土曜日, 6月 7, 2025
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RFM分析を活用してロイヤルユーザー、休眠ユーザーを明らかにするKuroha HR Product Manager

🧠 概要:

概要

この記事では、RFM分析を用いてロイヤルユーザーや休眠ユーザーを特定する方法について詳述しています。顧客関係を維持し、マーケティング施策を最適化するために、Recency(リセンシー)、Frequency(フリークエンシー)、Monetary(モネタリー)の3つの側面からユーザーを分析します。導入プロセスや成功事例も紹介されており、具体的な施策を実施する際の指針が示されています。

要約の箇条書き

  • RFM分析の概要

    • ユーザーを「利用の直近性」「頻度」「購入金額」の3つの要素でセグメント化する手法。
  • RFM分析のメリット

    • ロイヤルユーザーの可視化。
    • 効果的なマーケティング施策の設計。
    • 離脱防止アクションへの早期対応。
  • Recency, Frequency, Monetaryの定義

    • Recency: 最後の利用日。
    • Frequency: 利用回数。
    • Monetary: 購入金額。
  • 他の分析手法との組み合わせ

    • コホート分析との併用で、時間軸に沿ったユーザーの動向を追える。
  • 必要データと準備

    • データ基盤の整備とRFM指標の定義が重要。
  • セグメンテーションとスコアリング

    • 各指標をスコアリングし、ユーザーをセグメント化する。
  • ロイヤルユーザーへのアプローチ

    • 特別プランや新機能の先行リリース、コミュニティ形成、アップセル施策が効果的。
  • 休眠ユーザーの復活施策

    • 定性調査による原因分析、再体験キャンペーンの実施、使い方ガイドの整備が推奨される。
  • 継続的なRFM分析運用

    • 定期的にスコアを更新し、施策の効果をモニタリングする重要性。
  • 実践的なアクション提案

    • データ収集体制の見直し、RFMスコア基準の設定、ユーザーインタビューの実施が推奨される。
  • リーダーの視点
    • RFM分析の定期的な実施がビジネス成長に寄与することが強調されている。

RFM分析を活用してロイヤルユーザー、休眠ユーザーを明らかにするKuroha HR Product Manager

本記事は僕が運営する「PM x LLM STUDIO」からの転載です。詳細や最新の情報を知りたい方は、ぜひこちらのオリジナル記事もあわせてご覧ください(本は本記事を少し変更しています)。

ECやSaaSといったサブスクリプション型サービスにおいて、継続的に顧客関係を構築・維持することは非常に大切です。
そんな中、ユーザーを“直近利用(Recency)”“利用頻度(Frequency)”“購入金額(Monetary)”の3つの軸で捉え、顧客の傾向を把握するRFM分析が注目を集めています。
僕もPMとしていくつかのSaaSやEC案件を経験する中で、RFM分析は「ロイヤルユーザーを見極める」「休眠ユーザーに最適な施策を打つ」ための強力な武器になると実感しています。

この記事では、RFM分析の基本から導入プロセス、スコアリングやセグメンテーションの考え方、そしてロイヤルユーザーや休眠ユーザーへの具体的なアプローチまでを掘り下げます。
自社の顧客データをもっと活かしたいけれど、最初に何をすればいいのか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

1. RFM分析の概要とメリット

RFM分析とは?

RFM分析とは、顧客を

  • Recency(リセンシー) :最後に利用(購入)した時期

  • Frequency(フリークエンシー) :利用(購入)回数・頻度

  • Monetary(モネタリー) :利用(購入)金額、あるいは契約額

の3つの視点でセグメント化し、その特徴を把握する手法です。もともとはダイレクトマーケティングやECなどで用いられることが多かったのですが、最近ではサブスク型のSaaSやオンラインサービス全般でも活用が進んでいます。

RFM分析を導入するメリット

RFM分析を行うことで、以下のようなメリットが得られます。

  1. ロイヤルユーザーの可視化

    • 「直近もよく使っている」「利用頻度が高い」「購買金額が大きい」といった上位顧客を簡単に把握できる

  2. 効果的なマーケ施策の設計

    • RFMスコアが高い層・低い層など、ユーザーの属性に合わせてピンポイントなキャンペーンやアップセル施策を検討しやすい

  3. 離脱防止アクションの早期対応

    • 直近利用が減っているユーザーをいち早く捉え、休眠や解約防止の施策を打ちやすい

実際に世界的コーヒーチェーンのスターバックスは、RFMに基づくロイヤルティプログラムを導入し、既存顧客の年間購入金額を大幅に引き上げたと報告しています。こうした事例からも分かるとおり、RFM分析はシンプルながらユーザー行動を俯瞰できる強力なフレームワークといえます。

