CPU、GPUともに最新世代のモデルがほぼ出そろった2025年春。新生活に向けてPCを新調するには良いタイミングだ。ビデオカードも2024年末は極端な品薄だったが、現在は徐々に好みのモデルが選べるようになりつつある。

 この好機をいかすべく、今回はMSI製のPCパーツでほぼ統一したゲーミングPCを構築。Core Ultra 200S世代の環境をベースにGeForce RTX 5070を組み合わせ、ミドルハイの性能を目指しつつピラーレスケースを使用して見た目にもこだわった。これからPCの新調を検討しているユーザーはぜひ参考にしてほしい。

MSIのパーツで自作する最新鋭ゲーミングPC

 今回自作するゲーミングPCは、Intel最新の20コアCPU「インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 265K」とNVIDIAのハイミドル級GPU「GeForce RTX 5070」を組み合わせたもの。WQHD/1440p解像度をメインに、ゲームによっては4K/2160p解像度もターゲットになるパフォーマンスの構成だ。

 PCを組む際は、デザインの統一性やイルミネーションの連携などを考慮して、同一メーカーのPCパーツで揃えたいという人も多いだろう。今回は性能だけでなくルックスにもこだわり、使用するパーツはなるべくMSIの製品で揃えた。

 なお、MSIの最新PCパーツは、自作PCを容易にするユーザーフレンドリー設計「EZ DIY」の推進や、最新世代のマザーボードに3年間、ビデオカードにも2年間の長期製品保証を付与するなど、最近のMSIは特に自作PCへの支援を強化している。初自作や久しぶりの自作にも勧めやすいメーカーのひとつだ。

MSI製パーツを中心に最新鋭のハイスペックゲーミングPCの自作に挑戦する

 パーツ構成は以下の表のとおりで、マザーボード、ビデオカード、SSD、CPUクーラー、電源ユニット、そしてPCケースの6製品にMSI製パーツを採用した。組み立てる前に、これら6製品の特長を簡単に紹介しよう。

マザーボード「MSI MAG B860M MORTAR WIFI」

 Intel B860チップセット搭載マザーボード「MSI MAG B860M MORTAR WIFI」は、microATX規格でIntel Core Ultra 200Sシリーズ向けのLGA1851ソケットを備えるモデル。3年間の長期保証が付帯するのも特徴だ。

 ミドルクラスのモデルではあるが、Thunderbolt 4やWi-Fi 7といった新機軸を取り入れた高機能なマザーボード。ツールレスかつユーザーフレンドリーなEZ DIY機能を複数導入し、CPUを固定するLGA1851ソケットには固定圧力によるCPUの変形を抑制するRL-ILMも採用している。

EZ DIY機能や先進的なインターフェイスを搭載するB860搭載microATXマザーボード「MSI MAG B860M MORTAR WIFI」

CPUソケットには固定圧力によるCPUの変形を抑制するRL-ILMを採用

ビデオカード「MSI GeForce RTX 5070 12G GAMING TRIO OC」

 ビデオカードのMSI GeForce RTX 5070 12G GAMING TRIO OC(型番G5070-12GTC)は、NVIDIAの最新ハイミドルGPU「GeForce RTX 5070」と12GBのGDDR7メモリを搭載したモデル。GPUクーラーはMSI独自設計で空冷の「TRI FROZR 4」を採用している。

 ビデオカードの保証期間を1年間としているメーカーが少なくないが、このモデルは2年間の製品保証が付与されている。10万円を超えるビデカードは安い買い物ではないので、サポート面の良さが購入時のポイントになることもあるだろう。

オリジナルGPUクーラー「TRI FROZR 4」を備えるMSI GeForce RTX 5070 12G GAMING TRIO OC

裏面にはドラゴンの意匠が印象的なバックプレートを装備。補助電源コネクタは16ピン(300W)

