🔸 ざっくり内容:
こんにちは、公認会計士のRIKUです。今回は、防衛や航空宇宙関連の企業であるIHI(7013)について、財務の安定性を分析します。この企業は国家安全保障に関連した重要な銘柄で、最近の有価証券報告書データを基に評価しました。
評価基準
- A: 配当カバレッジ ≥ 1.8倍、ICR ≥ 10倍、自己資本比率 ≥ 45%(直近3期平均で達成)
- B: 上記のうち2つを満たす、または一時的要因で1指標が悪化
- C: 配当カバレッジ < 1.2倍 または ICR < 5倍が継続、自己資本比率 < 35% など
IHI(7013)の評価
- 総合評価:B
- 会計士コメント: 営業キャッシュフロー(CF)やICRが高く、配当の支払い余力は十分ある一方で、自己資本比率は約20%と低く、負債依存が目立っています。政策の後押しと業績改善を踏まえ、B評価にしました。
財務分析(2023年3月〜2025年3月)
- 配当カバレッジ: 3期平均で6倍超、余力あり。
- ICR: 高水準で利払いに問題なし。
- 自己資本比率: 20%前後と低く、レバレッジが高い。
注記コメントの要約
- サプライヤーファイナンス: 買掛債務の支払いスキームは約27,450百万円。流動性リスクは限定的。
- 資金調達動向: 2025年に社債を20,000百万円発行予定。
- 現金同等物: 期末残高は約136,809百万円で、CFは変動しやすい。
- 収益認識: 長期契約に基づく収益計上は変動性がある。
- 財務体質: 自己資本比率は低く、大型プロジェクトの負担が懸念材料。
会計士コメントの深堀り
- 営業CFの改善により、配当の裏付けが強化されていますが、自己資本比率の低さが構造的課題となっており、景気後退やプロジェクトの失敗時には流動性に影響が出るリスクがあります。
まとめ
- 評価:B(配当カバレッジとICRは良好だが自己資本比率が不足)
- 強み: キャッシュ創出力と利払い余力
- リスク: 高い財務レバレッジ
- 今後の対応: テーマ性と業績の回復を背景に注目されるが、「財務耐性」とのバランスには注意が必要です。
免責事項
この記事は公開情報に基づく分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任で行ってください。
🧠 編集部の見解:
IHI(7013)の財務分析と私の感想
こんにちは!公認会計士のRIKUです。今日は防衛や宇宙、航空機分野の重要な企業であるIHIについて、特にその財務の安定性を評価してみたいと思います。
私が感じたこと
IHIは国家安全保障に非常に重要な役割を担っている企業ですが、その財務状況には少々心配な面もあります。配当カバレッジや利払いカバレッジは良好で、基本的にはキャッシュフローをしっかり確保しているようですが、自己資本比率が20%前後というのはちょっと低いですよね。
これはレバレッジ依存の構造があるため、変動の影響を受けやすいということ。特に大型プロジェクトが失敗したり、景気が悪化したりした場合、財務が急激に揺らぐ可能性があります。この点は投資家にとって注意が必要です。
関連事例
過去には、航空宇宙産業での大型プロジェクトが失敗し、企業全体の財務が危機に陥ったケースがいくつかあります。例えば、ある aerospace 大手が開発した新型機の納期遅延が続き、巨額の損失を被ったこともありました。そのため、IHIの財務を管理していく上で、引き続きプロジェクトリスクをモニタリングすることが重要です。
社会的影響
IHIのような企業が安定的に運営されることは、国家の防衛力やサプライチェーンの安定にも直結します。特に最近の国際情勢を鑑みると、こうした企業が健全に営まれることは国全体にとっても大事です。
豆知識
日本の防衛関連企業は、ここ数年で投資環境が激変しています。政府の防衛予算の増加や、民間からの資金流入が続いているため、今後の成長が期待されている分野でもあります。ただ、これらの企業はプロジェクト型ビジネスが多いため、短期的な業績変動には注意が必要です。
まとめ
IHIは配当や利払いに対する余力は良好ですが、自己資本比率の低さがリスク要因です。テーマ性も強く期待される一方で、財務の耐性については引き続き監視していく必要があります。投資を考えている方はこの内容を踏まえて、慎重な判断をしていただければと思います。
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キーワード: 財務分析
この分析は、IHI(7013)の財務安定性や配当カバレッジ、自己資本比率などに焦点を当て、投資判断の参考となる情報を提供しています。
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