2. Recency, Frequency, Monetaryとは何か

RFMの3要素はそれぞれ独立した切り口でありつつ、組み合わせることで多角的にユーザーの状態を理解できます。典型例としてはECの「直近購入日」「購入回数」「購入金額」ですが、SaaSでも下記のように言い換えることができます。

  • Recency(リセンシー)

    • 例)最終ログイン日時、あるいは最終購入日

    • 直近利用が新しいほど、離脱リスクは低いと判断しやすい

  • Frequency(フリークエンシー)

    • 例)一定期間(30日間や90日間)あたりのログイン回数・利用回数

    • 頻度が高いユーザーほど愛着・依存度が高い傾向がある

  • Monetary(モネタリー)

    • 例)サブスクの月額課金、アップセル購入金額、ECなら合計購入金額

    • 金額が大きいユーザーはビジネスへの貢献度が高く、特別なロイヤル施策が検討しやすい

この3つを掛け合わせると、「直近もよく使っていて、頻度も高く、さらに高額課金している超優良ユーザー」から、「ほとんど使わない・滅多に課金しない」ユーザーまでを整理しやすくなります。

3. 他の分析手法(コホート分析など)との組み合わせ

コホート分析で“時間軸”を補う

RFM分析は「ある時点でのユーザーの状態」を可視化するのに強みがある一方、コホート分析は「登録時期や初回利用日などの基準でユーザーをグループ化し、継続率や利用状況を追跡する」のに強みがあります。

  • RFM分析:直近利用、利用頻度、金額からユーザーをセグメント化

  • コホート分析:特定の時期に獲得・導入されたユーザーの離脱やアクティブ度を時系列で観察

たとえば「RFM分析でハイバリュー層を特定し、さらにコホート分析でどの月に獲得したユーザーがよりロイヤル化しやすいか」を見る、という組み合わせが有効です。より深くコホート分析を学びたい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。

定性調査(インタビュー)との併用

定量分析だけではわからない「なぜF(頻度)が上がったのか」「なぜR(直近利用)が下がっているのか」を知るためには、定性調査との組み合わせがとても効果的です。
ユーザーインタビューやアンケートを通じて、

  • ある機能が特に気に入って頻度が増えた

  • UIがわかりにくくて離脱してしまった

  • 競合サービスとの比較検討で動きがあった

といった背景が見えてくると、RFMの数字が持つ意味合いがさらに明確になります。

4. RFM分析の必要データと準備

必要データの洗い出し

RFM分析をきちんと行うためには、まずデータ基盤の整備が欠かせません。
ECであれば“購入履歴”や“顧客ID”の紐付け、SaaSなら“ログイン履歴”や“契約内容”などが必須となります。データが複数のツールやシステムに分散している場合は、ETL(Extract, Transform, Load)のプロセスを用いてデータウェアハウスにまとめると分析がしやすくなります。

RFM指標の定義ルール

次に、RFMの各指標を自社向けにどう定義するかを決めます。
SaaSの場合、一例として下記のように設定できます。

  • Recency:最終ログイン日を基準に、当日からの経過日数を計算する

  • Frequency:過去90日間のログイン回数(または利用回数)

  • Monetary:累計課金額(アップセルを含む)または月次課金合計(MRR)

自社のカスタマージャーニーを意識しながら、どの期間で切るのが妥当か、どのくらいの課金額を想定しているかを考え、指標を設定しましょう。

分析ツールの選定

ユーザー数が数百人規模くらいなら、ExcelやGoogleスプレッドシートでもRFM分析は可能です。しかし数万人~数十万人規模になると、BIツールやデータ分析プラットフォームを導入して自動でスコアリング・可視化できる体制を整えるのがおすすめです。
分析結果がチーム全員で共有しやすい形(ダッシュボード化など)にしておくと、施策アイデアの検討がスピーディに進むはずです。

