QualcommはCOMPUTEX TAIPEI 2025で、推論向けボード「Qualcomm AI 100」を搭載した「Dell Pro Max Plus」の展示を行なった。この製品は5月19日の「Dell Technologies World」で発表されたもので、Qualcomm AI 100で450TOPS以上(INT8演算時)のAI推論性能を実現しているという。
450TOPSの「Qualcomm AI 100」を搭載しAI推論に特化した「Dell Pro Max Plus」
今回Qualcommが同社のデモ会場で展示したのは、Dellの「Dell Pro Max Plus」だ。「Dell AI Factory」というAIを実行するハードウェア群の新製品で、推論用の高速な処理を行なえるコンピュータと言える。Qualcommの外付けNPU(dNPU)となるQualcomm AI 100を内蔵していることが特徴となる。
Qualcomm AI 100は、1つのシリコンで16基のAIコアを備えている外付NPUを2つ搭載しており、1つのNPUに32GBで合計64GBのDRAM(270GB/sのメモリ帯域)が積まれている。これにより、INT8による演算時で450TOPS以上のAI推論性能を実現している。
ただし、消費電力はボード全体で80Wに達しており、性能は高いが消費電力が外付GPU並みということになる。つまり、外付GPUを搭載してAIにも活用するという発想ではなくて、最初からAI推論に特化して外付NPUを採用した製品ということになる。
ノートPCのスペックなどは発表されていないが、CPUはx86プロセッサとのことで、Snapdragon XシリーズのようなArmではないという。ワークステーション向けのプロ用ソフトウェアではArmネイティブ版がないものが多くを占めるからだろう。Dellによれば年内に提供開始予定とのことだ
🧠 編集部の感想:
「Dell Pro Max Plus」の登場は、外付けNPUの新たな可能性を示しています。450TOPSのAI推論性能は、特にデータセンターや研究開発において強力な武器になるでしょう。しかし、80Wの消費電力は課題であり、効率的な運用方法が求められます。
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