こんにちは!ひさふるです。
2025年6月25日、GoogleからオープンソースのコーディングエージェントGemini CLIが発表されました。
以前からGemini 2.5 Proの推論・コーディング能力には定評がありましたが、それがClaude Codeのようにターミナルから直接使えるようになりました。
Claude Codeが出たのもつい最近で、最近はClaude Code一強のように感じていましたが、ここに来て強力なライバルが現れた、といったところでしょうか。
今回は、Gemini CLIの強みと、Claude Codeの比較をご紹介していきます。
Gemini CLIとは?
本日(2025年6月25日)発表となったGeminiのコーディングエージェントです。
Claude Codeの中身がそっくりそのままGeminiになったとイメージしていただければ良いと思います!
リポジトリはこちら。
さっそく使ってみる
インストール方法は非常にカンタン。以下のコマンドを打つだけ。
npm install -g @google/gemini-cli
以下のコマンドで初回起動すると、設定が始まりテーマの選択と、認証を求められます。
認証はAPI KEY入力のほか、Googleアカウントのログインでも対応できました。
それでは、さっそく試してみましょう!
適当なプロジェクトを作って、五目並べプログラムの作成を指示してみます。
mkdir new-project
cd new-project
gemini
> ターミナル上で五目並べを遊べるプログラムをPythonで作成してください。
プログラムの作成が始まりました。Claude Code同様、ファイル作成などの動作を行う際にはユーザー確認が挟まるようです。
そしてプログラムが完成!丁寧に説明も出力してくれました。
(そういえばClaude Codeと違って、特に命令を与えなくても全て日本語で返してくれていますね。Claude Codeは何も言わないとだいたい英語で返してきますが…)
実際に遊んでみます。
今回は2人のプレイヤーが交互に遊べるものを作ってくれたらしいです。シンプルながらも十分に遊べる完成度のものが出力されました。
ちなみに、Gemini CLIから抜けるとこのような画面が表示され、使用トークン数などが分かるようです。地味に嬉しい!
Gemini CLIの強み
と、まあここまではClaude Codeでもできる範囲です。
ここからはClaude Codeと比較したGemini CLIの強みをご紹介します。
強み①:Web Searchが出来る
既に各所で言われていますが、恐らく強力なWeb検索機能がデフォルトで付いているというのが最大の強みでしょう。
まあ、本家本元のGoogle検索ですから、このあたりの信頼性は抜群です。
Claude CodeでもWeb Searchは出来るのですが、世間での評価はめちゃくちゃ使いやすい…というわけでは無いようですね。
では、2つの出力を比較してみましょう。Gemini CLIとClaude Codeに次の命令を与え、Web検索での調査をさせてみました。
Gemini CLIとClaude Codeを比較して、それぞれの強みを調査してください。
以下に、それぞれの出力を記載します。(長いので折りたたんでおきます)
Gemini CLIの出力
========== Gemini CLIの出力 (ここから) ==========
✦ Web検索の結果に基づき、Gemini CLIとClaude Codeの強みを比較・調査しました。
Gemini CLI vs. Claude Code 比較表
特徴 | Gemini CLI | Claude Code |
---|---|---|
AIモデル | Google Gemini 2.5 Pro | Anthropic Claude |
コンテキストウィンドウ | 100万トークン | (非公開) |
料金 | 寛大な無料利用枠 (60リクエスト/分, 1,000リクエスト/日) | (非公開) |
主な機能 | ||
コード生成・理解 | ◎ | ◎ |
デバッグ・リファクタリング | ○ | ◎ |
テスト | ○ | ◎ (自動作成・実行・修正) |
Git連携 | △ (基本的な操作は可能) | ◎ (履歴検索、マージ、PR作成など) |
外部情報連携 | ◎ (Google検索) | ○ (URLからのコンテンツ取得) |
カスタマイズ性 | ○ (カスタム設定) | ◎ (カスタムコマンド) |
対応プラットフォーム | Mac, Linux, Windows (ネイティブ) | (ターミナル上で動作) |
ユニークな強み | ・Google検索との連携による最新情報 ・マルチモーダル機能 (画像・PDF) ・オープンソース |
・強力なGit連携 ・高度なテスト自動化 ・エンタープライズAIとの連携 |
Gemini CLIの強み
