する理由が薄い。これらは引き続き、日本国内プレイヤーによる競争が続く領域だろう。
一方で、「SEOとは?」「マーケティングとは?」といったテーマは、世界中の誰もが興味を持ち、かつ競争も激化している。グローバル戦とローカル戦をどう切り分けるかが、今後の鍵になるだろう。
言語の壁がなくなった後に結局、何ができるか
結局、AIが翻訳し、世界中の検索結果に載るようになる今、何をすればいいのか答えは出せていない。ただ、つまらない結論ではあるが結局のところ勝敗を分けるのは「どれだけ良いコンテンツか」に尽きる。
海外のコンテンツが日本にも届くということは、裏を返せば日本のコンテンツも海外に届く可能性があるということだ。言語の壁がなくなることで良いコンテンツは勝手に海外に届くようになるはずだ。
だからこそ、全力で“良いもの”を作るしかない。
これからは、本当にユーザーの役に立つ、世界基準のコンテンツでなければ生き残れない可能性もある。
まとめ
AI検索が登場し、SEO自体が終焉を迎えるかもと言われる中、瑣末な話でもあるかもしれない。
ただ個人的に言語の壁がなくなっていくのはかなりインパクトの強い出来事だった。
コンテンツ制作の在り方がここ数年で劇的に変わっていく予感しかないし恐怖を感じる。
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