ありがたいことにシアトル現地でのMS Buildに参加する機会を頂きました!
現地の様子&セッションレポはせっせとXで投稿してましたが、流れないようにこちらにまとめました。
※内容は私が現地で一生懸命リスニングした内容をベースに書いてるので若干違うよってのがあったらコメントで教えて頂けるとうれしいです。
朝ごはんが提供されてました。スタバのコーヒーが飲めるスペースがたくさんあって朝ごはんではこんな感じでフルーツサラダとバナナブレッドが提供されました。なかなか美味しかった。
MVPとRDの名前が載ってるやつ!自分の名前もあってうれしい。
Day1はMSのCEO Satya NadellaのKeynoteから始まります。ありがたいことにMVPは優先席的なものがあって前から2列目で聞けてHappy
席からとったステージ。めっちゃ近い
公式のアーカイブはこちら。
アプデはいっぱいあるので抜粋
元のXのセッションレポのスレッドはこちらを(ちょいちょい動画もあります)。
- GitHub CopilotによるApp modernization(.NET旧バージョン→.NET9へのupadteなどなどCopilotによるupdateが可能になる)。
- Azure SRE Agent(Azure上で動作するSRE)がPublic Previewに
- Code Agentのpublic preview開始。GitHub.com上で動作するAgent, issueでCopilotをアサインすると、どのようにタスクを実行するか説明し、実装、PRの作成をやってくれる。
→GitHub公式のポストによるとProject Padawanの進化系として、的な位置付けみたい
https://x.com/GitHubJapan/status/1924631289879237025
Apps and agents
- M365 CopilotがGA、資料等の作成、熟練のデータアナリスト/サイエンティストに相当するリサーチ能力を持つResearcher Agent
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Teams AI Library: Teamsに統合されたAgent。他のAgent同士の接続、TeamsのUI上からAgentを動かすことができる
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Copilot StduioにMulti Agent Orchestration(複数のagentをオーケストレーションすることができる)が登場
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Copilot Tuning:エージェントのファインチューニングにより組織のナレッジを活用してCopilotのカスタムが可能に
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Researcher Agent(データ分析エージェント)によるGutHub Issueからの引用も含めたインシデント分析レポートを生成
AI Platform
- Grok in Foundry Model: GrokがFoundryで使えるようになる
- Bring your own model to Copilot Studio: Copilot Studioで自分のモデルを使えるようになる
- Stanford Universityでの事例:Multi Agentのオーケストレーションによる医療論文や患者の事例へのアクセスとレポート生成、医療コミュニティへの共有
- Healthcare agent orchestrator:ヘルスケアデータに対する分析、要約、アクションを素早く実行
- MS Entrance Agent ID: ユーザーに対してやるようにAgentのEntraでのアクセス制御等の管理ができるように
- Foundryがローカルで使える。WindowsとMac対応。(Public Preview)これによりopen soureのmodelの使用、自分用のwindows ML modelの使用をローカルでできる
- Native Support for MCP on Windows:Windows上でのネイティブなMCPサポート
- WSL(Windows Subsystem for Linux)がopen sourceに
https://x.com/msdev/status/1924506589496496488 - NLWeb: Open Agentic Web(Agentを統合した対話的なWebサイト)の構築を可能にする。Schema.orgやRSSなどの既存フォーマットを活かし、AIエージェントと人間が自然言語でやりとりできるWebの基盤を構築。オープンなプロトコル&OSSで参加歓迎。これによりAgenticなWebサイト構築が民主化される。
https://t.co/aHEGFrpMxF
Infrastructure
- 最も低いコストで最高のパフォーマンスを。サーバースケールからラックスケールへ。ND GB200 v6は、最新のNVIDIA Grace Hopperベース(GB200)を搭載した次世代VM。72基のGPUを搭載し、1基あたり12,022トークン/秒という高い性能を誇る。これにより合計865,584トークン/秒(推定)という桁違いのスループットが実現可能。
Data
- Microsoft Diversity: Microsoft Discovery は、科学技術・研究開発(R&D)領域におけるAI・クラウド・データの統合基盤。科学分野に特化したCopilot、AzureのAIインフラ、エージェントアーキテクチャなどを組み合わせ、化学における新化合物の発見、生命科学におけるAIを用いた創薬、異分野科学の統合を支援し、サイエンスのbreakthroughを起こすことを目的とする。