5. セグメンテーションとスコアリングの手法

スコアリングの例

典型的なRFM分析では、それぞれの指標を1~5点の5段階にスコアリングし、合計点組み合わせでユーザーをセグメント化します。下表はあくまで一例ですが、イメージとしてはこんな感じです。

上のようにスコアを設定すると、「R=5、F=5、M=5」となるユーザーは文句なしの“超ロイヤル層”、一方で「R=1、F=1、M=1」のユーザーは“ほぼ離脱寸前”という感じで分類できます。

セグメントの切り方

スコアを合計して○点以上を「VIP」、○点以下を「休眠」と大きく分ける方法もあれば、R×F×Mの乗算でランクづけする方法もあります。自社のユーザー分布やプロダクト特性、課金モデルなどに合わせて柔軟に決めるとよいです。

スコアリング後は、各セグメントの人数構成比総売上貢献度を可視化してみてください。そこから「VIPユーザーは全体のたった5%だけど、売上の50%を担っている」なんて事実が出ることもあります。そうした気づきが、施策の優先度を決めるうえで役立ちます。

6. ロイヤルユーザーへのアプローチ設計

ロイヤル層が持つインパクト

RFM分析をやると必ず見つかるのが、高Recency・高Frequency・高Monetaryを兼ね備えたロイヤル層。ECであれば「月に何度も購入し、合計5万円以上使っている層」、SaaSなら「最上位プランを契約し、ほぼ毎日ログインしている層」にあたります。

この層は、事業の安定を支える重要顧客であるだけでなく、プロダクト改善の有力な協力者にもなり得る存在です。なぜなら彼らはサービスへの理解度が高く、使いこなしが進んでいるので、改善案や新機能へのフィードバックがとても具体的。彼らがアクティブで居続けるほど、LTV(顧客生涯価値)も高まります。

ロイヤル層への具体施策

  1. 特別プランや限定機能の先行リリース

    • ロイヤルユーザーだけに新機能を試してもらい、感想や要望を集める

    • 彼らにとっての“特別感”を演出することで、さらにロイヤル度を高める

  2. コミュニティ形成やイベント

    • ロイヤルユーザー同士が交流できるコミュニティやオンラインイベントを企画

    • 深いフィードバックや口コミ拡散効果を狙う

  3. アップセル・クロスセル施策

    • ロイヤル層は追加の支払いに前向きなケースが多い

    • より高度な機能や関連商品のレコメンドでLTVを底上げ

ロイヤルユーザー施策を考える際は、こちらの記事も参考になります。

7. 休眠ユーザー・ライトユーザーの掘り起こし

なぜ休眠化・ライト化が進むのか

RFM分析をすると、R(Recency)が高いユーザーばかりでなく、逆にRが低いユーザー(長らく使っていない)、あるいはFやMが著しく低い“ライトユーザー”セグメントもあぶり出されます。
これらの層が多いと、新規獲得はできていても定着していないとか、ユーザーが機能を使いこなせないまま離脱しているといったプロダクトの課題が浮かび上がります。

休眠ユーザー復活のための施策

まずは「なぜ使わなくなったのか」を定性調査やアンケートで深堀りするのが大切です。理由としては、

  • 競合サービスへの乗り換え

  • UIがわかりにくいまま放置

  • 料金プランが高い/価値が感じられない

  • アップデートの内容を理解していない

などが挙げられます。この原因を特定したら、以下のような対策を講じてみましょう。

  1. 期間限定の再体験キャンペーン

    • 無料トライアルやポイント付与で再度触ってもらうハードルを下げる

  2. 使い方をわかりやすくするチュートリアルの整備

    • ユーザーがつまずきやすい部分をサポート、FAQなどを強化

  3. 魅力的な新機能のアピール

    • 「最近こんな新機能をリリースしました」というアップデート情報を分かりやすく通知

  4. CS(カスタマーサクセス)との連携(特にBtoBの場合)

    • 顧客へのフォローアップを強化し、導入効果を再認識してもらう

これらを行ったうえで、もう一度RFMスコアを測定して、休眠層がどれくらい戻ってきたかをチェックすると、施策の成果が把握しやすいです。

8. 継続的なRFM分析運用と改善サイクル

RFMは一度きりではなく“定期的なモニタリング”が命

RFM分析の大きな利点は、定期的にスコアをアップデートしながら施策効果をトラッキングできることです。
たとえば月1回・四半期ごとなどの頻度で以下の流れを回すと、チーム全体でデータドリブンな改善サイクルを確立できます。