SSD「MSI SPATIUM M560 2TB」

 SSDに採用したのは、MSI SPATIUM M560の2TBモデル。インターフェイスにPCIe 5.0 x4を採用し、最大で10GB/sを超えるリード性能を備えている。

 ヒートシンク非搭載モデルなので、マザーボードのM.2スロットに用意されているSSD用ヒートシンクを使用できる。冷却性能を高めるために大型ヒートシンクを搭載した状態で販売されるSSDも珍しくないが、マザーボードのビジュアルを活かすのであればヒートシンク非搭載のSSDを選びたいところだ。

PCIe 5.0対応SSD「MSI SPATIUM M560」の2TBモデル

マザーボードのヒートシンクと組み合わせて使用するモデルで、速度は10GB/sクラス

CPUクーラー「MSI MAG CORELIQUID E240」

 MSIのMAG CORELIQUID E240は、240mmサイズのラジエーターを備えたオールインワン水冷クーラー。LGA1851をはじめとする最新プラットフォームに対応している。

 銅製のベースプレートを採用する水冷ヘッドや冷却ファンにRGB LEDを搭載。単にCPUを冷却するだけでなく、マザーボードなどのARGBヘッダーに接続すればLEDイルミネーションを楽しむこともできる。

240mmオールインワン水冷クーラー「MSI MAG CORELIQUID E240」

CPUと接触するベースプレートは銅製

電源「MSI MPG A850GS PCIE5」

 MSI MPG A850GS PCIE5は、ATX 3.1規格に準拠した容量850Wの80PLUS Gold認証電源。PCIe 5.1に準拠する16ピンコネクタ(12V-2×6)を備えており、1つのコネクタで最大600Wの電力をビデオカードに供給できる。

 なお、16ピンコネクタは先端部分が黄色で色分けされており、不具合や故障の原因となるコネクタの挿し込み不足を視認しやすくなっている。

850W電源「MSI MPG A850GS PCIE5」。ATX 3.1に準拠しているほか、80PLUS Gold認証を取得している

PCIe 5.1準拠の600W対応16ピンコネクタ(12V-2×6)を標準で搭載。コネクタの先端は接続不良対策で黄色く色分けされている

PCケース「MSI MAG PANO M100R PZ」

 MSI MAG PANO M100R PZは、3枚の強化ガラスパネルを備えるピラーレス設計のmicroATX対応PCケース。白と黒のカラーバリエーションが展開されており、今回使用する黒モデルは15,000円弱から購入できる。

 対応マザーボードがmicroATXまでである点に注意する必要はあるが、内装を楽しめるピラーレス設計に加え、標準で4基のARGB LED付きケースファンを搭載しており、ビジュアルとコストパフォーマンスの両面で優れた一台だ。

前面と左側面に強化ガラスパネルを採用したピラーレス設計のPCケース「MSI MAG PANO M100R PZ」

右側面は通気口を設けた金属パネルを採用。4基のARGBファンを標準搭載しているため、標準状態でも効果的なエアフローが構築されている

CPU「Intel Core Ultra 7 265K」/メモリ「Crucial CT16G64C52CU5」

 CPUはIntelのCore Ultra 7 265Kを用意。8Pコア+12Eコアの20スレッドCPUで、Intel製CPUでは現在定番となっているモデルだ。

 メモリはCrucialのCT16G64C52CU5を選択。DDR5-6400に定格で対応したCUDIMMで、容量16GBのモデルを2枚使用している。

最新ゲームも快適なパフォーマンスDLSS 4対応タイトルでは超高フレームレート環境を実現可能に

 MSI製パーツを中心にCore Ultra 7 265KとGeForce RTX 5070の組み合わせで完成した最新鋭のゲーミングPC。その性能が如何ほどのものなのか、実際にゲームをプレイして確認してみた。

