「オンラインミーティング、自分の顔を出すのは少し気恥ずかしい…。でも、ただのイニシャルアイコンも味気ない…。」
多くのエンジニアのみなさんと同様、私もそんな悩みを抱える日々を送っていました。
「そうだ、アバターを使おう!」
そう思い立ったは良いものの、普通のアバターでは面白くない。どうせなら、見る人が「おっ」となるような、それでいて親しみのあるアバターが良いと思いました。
…ん? 親しみのある…?
我が社にいるじゃないか!日本中の家庭に安心と笑顔を届けてきた、あのキャラクターが!
そう、 ビオレママ です。
もしビオレママのアバターで会議に出席できたなら、全てのミーティングが和やかな雰囲気に包まれ、上司への進捗報告もより優しく聞いてもらえるはず!
しかし、私には一つ大きな問題があります。3D モデリングのスキルが絶望的にありません。Blender を開いては、立方体を眺めてそっと閉じる…そんなレベルです。
「ならば、今話題の生成 AI に作ってもらえばいいじゃないか!」
というわけで、本記事ではターミナルから手軽に使える Gemini CLI と、AI が Blender を操作できるようにする Blender MCP を使い、ビオレママの 3D モデル生成に挑戦します。
果たして、AI は私の夢を叶えてくれるのでしょうか?衝撃の結末まで、ぜひお付き合いください。
- macOS 15.5
- Gemini CLI 0.1.9
- Blender 4.4.3
- Blender MCP 1.2
Blender
公式サイトからダウンロードしインストール
Blender MCP
- 以下のリポジトリをGitでクローン
- uvをインストール
NOTE
HomeBrew以外でインストールしても問題ありません
- Blender MCP をセットアップ
Blenderを起動し、[編集]>[プリファレンス…]>[アドオン]を開きます
右上の[▽]を押し、[ディスクからインストール…]を選択し、
さきほどGitでクローンしたプロジェクトの[addon.py]を選択し、[ディスクからインストール…]を押します
すると、Blender MCP がアドオンとして追加されます
次に3Dビューの右上の方にある[BlenderMCP タブがあるので開きます
[Use Hyper3D Rodin 3D model gener…]にチェックを入れ、[Set Free Trial API key]を押してAPI keyを取得し、[Connect to MCP server]を押してMCPサーバーを起動して準備完了です
Gemini CLI
基本的には以下のGitHubのリポジトリのREADME.mdの書いてある通りにします
NOTE
gemini cliを起動するとセットアップが行われるので文言の指示通りに設定してください
Gemini CLIから Blender MCP が使えるように設定ファイルを追加
~/.gemini/settings.json
{
"mcpServers": {
"blender": {
"command": "uvx",
"args": ["blender-mcp"]
}
}
}
以上で、環境構築は終わりです
Gemini CLIを起動するとこんな感じです
MCPサーバーが正しく設定できているか確認
╭──────────╮
│ > /mcp │
╰──────────╯
ℹ Configured MCP servers:
🟢 blender - Ready (17 tools)
- get_scene_info
- get_object_info
- get_viewport_screenshot
- execute_blender_code
- get_polyhaven_categories
- search_polyhaven_assets
- download_polyhaven_asset
- set_texture
- get_polyhaven_status
- get_hyper3d_status
- get_sketchfab_status
- search_sketchfab_models
- download_sketchfab_model
- generate_hyper3d_model_via_text
- generate_hyper3d_model_via_images
- poll_rodin_job_status
- import_generated_asset
Using 1 MCP server (ctrl+t to view)
準備が整ったので、いざ ビオレママ を作成開始!
> 花王株式会社のキャラクターであるビオレママ・あけみさんの3DモデルをBlenderで作って
すると…
ビオレ…くま じゃね??
Gemini CLI のログを確認してみると
✦ 承知いたしました。花王株式会社のキャラクター「ビオレママ・あけみさん」の3DモデルをBlenderで作成しますね。
キャラクターモデルのような複雑な形状をゼロから作るのは非常に難しいため、AIによる画像からの3Dモデル生成を試みます。
まず、参考にする画像を探し、同時に既存の3Dモデルが公開されていないか検索します。
✦ Sketchfabでのモデル検索に失敗しましたが、AIによる3Dモデル生成機能が利用できるか確認します。
✦ Hyper3D Rodinの利用が可能でしたので、テキストプロンプトから3Dモデルを生成します。
✦ 3Dモデルの生成が開始されました。完了までしばらく時間がかかるため、定期的に進捗を確認します。
✦ 生成状況の確認中にエラーが発生しました。再度、確認を試みます。
✦ モデル生成はまだ処理中です。引き続き、定期的に進捗を確認します。
...
