iPhoneの製造を受託していることで知られる台湾のFoxconnは、インドに25億ドル(約3500億円)規模の工場を進出させる「プロジェクト・エレファント」を進行しています。Foxconnがインドで大規模な工場を展開する影響で、南インドの特定地域に大きな経済的影響が生まれていることが報じられています。

Foxconn’s India iPhone factory triggers real estate boom – Rest of World
https://restofworld.org/2025/foxconn-india-iphone-factory-bengaluru/


iPhoneはFoxconnなどの電子機器受託生産企業が生産していますが、これらの企業の工場は人件費の安い中国に多く存在しているため、新型コロナウイルスのパンデミックが起きた際にはiPhoneの出荷台数が激減しました。一か所に生産拠点を集中させることによるリスクが明確になったこと、そしてアメリカと中国の間で巻き起こる貿易戦争の影響もあり、Appleは中国以外にも生産拠点を拡大すると見られています。特に注目されているのがインドで、2027年までにiPhoneの約25%がインドで製造されるようになると予想されています。

2027年までにiPhoneの50%がインドで生産されるようになる可能性 – GIGAZINE


インドのハイテク拠点であるベンガルール郊外にあるデバナハリという地域に、Foxconnはプロジェクト・エレファントの拠点を置いています。プロジェクト・エレファントの敷地面積は約1300万平方メートルで、サッカー場約220面分の大きさです。以下は、プロジェクト・エレファントの設計図と建設中の写真。


Foxconnは台湾に本社を構える電子機器生産企業ですが、生産拠点を中国に構えています。プロジェクト・エレファントはFoxconnの工場として中国以外で2番目に大きなものとなり、4万人の雇用を創出する見込み。

不動産コンサルタント会社のデータによると、Foxconnの進出以来、デバナハリの不動産価格は35%上昇しているとのこと。また、開発業者はプロジェクト・エレファントから半径10km圏内の物件を「Foxconn近郊」と宣伝しており、それにより2022年からの約3年で周辺地域の物件数は倍増しています。


不動産業者のアシシュ・ジャー氏によると、2019年にデバナハリの工業地帯で不動産販売を開始した当時、建設中の物件の価格は最小単位あたり3500ルピー(約5800円)だったそうです。しかし、プロジェクト・エレファントの影響で同地域には30以上の学校、複数のショッピングモール、そして最先端の病院が数多く建設されており、最小単位あたりの価格は9500ルピー(約1万5000円)に急騰したとジャー氏は語っています。

Foxconnは数万人規模の労働者流入を予測しており、地元の不動産開発業者と提携して中国やフィリピン、台湾などの東南アジア諸国からの労働者を受け入れるための計画も進めています。

一方で、デバナハリで農業を営むグループは、プロジェクト・エレファントを中心とした工業化に抗議活動を行うなど反発しています。デバナハリの農民リーダーであるラメシュ・チーマチャナハリ氏は「彼らはいつも、とても楽しいおとぎ話を持ちかけてきます。しかし、雇用のための準備はどのようなものなのでしょうか。政府は農民とその子供たちに、Foxconnがもたらす雇用に必要な教育と技能を身につけさせておらず、清掃員や門番など少数の役割以外、ほとんどの村民は工場で雇用できません」と懸念を述べています。

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