 今回プレイしたゲームは「モンスターハンターワイルズ」、「アサシン クリード シャドウズ」、「サイバーパンク2077」の3本。

モンスターハンターワイルズ

 モンスターハンターワイルズでは、描画プリセットを最高の「ウルトラ」、フレーム生成を「オン(DLSS)」、レイトレーシングを「高」にそれぞれ設定し、フルHD/1080p、WQHD/1440p、4K/2160pの3解像度でフレームレートを計測した。なお、16GB以上のVRAM容量が必要な高解像度テクスチャパックは導入していない。

 各画面解像度で計測された平均フレームレートは、フルHD/1080pが93.0fps、WQHD/1440pが81.1fps、4K/2160pは58.2fps。4K/2160pはフレーム生成有効でも60fpsを割っているが、WQHD/1440p以下は快適にプレイ可能なだけのフレームレートを得ることができた。

アサシン クリード シャドウズ

 アサシン クリード シャドウズでは、描画プリセットを「最高」、レイトレーシングを「全体的に拡散+反射」、フレーム生成と超解像を「DLSS」にそれぞれ設定し、ゲーム内ベンチマークを実行して平均フレームレートを計測した。

 各画面解像度で計測された平均フレームレートは、フルHD/1080pが92fps、WQHD/1440pが85fps、4K/2160pは79fps。実際に4K/2160pでゲーム序盤をプレイしてみたが、特に問題なくプレイすることができた。

サイバーパンク2077

 サイバーパンク2077では、描画プリセットを最高の「レイトレーシング:オーバードライブ」に設定し、GeForce RTX 50シリーズがフル対応する「DLSS 4」による超解像とマルチフレーム生成を有効にした状態でゲーム内ベンチマークを実行。平均フレームレートを計測した。

 マルチフレーム生成「4x」モードにて各画面解像度で計測された平均フレームレートは、フルHD/1080pが227.26fps、WQHD/1440pが153.08fps、4K/2160pは121.16fps。このように、GPU負荷の高いタイトルであっても、DLSS 4のマルチフレーム生成に対応していれば非常に高いフレームレートを実現可能だ。

長時間のゲームプレイでも優れた放熱性で安定動作を実現

 今回組んだゲーミングPCの冷却性能が十分なものなのか確かめるべく、モンスターハンターワイルズ ベンチマークを描画プリセット「ウルトラ」のWQHD/1440pでテストをループ実行し、HWiNFO64でモニタリングデータを取得した。

 テスト中のCPUやGPUの負荷が変動するため、CPUクロックや消費電力が負荷に応じて変動しているが、動作温度はいずれも温度リミットまで十分に余裕のある温度を保っており、時間経過による温度上昇なども見られない。これは今回組み立てたゲーミングPCの冷却システムが十分な性能を有していることを示すものだ。

 ファンスピードも比較的低い回転数を維持しているため、動作音に関してもパフォーマンスの割には小さい印象だ。テスト時のファン制御はマザーボードやビデオカードの標準設定を適用しているが、温度には十分な余裕があるので手動制御でさらなる静音化を狙うこともできそうだ。

最新ゲームもかなり快適な今時にミドルハイ構成のゲーミングPC組みやすくなったMSIのPCパーツ

 MSI製パーツを使ってCore Ultra 7 265KとGeForce RTX 5070を組み合わせた今回のゲーミングPCは、最新の話題作はもちろん、DLSS 4に対応したタイトルで優れたパフォーマンスを発揮した。見た目もオールMSIとデザイン的な統一感もあるなかなかの仕上がりだ。

 配線すら不要で完全ツールレスとまではいかないが、「EZ DIY」設計の導入でMSIのPCパーツはだいぶ組みやすくなっている。ストレージの接続に信号ケーブルと電源ケーブルを接続したり、パーツの取り付けに複数個所ネジ止めしたりしていた時代と比べると、現代の自作PCはずっと簡単かつきれいに組み立てられる。

 今年の春は久々に新型PCパーツが揃っているタイミングでもあるので、新生活シーズンにPCの自作にチャレンジしてみてはいかがだろうか。



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