5月3~9日
先週のトップニュースは、NTTが「日本電信電話株式会社」から「NTT株式会社」に社名変更したことだった。通称を正式名称に変えたということだ。
同社の事業実態は何年も前から、「電信」「電話」を超えていたが、NTT法により社名が「日本電信電話株式会社」に限定されていた。2024年の改正により、ようやく社名を変えることができたようだ。
記者会見では「長年親しまれた社名が変わることに感慨はあるか」と問われた島田明社長が「全く寂しくない」と回答したことも話題になった。
令和の現代、NTTが「日本電信電話」という社名だったことを知っている人こそ少数派だろう。もはや「親しまれている」とも言いがたく「知られている通称と社名が同じになってスッキリした」という感覚だろうか。
このニュースで思いだしたのがNECだ。NECの正式な社名は「日本電気株式会社」。創立の1899年から、一時期を除いて変わっていない(1943年~45年は「住友通信工業株式会社」だった)。……が、NTT=日本電信電話と同様に、日本電気という名はちょっと古くさく、事業実態から離れている。
NECは、家電やPCでブランド認知を広げたものの、現在は家電から撤退。B2Bの社会インフラ・ITソリューション企業になっており、「日本電気」という名称とはだいぶイメージが違う。
だが今のところ、NECが日本電気の社名を捨てるといううわさは聞かない。NTTと違い、法律で社名を規定されているわけではなく、経営陣が変えようと思えば変えられるはず。「変更の必要はない」と判断しているのだろう。
ちなみにNTTは英語名だと「Nippon Telegraph and Telephone」、つまり「日本の電信電話」というそのまんまの名前だった。海外で事業実態が伝わりにくく、島田社長も海外出張時、違和感があったと話していた。今回、英語名も「NTT.Inc.」に変わるため、英語名でも「電信」「電話」と離れることができる。
NECの場合、英語名は「NEC Corporation」であり、「日本」も「電気」も入っていない。1980年代に「Nippon Electric Company, Limited」から変更しており、英語では「日本の電気会社」というイメージから脱却済み。NTTのケースと違い、海外で事業実態が誤解されるケースは少なそうだ。
そうした背景もあり、NECは、100年を超える伝統の社名をいまさら変えることにメリットがない、と判断しているのかもしれない。
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