✦ モデル生成はまだ処理中です。引き続き、定期的に進捗を確認します。
✦ モデルの生成が完了しました。Blenderにモデルをインポートします。
✦ モデルのインポートが完了しました。現在のシーン情報とスクリーンショットでモデルを確認します。
✦ スクリーンショットの表示に失敗しました。再度試みます。また、不要な立方体のオブジェクトを削除します。
✦ スクリーンショットの表示に再度失敗しました。しかし、3Dモデル「ビオre_mama_akemi_san」はBlenderのシーン内に正常に生成されています。
AIによる自動生成のため、キャラクターの再現度には限界がありますが、3Dモデルの準備ができました。ご確認いただけますでしょうか。必要であれば、ここからさらに手作業での調整や修正を加えることも可能です。
✦ スクリーンショットの表示に繰り返し失敗しており、申し訳ありません。モデル自体はBlenderにインポートされています。
AIによる自動生成のため、キャラクターの再現度は完璧ではないかもしれませんが、ご確認いただけますでしょうか。もしよろしければ、ここから手作業で修正を加えることも可能です。
どうやら、AI に参考画像を与えた方が良さそうということがわかりました。
Gemini CLI に画像を渡すと
NOTE
画像が透過されていると上手くいきませんでした
╭───────────────────────────────────────────╮
│ > @bioremama_akemi.jpg この画像は? │
│ --- Content from referenced files --- │
│ --- End of content --- │
╰───────────────────────────────────────────╯
✦ この画像は、花王のスキンケアブランド「ビオレ」のキャラクター、「ビオレママ」です。ファイル名にある「あけみ」は、彼女の名前のようです。
正しく認識してくれたので、今度こそビオレママを作ります!
╭─────────────────────────────────────────────────────╮
│ > この画像を参考にして、Blenderで3Dモデルを作って │
╰─────────────────────────────────────────────────────╯
✦ はい、承知いたしました。提供された画像を参考にして、Blenderで「ビオレママ」の3Dモデルを作成します。
まず、シーンをクリアして、頭と体から作成を始めます。
✦ 申し訳ありません、スカートの作成でエラーが発生しました。円錐を作成するための正しいコマンドを使用し、腕と脚も追加して修正します。
✦ 基本的な形状ができました。現在のモデルのスクリーンショットをお見せします。
✦ こちらが現在のモデルのスクリーンショットです。
次に、髪とバンダナを追加します。
✦ 髪とバンダナを追加しました。現在のモデルのスクリーンショットをお見せします。
✦ こちらが現在のモデルのスクリーンショットです。
次に、エプロンと顔のパーツを追加します。
✦ エプロンと顔のパーツを追加しました。現在のモデルのスクリーンショットをお見せします。
✦ こちらが現在のモデルのスクリーンショットです。
最後に、各パーツに色を付けます。
✦ 申し訳ありません、マテリアルの作成でエラーが発生しました。マテリアル作成のコードを修正し、各パーツに色を付けます。また、スカートのストライプとバンダナのドットは、テクスチャではなく、実際のジオメトリとして作成します。
まず、マテリアルを修正し、基本的な色を適用します。
✦ 申し訳ありません、またマテリアルの設定でエラーが発生しました。ノード名が原因のようです。ノードのタイプで検索するように修正し、再度マテリアルを設定します。
✦ 基本的な色が適用されました。次に、スカートのストライプとバンダナのドットを追加します。まず、スカートのストライプから作成します。
✦ スカートにストライプを追加しました。次に、バンダナにドットを追加します。
✦ モデルが完成しました。最終的なモデルのスクリーンショットをお見せします。
✦ こちらが完成した「ビオレママ」の3Dモデルです。ご要望に応じて、さらに調整や変更も可能です。他に何かご希望はありますか?
今度はうまくいっていそうです!
完成したビオレママがこちらです!
えっ。。。
残念ながら Gemini CLI を使い、ビオレママの3Dモデルはうまく作れませんでした。
もし、ビオレママがうまく作成できた方がおりましたら、ぜひやり方を教えてください。
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