ユーザーの指示でレストランの予約をするなど、自律的にタスクをこなすことができる「AIエージェント」は数多く存在します。設計が全く異なるAIエージェント同士でも相互運用を可能にするプロトコル「Agent2Agent(A2A)」を、Googleが新たに発表しました。A2AはAI企業のAnthropicが開発したプロトコル「Model Context Protocol(MCP)」を補完するものという位置づけになっています。

Announcing the Agent2Agent Protocol (A2A) – Google Developers Blog
https://developers.googleblog.com/en/a2a-a-new-era-of-agent-interoperability/

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https://google.github.io/A2A/#/

「AIエージェント」は、日常的に繰り返されるタスクや複雑なタスクを自律的に処理することが可能なツールで、企業のカスタマーサポートを代行したり、ホテルの予約をしたりするなど専門性の高い行動を取ることができます。例えばGoogleはChromeを自動操作できる「Project Mariner」というAIエージェントを、Salesforceは顧客管理が可能な「Agentforce」というAIエージェントを設計し、提供しています。

このように、各社が独自のAIエージェントを設計しているため、そのままでは「AIエージェント同士で情報をやりとりしてスムーズに運用する」という処理が困難です。これを解消するために導入されるのがA2Aです。

A2Aは「クライアントエージェント」と「リモートエージェント」間のコミュニケーションを促進するプロトコルです。A2Aを使うと、クライアントエージェント、つまりユーザーが最初に指示を与えるAIエージェントは、ユーザーの指示を正しく遂行できるリモートエージェントを探し出して情報を与え、リモートエージェントから得た情報をユーザーへ返すことができるようになります。

リモートエージェントはJSON形式の「エージェントカード」を使用して自身の能力を宣伝します。例えば、自分は人材発掘に最適であるとか、面接のスケジュール調整に最適であるといったものです。クライアントエージェントがこうした情報を受け取ると、ユーザーの指示に最適なリモートエージェントを決定し、お互いにメッセージを送り合うなどして情報を伝達します。この過程で、「リモートエージェントである私は映像やテーブル(表)を表示できるが、必要か?」など、タスク解決に向けてお互いに「交渉」することもあります。

以下はGoogleが示したデモ映像です。

表示されているチャット画面は、GoogleのAIエージェント「Agentspace」の画面です。ユーザーは業務内容を記したファイルを添付して条件に合ったソフトウェアエンジニアを探してもらおうとしています。


クライアントエージェントたるAgentspaceは、条件に合ったAIエージェントを検索し、今回は「Sourcing Agent」というエージェントが最適だと決定付けました。


Agentspaceから伝達を受けたSourcing Agentは「お手伝いできて光栄です」と伝えつつ、ユーザーにさらなる情報を求めます。


ユーザーから追加の情報を受け取ったSourcing Agentは、「プレーンテキストとして送信することも、iframe埋め込みを使ったわかりやすいカードとして表示することもできます。クライアントエージェントがiframeをサポートしているか交渉してみます」「サポートしていますね。ではカードとして表示しましょう」と思考します。


そして、以下のように情報をカードとして表示しました。


以上の処理がすべてAgentspace上で行われているのが特徴で、ユーザーは複数のAIエージェントの画面を行ったり来たりすることなくスムーズにタスクを実行することができます。

なお、A2AはAIと外部データソースの橋渡しを担うプロトコル「MCP」を補完するものという位置づけで、MCPとA2Aの役割は以下のように異なります。

・MCP:AIエージェントを外部のツール、API、リソースに接続するもの
・A2A:異なるAIエージェントを接続するもの


A2AはAtlassianやSalesforce、PayPalなど50社以上のサポートにより実現されています。「オープン・プロトコル」として公開されていて広く使用されることが望まれており、2025年後半には正式版がリリースされる予定です。

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