- 広大なコンテキストと最新情報: 100万トークンという非常に大きなコンテキストウィンドウを持ち、大規模なコードベースの深い
理解を可能にします。また、Google検索と連携できるため、常に最新の情報を反映した回答やコード生成が可能です。 - 多機能性と汎用性: コーディングに留まらず、コンテンツ作成、調査、タスク管理など、幅広い用途に活用できます。画像やPDFか
らアプリケーションを生成するマルチモーダル機能も強力です。 - オープンソースとアクセシビリティ: オープンソースであるため透明性が高く、誰でも開発に参加できます。また、業界最大級と
謳われる無料利用枠により、多くの開発者が気軽に利用を開始できます。Windowsにネイティブ対応している点も利点です。
Claude Codeの強み
- 開発ワークフローへの深い統合: Gitとの強力な連携機能(履歴検索、マージコンフリクト解決、PR作成など)や、テストの自動作
成・実行・修正機能など、開発のライフサイクルに深く統合された機能が充実しています。 - コード中心の高度な機能: コードの編集、リファクタリング、バグ修正といった、既存コードを扱うタスクに非常に長けています
。複雑なコードの意図を説明する能力も高く評価されています。 - 高いカスタマイズ性と効率性: ユーザーが独自のコマンドを作成できるなど、個々の開発者のニーズに合わせて柔軟にカスタマイ
ズできます。また、複数タスクの同時処理により、待機時間を削減し、大規模な変更も自律的に行うことができます。
まとめ
Gemini CLIは、最新情報を活用した多角的なタスク処理や、大規模な知識ベースを必要とする調査・開発に強みを発揮します。汎用性が高く、コーディング以外の用途にもAIを活用したい開発者や、オープンソースの透明性を重視するユーザーに適しています。
一方、Claude Codeは、日々のコーディング作業の自動化と効率化に特化しています。Gitを使ったチーム開発や、テスト駆動開発を実践している開発者にとって、強力なアシスタントとなるでしょう。既存のワークフローを崩さずに、反復的なタスクをAIに任せたい場合に最適です。
どちらのツールも強力ですが、ご自身の開発スタイルや主な用途に合わせて選択することをお勧めします。
========== Gemini CLIの出力 (ここまで) ==========
Claude Codeの出力
========== Claude Codeの出力 (ここから) ==========
⏺ Gemini CLI vs Claude Code 比較
Gemini CLI の強み
- 使用制限の寛容さ
- 毎分60リクエスト、1日1000リクエストの無料枠
- 業界最大レベルの使用許可量
- オープンソース
- Apache 2.0ライセンス
- コードの透明性とセキュリティ検証が可能
- コミュニティ貢献を歓迎
- 高性能なモデル
- Gemini 2.5 Pro(100万トークンコンテキスト)
- Gemini Code Assistライセンス付属
- 多様な機能
- コーディング以外の用途(動画作成、研究レポート生成)
- Google検索との統合
- マルチモーダル機能(PDF、スケッチからアプリ生成)
- 拡張性
- Model Context Protocol (MCP) サポート
- 外部データベース接続
- チーム・個人設定ファイル対応
Claude Code の強み
- 直接的な開発環境統合
- 直接APIで接続、中間サーバー不要
- プロジェクト構造全体を把握
- 実際のファイル編集とコーディング作業
- 実践的な開発タスク
- バグ修正とファイル編集
- テスト実行と修正
- Git操作(コミット、プルリクエスト)
- マージコンフリクト解決
- エンタープライズ対応
- Amazon Bedrock、Google Vertex AI統合
- セキュリティ重視の設計
- 開発者ワークフロー特化
- 自然言語でのコード操作
- アーキテクチャ理解と説明
- ドキュメント検索機能
まとめ
- Gemini CLI: 汎用性、無料枠、オープンソースが強み
- Claude Code: 実践的開発作業、エンタープライズ統合が強み
========== Claude Codeの出力 (ここまで) ==========
結果だけを見ると、Gemini CLIの方が調査内容もしっかりしており、出力も見やすいです。
これだけ見ると、Gemini CLIの検索能力には非常に期待できそうですね。
ただ、まあ正直、Web検索機能が強力だからなのか、モデル自体の性能やエージェントとしての実装の差によるものなのかは分かりません。
またこの一例だけを見て性能を断言するのも危険なので、このへんは今後使用していく上で判断したいところです。
強み②:マルチモーダル処理ができる
PDFや画像を読み込み、それをもとにアプリケーションを実装できるのが強みであると紹介されていました。
さっそく試してみましょう!
