🧠 あらすじと概要:
映画『It’s Not Me』のあらすじと感想
あらすじ
『It’s Not Me』は、視覚や音の独特な演出を通じて、観客に強い印象を与える作品です。映画は、さまざまな抽象的なイメージや状況を描写しながら、観る者に深い思索を促します。外的なストーリーに頼らず、内面の感情や体験に焦点を当てています。具体的なストーリーラインは存在せず、視覚芸術としての体験を提供します。
感想の要約
感想文では、映画を観る過程での心の動きが描かれています。初めは不安や恐怖を感じながらも、次第にそのユニークさや自由さを楽しむようになったという体験が強調されています。映画の映像はフラッシュ映像のようで、観者を夢の中に引き込み、「完璧ではない美」の重要性を感じさせる内容となっています。また、観賞後には自身の環境や変化について考えるきっかけを得たと述べています。全体を通して、自由で多様な視点を持つことの大切さが伝わってきます。
It’s Not Meという映画を、雨がぱらぱらと降り傘に落ちる音すらも愛おしく思えるほど好きな街、京都で見ました。
「はやく悪夢をやめてくれ」「抜け出したい」途中退出不可の映画館に入ってしまったことを後悔。前に人が見える後ろの席を選んだ自分に感謝。
なぜなら、人の頭の影がスクリーンの下らへんに見えることで、「これは映画」と脳で納得することができるから。
開始5分くらいで、とんでもないものを選んでしまったと思った。
胸に手を当てると鼓動がはやかった。「大丈夫」「帰れる」と自分に言い聞かせる。閉所恐怖症で暗闇が怖い私は、見るまで自分のその特性を忘れていた。
そして、最初の色が反転し、3色で映し出されたような映像、誰かの苦しそうな息の音が徐々に大きく聞こえてくる。そこで、もうしんどかった。笑
だが、見ていくにつれて、これを「クソ映画」だなんてとんでも言えないと確信していく。
波に打ち上げられている俯きのこどもの難民。ヒトラーの話。マリリンモンロー。24枚の暗闇に浮かぶ林檎。1つの卵から20個くらい黄身が出る。突然犬になったように、尻をむき出しにし吠える男。花火のなか走る2人。波に浮かぶ人。
最後は、もう何を見せられているんだと笑えてきた。これをこの人は時間をかけてつくったのか。もう馬鹿らしくなってきた。口角が上がった。
「瑕のない美はない」「美の粒(ほくろ)」もう忘れた。そのくらいしか、映画の内容は覚えていない。
私は本当に映画を見たのかと確信がもてないけれど、時間は嘘をついていなくて、映画を見終わった私は電車で帰路についていて。
それくらい、フラッシュ映像のような、走馬灯のような映画だった。
私たちはまばたきをしているのに、世界は止まってくれないからひどい。貴方の目に映る映像は決して止まらないから。
貴方の夢は、貴方が監督。
「世界の美はまばたきを求めている」
なるほど。瑕という完璧ではない美があるから、美しいものは美しいのだ。私たちは、汚くて邪魔でいらないものに、もっと愛着を持ったらどう?まばたきをしてみて。気にならないっしょ?という思いを感じた。そう。まばたきをしてみると、気にならなくなる気がする。私たちは完璧を求めすぎている。不完全な美を愛せ。そう伝えられた、気がする。
映画をみて、ふざけるな!笑と途中から笑えてきた。もっとやってくれと思った。こんなに自由でいいんだ、と思った。他者の脳みそをのぞいてみて、自由になれた、気がする。
そういえば、家に帰ってきてから思い出した言葉がある。「何か一つを変えたければ、全てを変えなければいけないときがある」脱いだ服と畳んだ服と、ぬいぐるみと、絵の具セットと、電子辞書のポーチと、かばんと、時計と、教科書参考書、ダンベルなどが散らかっている自分の部屋の床を見て、「片付けなきゃ」と思った。「捨てなきゃ、誰かにあげなきゃ、手放さなきゃ」と思った。今年1年、変わりたいと思っている。皮をむくのか、増やすのか分からないが、進化か退化か分からないが、なにか変化を起こしたいと思っている。それをするならば、まずは身の回りのもの環境から変えねばならないのかもしれない、とまさかこの映画で教訓を得るとは。
「良い夢を。」エンドロールの終わりに待っていたシーン。
人生は夢なのかもしれない。帰り道の電車の車両一号車目の壁にもたれかかりながら、少し傾いて見える車内を見渡したときにそう思った。仮に人生が全て夢だったとすると、私は夢の中で夢の映画を見たのか。。。と思った。「良い夢をみて(良い人生にして。監督は貴方)」そんな、ひそかな、小さく見えるけれど膨らんでいる思いを拾ったような気がした。
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