2025年4月25日、PLAUD Inc.は都内で「PLAUD.AIメディアカンファレンス2025」を開催し、日本法人「PLAUD株式会社」が本格活動を開始した事、ビジネス向けの新プランの概要の紹介、PLAUD NotePinの標準版の発売とCarbide Venturesからの資金調達と多彩な発表がされた。
PLAUD.AI初となる製品である『PLAUD NOTE』。スマートフォンの裏に収納することで通話録音にも対応する

2024年に発売された『PLAUD NotePin(限定版)』。マグネットピン、クリップ、ネックレスと手首バンドタイプの装着が可能だ

2024年4月下旬より販売が開始された『PLAUD NotePin(通常版)』。価格がPLAUD NOTEと同じになり、ネックレスと手首バンドが省略された(オプション購入可能)

実店舗販売用什器。現在280店舗以上で展示販売され、オンラインはAmazon.co.jpやPLAUD.AIでも購入可能

冒頭にはPLAUD Inc.共同創業者兼CEOとPLAUD株式会社の代表取締役を務めるNathan Xu氏が挨拶
2021年に前身となるNiceBuild LLCを発足し、2023年に最初の製品となる『PLAUD NOTE』を発売開始、2024年は第2弾の製品となる『PLAUD NotePinを発売開始した』。これまで2年連続で10倍以上の成長と100倍を超える成長となり、ユーザー数も70万人を突破。スタートアップ企業として順調な成長を遂げていることを強調した。

今後も含むビジネスプラットフォーム。エンタープライズソリューションは今年日本でも展開し、開発者向けのAPI/SDKは現在開発中

スタートアップとして順調な滑り出しで、最初の製品投入から「1年で10倍」を2年連続で達成。ユーザー数は世界で70万超となっている
2025年4月からは渋谷ヒカリエに日本オフィスを開設し、本格的な日本法人の業務を行い、従来はNiceBuild LLCが展開していた日本市場の事業を取り扱うと説明した。
グローバル企業の友人から日本での成功率は高いと聞いているほか、単に日本を市場として捉えるのではなく、日本の優秀な人材を雇用する、日本の企業や大学と技術的なパートナーシップを築くなど日本のコミュニティに貢献する方法を模索しているという。
日本法人の展開と今後の戦略に関してはPLAUD株式会社 Country MagagerのWatson.Zhang氏が説明した。2024年12月の売り上げは1月の21倍と大きく伸ばし、日本での実店舗取り扱いも280を超えたという。

PLAUD株式会社 Country MagagerのWatson.Zhang氏

日本市場では昨年度の売り上げが21倍、実店舗での販売も280店を突破している。Q2でAmazon.co.jpでの取り扱いの影響、Q4はブラックフライデーやサイバーマンデーでのセールの結果売り上げを大きく伸ばした。2024年度のPLAUD.AIの売り上げのトップは米国市場だが、日本はNo.2の販売台数となっておりユーザーアカウントも約8万人とユーザー数の10%超となっていることを解説した。

世界市場の過半数が米国だが、EU市場を押さえて日本が第二の地域となっている。アカウント数も約8万人
日本市場では現在B2Cとして使われているPLAUD.AI以外に企業向けのソリューションとしてPLAUD for Business、複数台を一括管理した新しいビジネスモデルに挑戦する。

今年は従来からのB2C向けに加えてB2BとなるPLAUD for Businessにも挑戦
追加の説明をSales Directorの鈴木 直幸氏が説明した。

現在PLAUD製品は『PLAUD NOTE(2万7500円)』と『PLAUD NotePin(限定版・2万8600円)だったが2025年4月よりアクセサリを絞って価格を抑えた『PLAUD NotePin (通常版・27500円)を投入。限定版は在庫限りとなる。

現在の製品ラインナップ。『PLAUD NotePin』に通常版が入り限定版は在庫限りとなる
PLAUD.AIは毎日の業務効率を上げる個人向けのツールとしての位置づけだったが、『PLAUD for Business』は複数デバイスの一括管理、カスタマイズ可能な用語集とテンプレート、エージェントワークフローとチームコラボレーションと利用状況の分析が可能なツールで提供されるが、用語集やテンプレートなどカスタマイズ項目も多く、価格は営業との問い合わせとなるという。ちなみにデバイスも買い切りではなくサブスクリプションモデルとしての提供も予定している。

PLAUDデバイスを活用し、一括管理・請求に対応。また、カスタマイズできる用語集とテンプレートでチームの効率を上げるPLAUD for Businessが今年提供開始。価格は応相談
セキュリティに関してはすでにSOC 2認証とHIPPA規制の完全準拠を達成しており、今年はISO27001認証を取得予定。システムはAWS上で動いている。一方、日本のエンタープライズの中には「データを海外に出したくない」という声の理解はあるが、現在AWSの日本リージョン内にデータが置かれるようなオプションはないという。

セキュリティ対応は現在SOC 2認証とHIPPA規制完全準拠。今年中にISO27001認証を取得予定。システムはAWS上に構築されていることが明らかにされたが、現在は日本リージョンを使用していない
ジャーナリストとして手放せない存在
発表会ではゲストとしてタレント、農政ジャーナリストの大桃美代子氏が登壇。実際に使っているユーザーとしての声を紹介した。

ゲストとしてタレント、農政ジャーナリストの大桃美代子氏が登壇。お話を伺う限りヘビーに使いこなしているという
元々海外のイベントの記事で使える製品を探していたところ『PLAUD NOTE』と出会ったそうだが、当時のバージョンは翻訳機能がなく、文字起こしのデータをDeepLに入れて翻訳して利用していたという。それでも要約機能とマインドマップ機能が優れているため、当日中に記事を作成することができ、他のジャーナリストから驚かれたというエピソードを紹介していた。
取材後、大桃氏に「初めての人に『PLAUD NOTE』と『PLAUD NotePin』のどちらを勧めるか?」と伺ったところ「開始ボタンに押しごたえがあってわかりやすい『PLAUD NOTE』を勧めたいが、一方接続ケーブルが専用のものなので改善してもらえれば。できれば汎用性の高いケーブルになるとありがたい」と語っていた。日本法人を本格始動していくなかでユーザーの声もより反映されていくことだろう。今後の同社に展開に要注目だ。
ライター歴30年超の雑食系テクニカルライター。元々はパソコン誌で書き出していたが、その後は情報セキュリティ系に大きくシフト。そして現在はテクノロジー関係を何でもで、半導体やエンタープライズ、果てはゲーミングまでと幅広く取材をこなす。
編集部の感想:
PLAUD株式会社の日本法人設立は、日本のテクノロジー市場に新たな風を吹き込む期待感があります。特に、B2Bソリューション展開を通じて企業向けのニーズを捉え、さらなる成長が見込まれる点が魅力的です。また、日本のコミュニティへの貢献に積極的な姿勢も好感が持て、今後の進展が楽しみです。
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