- Limaの教育現場でのAI活用の事例紹介:生徒間での教育の格差をなくし、それぞれの生徒がきちんと学習できているかどうかをサポートするためにAIを導入した。教師たちは最初はAIによって自分の仕事が置き換えられると危惧していたが、実際は生徒一人一人に対して戦略的に学習を支援することができるようになった。
所感
- 以前DevOps Days Tokyoの後に「DevOpsの次なるフロンティアはOpsのmodernization、システムの運用保守における生成AIの適用、observability, remediation(自己修復)×AIが来るのではないか?」的なことを書いてたけど、思ったよりも早く、そして想像を超えるいい感じな形でSRE Agentとして提供された(Copilot in Azure Monitor的なものから段階的にGitHub Issuesとのシームレスな統合を実現する機能が来ると思ってた)。
https://x.com/1115_lilium/status/1912731522894831637 - MCP正直どうなん?と思っててそんなキャッチアップしてなかったけど、色んなデータを開発プロセスの中で活用できるのは確かにDevOps Lifecycleに力を与えるということがわかったので、「開発ライフサイクルの中で必要なデータ」という観点で考えてソリューショニングするのが大事なんじゃないかと思った(小並感)
- Key note全体として、Microsoftのミッション’ empower every person and every organization on the planet to achieve more(より多くの事を達成できるように地球上のすべての人、組織をエンパワメントする)’を体現するようなアップデートだった。開発現場に近いDeveloper toolのアプデから業務オペレーションを支援するAgentの話、AI Platform→インフラ、データに続いて、最後はサイエンスでのbreakthroughを目指すメッセージで、social goodへのコミットに繋げる構成が圧巻。
- AIに対して自分の存在が脅かされるのではないかというユーザー側の危機感や不安、AI使って本当に大丈夫?に対するアンサー的なメッセージングが多かった。
元のXのスレッドはこちら
- Agentic DevOps: AzureとGitHub Copilotによるソフトウェア開発の進化。ソフトウェア開発ライフサイクルのあらゆるフェーズでAIやAgentを適用することによってソフトウェア開発をmodernizeするというコンセプト。
https://azure.microsoft.com/en-us/blog/agentic-devops-evolving-software-development-with-github-copilot-and-microsoft-azure/ - SDLCの初期フェーズにおけるGitHub Copilot Agentの活用:プロダクトの要件定義書など開発を開始する前に必要なドキュメントの作成などのPdMの作業の支援、GitHub.com上のGitHub Copilotを活用したアイデア→実装の短縮
- PRD(Product Requirement Doc)をmdで生成
- html, cssプロトタイプの作成
- PRDをinputにして、GitHub Copilot Agentによる実装、PR作成。
- この一連のプロセスにより、IDEに行く前にGitHub.com上でマルチスレッドでimaginationの具現化をサポートすることができる。
- SDLC(ソフトウェア開発ライフサイクル)におけるCopilotのアクティビティの安全性についてはかなり投資をしている。
- ユーザーはCopilotをfull controlすることができる
- 実行する操作を説明し、ユーザーの承認なしには処理を実行しない
- copilotによるcommitとそうでないものを分離、Copilotによってreposがぐちゃぐちゃにならないようにしている
- Copilotはネット上のすべてのリソースにアクセスできるようにしてはいない。これによりデータのcredibilityの担保やハルシネーションを回避
- GitHub Copilotによる既存reposの問題の検出とリスト化、修正、Copilotとの対話によるbugの検出と修正をワンストップで実行(デモではVSCode上のGHCP、GitHub MCPを使用)
- SRE AgentとGHCP Agentを組み合わせることにより問題の解析、調査、レポート作成、推奨アクション提示、修正の適用などのOptimazationにおけるDevOps workflowを実現。
- GitHub CopilotによるApp modernization: プロジェクトのファイルを見て、アップグレードの際のテストの実行、パッケージ等の依存関係も考慮。
- QA/TestingにおけるGitHub Copilotの活用デモ:GitHub CopilotによるFrontendのテスト、Agentが対象ページにアクセスしてページを開き、PlaywrightでUIテストをやってくれる(スピーカー曰く「これまでの人生で最も簡単なデモ」)
DevOpsの名著、Phoenix Projectの著者Gene KimとMicrosoftのPartner Researcher Managerの Nicole Forsgren, GitHubのVP Martine Woodwardによるパネルディスカッション。テーマごとにファシリテーターのAndrew Flickからの質問に3人が回答&ディスカッションする感じで進む。
元のXのセッションレポのスレッドはこちら
- Q.あなた方にとってAgentic DevOpsとは何?
- A.ゴールの達成をサポートするもの、AIを使うことによって開発者にとってのアハ体験的な瞬間が失われると思う人もいるかもしれないがそんなことはない、より速く、よりambitiousに問題解決に挑む楽しみがある。
- Q.AIについて語るときはtrustについても語る必要がある。これについてどう考えていますか?
