最近は、毎週のようにAIに関連した分野のビッグプレイヤーから、重要なアップデートが発表されます。
どの企業も先頭に立とうとしていますから、新機能はライバルにすぐにコピーされてしまいます。
今回はMicrosoft Copilotが追い上げる番で、Microsoftがテストしてきた機能や、ほかのAIチャットボットに導入された機能をたくさん追加しようとしています。
たとえば、Copilotには他のDeep Researchツールに匹敵するDeep Research機能が加わり、Copilot Searchもアップグレードされています。
MicrosoftはAIがホストするポッドキャスト生成ツールもロールアウトしましたが、このツールは競合サービスでは以前から提供されていたものです。
見るものはたくさんありますので、新機能を順に説明していきましょう。
アップデートはまだ発表されただけで、ロールアウトは「プラットフォームやマーケット、言語」に応じて「今後数週間から数カ月」に行われます。
この記事を書いている時点では、Copilot Search以外はアクセスしたり、試してみたりすることはできませんが、Microsoftから得られた情報をすべてお話したいと思います。
1. もう同じことを言う必要なし:Copilot Memory
Copilotはユーザーの情報をもっと記憶し、その情報に基づいてパーソナライズされた回答ができるようになります。
プライバシーは少し損なわれてしまいますが、その代わり、利便性が少し向上します。
たとえば、マッシュルームが嫌いだと分かっていれば、AIボットがマッシュルームを使ったメニューを提案してくることはありません。去年の結婚記念日に何をプレゼントしたかを覚えておいてくれるので、同じ物をまた買ってしまうこともなくなります。
GeminiやChatGPTにも同じような機能が存在しますが、どのくらいの個人情報をAIと共有することになるのかと疑問に思うかもしれません。
Microsoftによれば、プライバシーに関連する選択肢はすべてCopilotダッシュボードに表示され、「どのタイプの情報を記憶させるかを選ぶことも、すべて対象外とすることも」できるとしています。
2. AIエージェントに参入:Copilot Actions
CopilotもAIエージェントに仲間入りしました。
AIエージェントとは、ホテルを予約する、友人への贈り物を買うなどのタスクを代わりにやってくれるボットのことです(もっとも、贈り物を買うという作業をAIにやってもらうことほど、あなたの気遣いを友人に示せる方法はありませんが)。
この機能はCopilot Actionsと呼ばれており、初期のパートナーとして参加しているのは、1-800-Flowers.com、Booking.com、Expedia、Kayak、OpenTable、Priceline、Tripadvisor、Skyscanner、Viator、Vrboです。
この機能はオートフィルの手の込んだアップデート版のようなもので、たとえばCopilotにいつ、どこに宿泊する予定なのかを伝えると、ホテルのウェブサイトに(住所や支払い情報などを含む)必要事項がすべて自動で入力されます。
OperaのBrowser OperatorのようなほかのAIエージェントと同じく、とても便利に使えるようになる可能性を秘めていますが、まったく間違った動作をしてしまうこともあります。
3. リアルタイム画像認識をアプリでも:Copilot Vision
Copilot Visionはまったく新しい機能というわけではなく、昨年からウェブ上では使えるようになっていました。しかし、今回はWindowsやAndroid、iOSで利用できるアプリとして登場します。
端末のカメラを何かに向けるとCopilotがそれを識別し、質問に答えてもらうことができます。つまり、AIがユーザーと一緒に周囲の世界を見られるようになるのです。
AIツールによる画像や写真の内容の特定は以前から可能でしたが、Copilot Visionではリアルタイムの処理と解析が可能になりました。
Windows用のCopilotアプリではコンピュータの画面上のあらゆるものに対して同様の分析をおこない、必要に応じてファイルを操作し、アプリと連携できるようになります。

4. プロジェクト化にピッタリ:Copilot Pages
Copilot CanvasはChatGPT CanvasとChatGPT Projectsを組み合わせたようなもの、あるいはNotionアプリのようなもので、ばらばらのアイデアやメモを1つのハブにまとめるスペースとなります。
コンテンツの作成、アイデアの探求、研究プロジェクトの実行に便利に使えると思います。
こちらもまったくの新機能というわけではなく、Microsoft 365 Copilotに契約している法人顧客は以前から、ほかの人と協力して作業をおこなう時などにAI機能が追加された巨大なGoogle ドキュメントファイルのように利用できました。
今回のロールアウトで個人ユーザーもこの機能が使えるようになります。