Nintendo Switch 2版「ストリートファイター6」と「祇（くにつがみ）：Path of the Goddess」を先行試遊。ハードの特性を生かした新しい遊びが追加に

　任天堂の新ハードNintendo Switch 2が2025年6月5日に発売を迎える。今回，カプコンがSwitch 2と同時に発売する「ストリートファイター6」と「祇：Path of the Goddess」を先行試遊してきたので，その内容をお届けする。基本的なつくりはそのままに，Switch 2ならではの新要素が追加されていた。

ストリートファイター6

　ストリートファイター6は，2023年6月に発売された「ストリートファイター」シリーズのナンバリング最新作で，現在も定期的にアップデートされており，多くのプレイヤーに愛され続けている。
　Switch 2版では，他機種版と同様にオフライン対戦，オンライン対戦が楽しめるほか，Switch 2の機能を生かしたローカル通信対戦やおすそ分けプレイにも対応している。

基本的な遊びは他機種版と変わらない。Switch 2のハードスペックを生かした美しい映像で，ストリートファイター6を楽しめる

　さらにSwitch 2版には，Joy-Con 2を使った新しいゲームモード「ジャイロバトル」と「カロリーコンテスト」が収録されている。
　これらのゲームモードでは，Joy-Con 2を傾けると移動，振ると攻撃，回すとスーパーアーツが発動，といったジャイロ機能を生かした操作で対戦を楽しめる。細かい動きを制御できないので，初心者から上級者までカジュアルに遊べるゲームモードといえるだろう。

ジャイロバトルの操作方法

　ただ「ジャイロバトル」は，Joy-Con 2をより勢いよく振り回した側が必ず勝つというゲーム内容にはなっていないところが面白いところ。ドライブインパクトやドライブパリィは任意のタイミングで出せるため，意外と対応型のプレイヤーが強いのかもしれない。また，Joy-Con 2を振り回しての攻撃は，距離や状況によって変化するため，相手との間合い調整が勝敗を分ける要素になるかも。

Joy-Con 2を振ると出る技，移動手段は状況に応じて変化

打撃だけでなく適度に投げも混ざるため，防御を固めた相手にも対応可能

　そしてジャイロ機能による操作をより深くゲーム内容に組み込んだのが，「カロリーコンテスト」だ。こちらではJoy-Con 2を振り回して技を出し，ヒットすれば「カロリーを消費した」と判定され，体力ゲージの代わりに表示されているカロリーゲージが蓄積されていく。このゲージを試合終了までにより多く溜めた側のプレイヤーが勝者となる。

カロリーコンテストは1試合60カウント。残り15カウントを切るとクランチタイムへと突入し，ゲージがマスクされるため，どちらが優勢か分からなくなる

　防御的な行動も強いジャイロバトルと違い，カロリーコンテストにはドライブパリィがなく，また制限時間いっぱいまでJoy-Con 2を振ってカロリーを消費することが目的のゲームモードなため，KO負けも存在しない。
　
　そのため，基本的にはひたすらに攻撃を仕掛け続けたほうが「正解」のように感じられたが，ここで問題になるのがプレイヤー自身の体力だ。1試合60カウントをとおして，ずっとJoy-Con 2を振り続けるのはかなり大変で，その名のとおり，カロリーが消費されるゲーム性となっていた。
　ジャイロバトルとカロリーコンテストは，比較的カジュアル層向けのライトな遊びのようだが，どのキャラクターを選ぶかも含めて，意外と競技性も内包されているように感じられた。大型大会のサイドトーナメントなどで開催されても面白いかもしれない。

カロリーコンテストの1試合は短いようで長い。スーパーアーツといった演出が長い技を当てた際に休憩を取りたい

祇（くにつがみ）：Path of the Goddess

　祇（くにつがみ）：Path of the Goddessは，カプコンの完全新作として2024年に発売されたタイトルだ。「神楽戦略活劇」と銘打たれた作品で，独創的な和の世界，神が住まうという「禍福山」を舞台に，山の巫女の護人「宗」となって，魑魅魍魎と戦い，穢れを祓っていく。
　プレイヤーキャラの宗による剣と舞を組み合わせたアクションと，共に戦う村人に指示を出すタワーディフェンスの要素が融合したゲーム性で，本作ならではの独自性の高い戦略的なバトルを楽しめる。

　Switch 2版では，通常の操作だけでなく，右手側のJoy-Con 2をマウスのように扱う操作形態にも対応している。慣れないうちは，覚えるまで大変かも？　と思ったが，村人の配置などをすばやく直感的にできるし，使うボタンもあまり多くないので思ったよりもすんなり扱えた印象だ。
　攻撃と移動に使うボタンがはっきり分かれ，カメラの調整にスティック操作が必要なくなるため，PCでのゲームプレイに慣れている人は，通常操作よりもマウス操作のほうが使いやすいかもしれない。

操作感はマウスに近い新しい操作形態。意外とこれは遊びやすいかも

　また，今回の試遊では，エクストラコンテンツの「畏界遷宮（いかいせんぐう）」も楽しめた。こちらはSwitch 2版の発売に合わせて全機種向けに無料配信される。
　ゲーム本編を1度クリアしたプレイヤーに向けた，戦闘に特化したゲームモードで，いわゆる上級者向けの腕試し的な立ち位置の遊びとなっている。

　基本的なサイクルは本編と変わらないが，戦いの準備を整える昼のフェイズが大幅に短縮され，戦いを行う夜のフェイズが激化しているため，プレイヤーはより戦略的に攻略していかなければならない。
　村人の転職や仕掛けの修復に限られたリソースとなる「結晶」を使うため，どのように割り振るかはプレイヤーの腕の見せどころとなる。また，ウェーブをクリアするたびにもらえる報酬はランダムなので，プレイするたびに異なる戦略を構築する必要が出てくる。

　護るべき巫女の「世代」の体力が回復しないのも本モードの難しさを加速させている。ステージごとに設けられたチャレンジなどもあり，歯ごたえは十分。本編をクリアして，まだまだ遊び足りないという人はぜひやり込んでハイスコアを目指してほしい。

敵も味方も最初から戦力が充実しており，開幕から激しい戦いが展開される畏界遷宮

限られたリソースをどのように割り振るかが攻略の鍵となる

「ストリートファイター6」公式サイト

「祇：Path of the Goddess」公式サイト