- A.AIを使う際にはAIによってoutputされたものを検証するというステップが必要になる。その情報の検証のタイミングは以前よりもより高頻度に、そしてリアルタイムで必要とされる。AIによってoutputされた処理のフローを理解し、情報を検証する時間をいかに最小化するかが課題となってくるだろう。
- Q.Agentic DevOpsに対する開発者や開発組織の適応についてはどう考えているか?
- A.コード生成やデプロイ、システムの保守のスピードは向上し続ける。これに対する適応は通常のDevOpsに対する適応とは違ってくる。適応というか反応として、シニアレベルの開発者はPPTなどの構造化されていないデータはこれらのスピードを阻害するものとして嫌う人が多い傾向にある。
- AI自体は創造的でない、創造性の担い手は以前として開発者である。Copilotを活用している開発者の満足度は高い、それは共に学んでいる、改善している、それも速いスピードで、ということの複合的な要因に起因するものだと思っている。
- Q.DevOpsはツールではない(DevOpsは人、プロセス、テクノロジーの相対)というのがDevOpsにおける原則の一つであるが、Agentic AIという新しい技術がDevExに与える影響は無視できない。この時代において、Agentic AIのDevOpsへの影響や変化をどう捉えるか。
- A.これまで通り、DevEx(開発者体験)と、フィードバックループが重要なのは変わらない。特にDevExはより重要。そしてAIによってフィードバックループが高速化することは、それだけ頻繁に良くすることができる機会がたくさん得られるだろう。
- A.Productivityを向上させるためには相互のトレーニングが重要。AIを使ったDevOpsのベストプラクティスは誰にもわからない、全てがExperimentになる。その体験を共有することが重要。
- A.リーダー達がよいプラットフォームとよいプロセスを持つことの重要性をチームに説明できるということを少し心配している。よいプロダクトというものはよいプロセス、よいアーキテクチャ、インフラにより構成される。プロダクトに対してそれらがコントロールができる状態でなければ、productivity(生産性)を向上させることは難しいだろう。
- Q.AI時代において成功をどう測る?
- A.AIを使った開発が成功しているかを評価する際に、productivityのみにフォーカスすべきではない。どのようなフェーズ、どのような問題にAIを適用し、結果どの程度の価値が付加できたか、どの程度セキュリティは向上したか、何をimproveしたかにfocusするべきである。
- Q.この時代におけるresponsible leadershipとは?
- A.AgentやAIを使いこなせるのはシニアエンジニアが多い。なぜなら彼らはデータ構造、アーキテクチャに精通している。junior、midレベルのエンジニアを排斥すべきではない。彼らは依然としてソフトウェア開発において重要であり、必要である。junior, midレベルのエンジニアをシニアに成長させること、 value creationにコミットすることがリーダーシップに求められる。
- Q.お気に入りのDevOpsにおけるAI活用に纏わる神話は?
- A.「AIは開発者の仕事を奪う」断じてそんなことはない。AgentやAIを使いこなすためにはインフラ、データ構造、アーキテクチャの構造、バージョン管理についての知識が必要である。開発者は依然としてそれらについて考えることも、やることもたくさんある
- Q.今後12か月で、開発者が必要になるであろうスキルは?
- A.コミュニケーション能力。「なぜこれを作るのか?」」「問題は何か?」「何を達成したいのか?」を高速なイテレーションの中で言語化していく能力が必要。
所感
- 個人的にはAI駆動開発よりAgentic DevOpsというワードの方が好き
- GitHub CopilotとかAgentとかDevOpsのmodernizeにコミットする機能がばんばん出るのは嬉しいけど、DevOpsのコンセプトや成功の指標に関するメトリクスへの影響についての見解は割と最近一番聞きたかったやつなので嬉しい
- 「AIによって開発者のアハ体験的なものは失われるのか?そんなことはない、問題解決の楽しみはい依然として存在し続ける、開発者にとって必要なのはamibitousに問題解決に取り組むこと」のくだりに関して、やっぱり最高のDevExはそれだよねと思った。コーディングが楽になるとかめっちゃ早くなるとかは嬉しけど、最高の開発体験かといわれると、「便利になって楽になって嬉しい」という体験の良さはあるけど、開発者としての最高の瞬間か?って聞かれるとうーん、って感じ。むしろ問題解決の楽しみとかアハ体験的なものはAI出てきてからの方が体感的には増えた感じがする
- クールなテクノロジーが出てきて開発ライフサイクルが変わろうとも「productivityばかり追うな、成功の定義はどれだけ価値を創造したか、何がどれだけimproveしたかにフォーカスせよ」というメッセージングがこういう場で発信されるのはありがたい
- SRE Agent使おうと思った
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