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概要
Nebius Groupは、最近の決算報告を通じて、急成長中のAIインフラ企業として注目されています。生成AIの時代において、データセンターの拡張に力を入れ、NVIDIAの支援を受けながら市場での地位を確立しつつあります。この記事では、Nebiusの最新の決算内容や成長シナリオについて詳しく分析しています。
要約
- AI革命の進行: 2025年に向けて、AIサービスの利用が増加し、AIインフラが進化。
- Nebiusの成長: 18か月前は「小規模クラウド」と見なされていたが、急成長を遂げ、AIインフラの主要プレーヤーに。
- 決算結果: Q1 2025の売上高は予想を下回るも、調整後EBITDAの赤字幅が縮小。
- ARRの重要性: Nebiusのビジネスモデルは「継続課金」であり、ARRが売上成長の指標となる。
- ガイダンス維持: 2025年末のARRについて、CEOは保守的ながらも楽観的な見通しを示す。
- インフラ拡張戦略: 最新GPUの確保を優先し、次世代チップの導入が予想される。
- NVIDIAとの提携: 戦略的パートナーシップにより、GPU供給における競争優位を確保。
2025年、生成AIの登場から始まったAI革命は Agentic AI 時代に入り、AIインフラは巨大なLLMモデルを学習するためだけの目的でなく、大きく広がったAIサービス利用者の推論処理を裁くための情報産業の基盤インフラへと進化を続けている。
その中で、NVIDIA H200/B200 GPU に代表されるAIチップを搭載したAIサーバーが世界中のデータセンターに拡大し、あらゆる国・地域でAIファクトリーが生まれつつある。膨大な電力消費を伴いながらも、それが近未来の情報産業の根幹になっていくことは、もはや疑いようがない。
本記事で取り上げるNebius Group(NASDAQ: NBIS)は、わずか18か月前までは「北欧の小規模クラウド」と見なされていたが、現在はNVIDIA出資のもと世界最速級のデータセンター拡張を進め、“AIインフラのダークホース”、“AIインフラ時代のAWS候補”と呼ばれるまでになった。2025年5月に発表されたQ1決算では、その全貌が具体的な数字として鮮明に示された。
本記事を読んでいただければ、「なるほど、Nebiusという企業は確かにAIインフラ競争の中でダークホースとなる存在かもしれない」と思っていただけるかもしれない。それでは早速、順を追って見ていこう。
1. Q1 2025決算ハイライト
1.1 ARR が示す指数関数的な伸び
概要から解説すると、四半期ベースの売上高は市場予想(57.7M USD)をやや下回ったが、調整後EBITDAの赤字幅が縮小 し、EPSも▲0.39 USDと想定より良化した。
ただし、Nebiusの決算を読み解く上で重要なのは、Nebiusのビジネスモデルが「継続課金(ロックイン契約)」主体だという点だ。つまり、ARR(年間経常収益)が、今後の売上成長や利益率を見るための先行指標になる。以下のように実際のARRの数値を見ると予想を上回る非常に高い伸びを示している。
経営陣は2025年末のARRガイダンス「7.5億~10億USD」を据え置いているが、4月末時点で下限の41%をすでに満たすレベルの数値となる。単純計算で四半期ごとに+2~2.5億USD積み上げれば、年末に9億USDを超える可能性は十分にある。

1.2 ガイダンス維持の意味
CEOのArkady Volozh氏は「保守的に見積もっても、今年は既存の大型契約や新規導入案件が稼働することで、下限(7.5億USD)は確実だろう」と述べている。しかも、早期にBlackwell世代GPUが本格稼働した場合、ARRがガイダンス上限(10億USD)に迫るシナリオが現実味を帯びる。
ポイントとしては、短期売上のアップダウンに一喜一憂するのではなく、ARRの成長トレンドがどこまで続くかに注目する必要がある。既存のロックイン契約が少なくとも12か月の利用を前提とするため、一度契約した顧客は途中解約するインセンティブが低い。
2. インフラ拡張──GPUとメガワットの“二刀流”戦略
2.1 GPUロードマップ
NebiusはAIインフラのAWSを目指すうえで、最新GPUの優先確保を最重要課題としている。現状はH100/H200を中心に2.8万GPUを運用しているが、2025年Q2以降にB200(Blackwellアーキテクチャ)を順次導入する予定だ。さらに年末にはGrace + Blackwell Ultraと呼ばれる次世代の超ハイエンドチップも投入される見込みである。

NVIDIA Reference Platform Cloud Partnerに選定されているため、Blackwell Ultraの優先割当枠を確保済みであり、この「GPU争奪戦を回避できる」点が、Nebiusにとって大きな競争優位となる。
GPUの供給不足はAIクラウド事業者にとって死活問題だが、NebiusはNVIDIAとの戦略的パートナーシップを背景に、最先端GPUを大量に調達する道筋を持っている。
2.2 NVIDIA とのパートナーシップ
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