  1. データの更新・RFM再計算

    • 最新の購入履歴やログイン履歴をもとにスコアリングし直す

  2. スコア変動のチェック

    • ロイヤル層がどれだけ増減したか、離脱傾向がどの層に出ているかを確認

  3. 施策効果の検証

    • 実施したキャンペーンやUI改善が、RFMスコアに良い影響を与えたかどうかを分析

  4. 次アクションの検討

    • ロイヤル層への追加施策、休眠層への再アプローチなどをさらにブラッシュアップ

チーム内でRFM関連のダッシュボードを共有し、全員がユーザーのセグメント状況をリアルタイムに把握できる状態を作るとなお良いです。

9. 参考情報

10. 今日から実践できるアクション

  1. データ収集体制の見直し

    • RFM分析に必要な指標(最終利用日・購入履歴・課金額など)をどこで管理しているかを確認

    • システムがバラバラの場合はETLの仕組みを整備し、データの一元化を検討する

  2. RFMのスコア基準を暫定設定

    • 「Recencyを30日・60日・90日で区切る」「Frequencyを週あたり/月あたりの利用回数で見る」など、自社プロダクトに合わせて最初の基準を決める

    • まずはざっくりとした5段階で、ユーザー分布や売上構成が見えるかを試してみる

  3. ロイヤル層のインタビュー実施

    • RFMスコアが高いユーザーに直接ヒアリングして、なぜ頻繁に使っているのか、どの機能に価値を感じているのかを深掘りする

    • そのインサイトをもとに新機能開発やアップセル施策を考える

  4. ライト・休眠層への再アプローチ施策

    • 休眠・ライト層が離脱した理由を調査し、機能チュートリアルやキャンペーン、アップデート周知などを実施

    • 一定期間後にRFMを再計測し、改善度合いをモニタリング

11. Q&A

Q1: RFM分析とコホート分析を同時に行う意義は?

A1:
大いにあります。たとえばRFM分析でハイバリュー層を見つけたうえで、「この層はどの時期に獲得したユーザーが多いのか?」をコホート分析で検証できます。もし特定の月やチャネルで獲得したユーザーに優良顧客が多いなら、そこを重点的に強化する施策を打てます。

Q2: BtoBの長期契約型SaaSでもRFMは使えますか?

A2:
使えます。BtoBでは、月ごとのログイン回数(F)や契約更新(R)、あるいは**追加契約(M)**などで指標を置き換えられます。契約期間が長いほど最終利用日や頻度の定義を少し長めにとるなど、業態に合わせてカスタマイズしてみてください。

Q3: RFMスコアが平均的なユーザーが多くて、あまり差が出ません。どうすれば?

A3:
スコアリングの基準が適切でない可能性があります。区切りの数値(閾値)を再定義してみると、より差が出るかもしれません。あるいはRFMだけでなく“購入カテゴリ”や“利用機能の種類”など追加要素を絡めて、もう少し細分化したセグメントを作るのも一手です。

Q4: RFM分析でロイヤル層と判定されたユーザーなら、離脱リスクは低い?

A4:
相対的には低いですが、絶対的な保証にはなりません。市場の競争環境や価格変動、機能トラブルなどの外部・内部要因で、一気に離脱する可能性もあります。だからこそ継続的にRFMスコアをチェックして動向を追うことが大切です。

おわりに

RFM分析は、「ユーザーごとの直近利用状況」「どのくらい頻繁に利用しているか」「どれだけの金額を落としているか」という3つの観点で、ビジネスに貢献する大切な顧客層を明確にしてくれます。特にサブスク型プロダクトやECでは、既存顧客の離脱率を下げ、ロイヤル層をしっかり育てることが長期的な成長につながります。

一度スコアリングして終わりではなく、定期的にモニタリングする仕組みを作ることでPDCAを回しやすくなるので、ぜひチームで取り組んでみてください。僕自身も、RFM分析で見えた課題がきっかけでUIを大幅に改善したり、ロイヤルユーザーへのヒアリングで画期的なアイデアを発掘したりと、たくさんの恩恵を受けてきました。



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