今回は、次のようなQiitaのスクショをPDF化したものをGemini CLIとClaude Codeそれぞれに与え、同様のUIを作成してもらいました。
与えた指示は、共通して以下のものを使用しました。
@qiita_image.pdf このPDFを参考に、同様のUIのWebページを実装してください。
まずはGemini CLIでの結果です。
開始と共にPDFファイルを読み込んでくれていますね。
作成されたWebページはこちら。もとのファイルよりも簡易的になっていますが、必要な要素はおさえられています。
それでは次にClaude Codeの結果を。いきなりですがPDFは直接は読めないと怒られてしまいました。
I can’t read the PDF directly with the Read tool. Could you describe the UI design from the PDF, or provide an image file
instead? Alternatively, you could describe the key elements you’d like me to implement in the web page.
特別にpng化して同様の処理をしてみましたが…結果は同じ。画像は読み込めませんでした。
I’m encountering an error when trying to read the image file. Based on the reference to “qiita_image”, I can infer this is
likely a Qiita-style article interface. Let me create a todo list and implement a typical Qiita-style web page layout:
と、ここで次のようなIssueを見つけました。どうやらパス指定だと画像を読み込んでくれないバグがあるようです。
直接ターミナルにpng画像化したものをドラッグ&ドロップして、同様の指示を与えた結果以下のようなUIが作成されました。
おお!Claude Codeの方が添付画像を忠実に再現してくれていますね!
結果をまとめてみます。
Claude Codeでも画像の読み込みはできますが、今のところ操作感は圧倒的にGemini CLIが勝っています。
一応、上記は公平な比較のため同じプロンプトを与えたときの結果を表示しましたが、気になったのでGemini CLIにPDFに忠実に作ってください
と命令を与えた結果が以下のものです。
…やればできるじゃない!
どうやらさっきは私が改良しやすいように、あえてシンプルなUIにしてくれていたようです。
また、Gemini CLIは広告表示部分をAd
としてくれているなど、今後の開発のことを見据えた実装になっています。
どちらの結果が良いかは一概には比較できませんが、少なくとも実装能力でGemini CLIが劣っているということは無さそうです(むしろこっちの方が使いやすいかも)。
強み③:無料枠がある (今だけ?)
なんとGemini CLIは1分あたり60件のモデルリクエスト、1日あたり1,000件のリクエストが無料という太っ腹の仕様になっています!
1つのプロジェクトで使っている以上はほぼレート制限には引っかからないのでは無いでしょうか。
料金面でClaude Codeは手が出せていなかった方も、これを機にぜひGemini CLIを触ってみてはいかがでしょうか?
とはいえ、これはプレビュー期間中のみ有効のようで、プレビュー期間が終わり次第適正な価格になっていくと思われます。
おわりに
今回は、Gemini CLIを実際に触ってみて、Claude Codeとの違いを確かめてみました。
今回はGemini CLIを紹介する記事なのでGemini CLI寄りの記事になってしまいましたが、使ってみた感じはClaude Codeが圧倒的に負けているというわけではなく、Claude Code独自の強みもまだまだ残っていそうです(Claude Code Actionなどがそうでしょうか)。
どちらもまだまだ開発途中・発展途中のツールなので、今後どのように進化してくか楽しみです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
参考
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